その履歴書、NGかも!キャリアコンサルタントが教える自己PRの書き方【ライター/粕谷麻衣】




転職活動において、必須となるのが履歴書の作成です。とくに、企業の採用担当者が目を止めてじっくりと読み込むのが「自己PR」です。

自己PRは本人の人となりや企業との適性、能力面などを見極めるうえで重要な部分。応募者側はこの自己PRは、時間をかけて丁寧に記入していく必要があります。

しかし、これまでさまざまな履歴書を読んできた筆者ですが、意外にも「NGな自己PR」を記入していることが少なくありませんでした。

そこで、今回はキャリアコンサルタントとして活動する筆者が、NGな自己PRと、採用率がアップする自己PRについてご紹介します。

履歴書でありがちな「NGな自己PR」とは

さっそく、履歴書でありがちな自己PRのNGポイントをご紹介します。

転職活動を控えている方や、履歴書の作成で頭を悩ませている方は、ぜひ参考にしてみてください。

曖昧な表現が多い

履歴書でありがちなNGな自己PRとして、まずご紹介するのが「曖昧な表現の多さ」です。自己PRは記入内容の自由度が高い分、どのような内容を盛り込めばいいのか悩んでしまい、結果的に中身の薄い自己PRになってしまいがちです。

たとえば、以下のような自己PRには注意が必要です。

【NGな自己PR例】

前職では営業として勤めていました。日々、さまざまなクライアントに向き合いつつ、新規開拓も行っていて、貴社でも同様に営業として高い責任感を持って従事することができます。

上記の自己PRがNGな点としては、まずどれくらいの数のクライアント対応をしていたのか、新規開拓は1か月あたりどれくらいこなし、どの程度の新規契約を獲得したのかが不明確です。

また、「さまざまなクライアントに向き合いつつ」という内容の中には、具体的にどのようなクライアントがいて、どのようなトラブルがあり、どう解決したのかなどを盛り込んだほうが読み手としてはイメージしやすくなりますよね。

可能であれば、数字を盛り込むなどして、自己PRの中にしっかりと入れ込むようにしましょう。

文字が大きすぎるor小さすぎる

自己PRを記入するにあたり、文字の大きさには注意が必要です。大きすぎたり、小さすぎたりしてしまうと読みにくくなってしまいます。「読み手のことを考えていない」と判断されてしまうリスクもあり、採用チャンスに影響することが考えられます。

一般的に、自己PRの文字数は300~400文字が好ましいと言われています。自己PRの欄に400文字までの内容がバランスよく記入できるような文字の大きさを意識して記入しましょう。

修正テープ、修正液の使用

自己PRに限った話ではありませんが、基本的に履歴書では修正テープや修正液の使用はマナー違反となります。

万が一、書き間違いがあった場合には、新しい履歴書に最初から書き直しとなるので慎重に記入することが大切です。

とはいえ、何度も書き直すのは手間と時間がかかるので、以下のような方法で履歴書作成を行うとミスを減らしやすくなります。

【履歴書の書き間違いを減らすコツ】

  • 事前に記入する内容を決めて、書き出しておく(そのまま履歴書に書き移すようなイメージ)
  • えんぴつで薄く下書きしてから、ボールペンなどでなぞり書きする
  • 記入項目以外を紙などで隠す(上下の欄に影響を受けて間違えないようにするため)
  • 静かな環境など、落ち着いて記入できる場所で履歴書を作成する

上記を意識しながら、履歴書の自己PRを集中して記入していきましょう。

受け身な姿勢が見える

自己PRを書くにあたり、避けたほうがいい内容が「受け身な姿勢が見える内容」です。

企業の求める人物として、比較的多いのが主体的になれる人や、自分で判断して積極的に行動できる人などです。「企業にお世話になる」「自分を成長させてもらう」といったニュアンスの内容は、採用チャンスを下げやすいので注意しましょう。

具体的に、受け身な姿勢が見えやすい内容は以下のようなものです。

  • 「貴社であれば、いろいろな経験を積ませてもらうことでき、人間的にも社会人としても成長できると感じました」
  • 「不慣れな点もあるかもしれませんが、業務を通じて勉強させてもらえればと思います」

上記のような自己PRは一見前向きに見えますが、企業に手を貸してもらうことが前提のような印象です。「主体的に学ぶ」「自ら経験を積みに行く」といった気持ちを全面に出した自己のほうが好印象になりやすいでしょう。

短所に重きを置いてしまう

正直に自分の短所を伝えることは重要ですが、長所よりも短所に重きを置いてしまうことは避けたほうがいいでしょう。短所を重視してしまうと、その自己PRの印象が短所の内容が強くなってしまいます。

また、担当者が採用を躊躇するような深刻な短所は避けることが大切です。たとえば、「コミュニケーションが苦手ではありますが…」「過去に協調性を指摘されたことがあり…」などは、社会人としてネックになりやすい短所。

基本的に自己PRの欄で短所を記入する必要はありませんが、どうしても誠実に書いておきたい場合には、応募業種に影響が生じにくい内容をピックアップしましょう。

採用率を高める自己PRの書き方

せっかく履歴書を作成するのですから、採用率がぐっと高まるような一枚を完成させたいところです。

ここからは、採用率を高める自己PRの書き方をご紹介します。

入社後のヴィジョンを明確にする

採用率を高めるための自己PRとして「入社後のヴィジョンを明確にする」があります。

希望する仕事内容やポジションのほか、入社後に自分がどう社内で活躍できるかなどをイメージして自己PRに落とし込みましょう。

履歴書を読んだ担当者としても、入社後の本人の働きぶりをイメージしやすくなり、企業側の人物像とマッチすれば採用を検討してもらいやすくなります。

また、入社後のヴィジョンを記入することは、入社への熱意のアピールにも繋がるので、ぜひ積極的に自己PRに盛り込んでいきましょう。

むやみに謙遜しない

自己PRではむやみに謙遜する必要はありません。あくまでも「アピールの場」なので、自分がどのようなスキルを持ち、どのような経験を重ねてきたのか、そしてどのように今後活躍できるのかをきちんと伝えることが重要です。

謙遜してしまうとアピールが不足してしまい、実際の能力よりも低く判断されてしまうリスクがあります。スキルや経験などを重視している企業が相手であれば、デメリットの大きい行為です。

まとめ

履歴書における自己PRは、採用担当者に対する最初のアピールの場であり、その後の面接のチャンス、延いては採用に至るための第一歩に近づきます。

履歴書の記入欄の中でも、自己PRは時間がかかるうえに悩みやすい部分。正しい記入内容を知っておかないと、採用担当者に十分にアピールできないまま、お断りされてしまう可能性があります。

ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にしながら、自分の強みをしっかりとアピールできるような自己PRを書いてみましょう。

粕谷麻衣

ライター・キャリアコンサルタント。「子育てと仕事を両立したい」「自分らしく働きたい」「自分の好きなことを仕事にしたい」など、今どきの働き方にフォーカスした情報を発信。取材やインタビューを通して、リアルな声を追求していくことが好き。
自身は一児の子どもを持つシングルマザー。ワーキングマザーとしての人生を楽しく謳歌中。




RUN-WAY編集部

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