ヨットでの航海が原点!? CAのセカンドキャリアを支援する【株式会社KoLabo代表取締役社長/駒崎クララさん】

駒崎クララ

客室乗務員として勤務したのち、株式会社KoLaboを立ち上げCAの情報共有やセカンドキャリアを支える事業を展開している駒崎クララさん。
その根底には、幼少期のヨット航海で得たマインドがあります。そこで、彼女の原点にもなっている航海中の体験から、
CAのキャリアを支援するに至るまでのエピソード、そしてお仕事にかける想いについて伺いました。

家族3人で5年間の航海へ

駒崎クララ

父が冒険家のハートの持ち主で、私が5歳の頃に「ヨットで世界を廻る」ということになったんです。
それで「私も一緒に行きたい」と言ったら、母も一緒にということになり、家族3人で途中から4人で5年かけて、
フランスから日本まで32フィートの船で旅をしました。

もともと幼少期から英語を学んでいたのですが、いざフランスに行ってみると英語がほとんど通じなくて。5歳の私にとっては、
自分が知らない言葉があることが衝撃的で、“国”という概念を理解するのが大変でした。
人がいて、建物があって、自然があって……存在しているものは同じなのに、どうして違う国なのかということが、最初はわからなかったんです。

港に寄るたびに、その港の人たちが喜んで私たちを迎えてくれることが本当にうれしくて、楽しかったですね。
出発するときにはお互いに泣いてお別れできるほど、短い期間でも仲が深まるんです。たくさんの愛情を感じられて幸せでした。

船での航海で気がついたこと

駒崎クララ

長い時間船で航海していると、私の目に映る世界には、父と母と船と海しかないということをふと感じる瞬間があって。
せっかく生まれたのに、社会や人に貢献できないことがつらいと感じることがありました。
とてもシンプルな暮らしをしていたからこそ、幼いながらも、
人間に本来備わっているはずの「何かの役に立ちたい」という気持ちに気がついたのだと思います。

また、船の上では本当に自由だったので、逆にルールというものに憧れを持っていました。
だから、航海を終えてからは、学校や社会でルールのもと生活できることに喜びを感じましたね。
「ルールのなかで自分の力をどう活かすのか」考えるのがとても楽しいんですよ。

現在、趣味でお能を習っているのですが、お能では仕舞いの型が決まっています。でも、能楽師さんによって表現がまったく変わるんです。
決められた型のなかで、より自分を魅せる方法をとっているということ。
お能も「ルールのなかでどう自分を活かすのか」という考えに通じているところがとても面白いですね。

目的地までの安全を守ること

5年間、航海して培ったことは、客室乗務員の仕事に共通することばかりだと感じてCAを目指すようになりました。
船での私の役割は、目的地にたどり着くまでの安全を守ること。CAの仕事も同じですし、そもそも飛行機は船を模してつくられたものです。

実際にCAになってからは、安全を守る仕事はもちろん、思っていた以上にサービスの仕事もあり面白いと感じましたね。
また、フライトごとに一緒に働くメンバーが変わるため、毎回チームを作り上げていく感覚もとても楽しくて。
無事に目的地までたどり着けたときのよろこびは、仕事の疲れも吹き飛ぶほどでした。

情報の共有がサービス向上につながるはず

駒崎クララ

株式会社『KoLabo』を起業してからは、客室乗務員の情報共有サイト『CREW WORLD』を立ち上げ、
各エアラインで勤務するCAの皆さんにとって役立つサービスづくりを目指しています。

私自身、現役のCAだった頃に、1年間に36回ほどフランクフルトを訪れていたのですが、
そうすると入国・出国のときに、ほかの日本のエアラインの方といつも一緒になるんです。
だけど、街中で会ったことは1度もなくて。観光している場所などはまったく違っているんだということに気が付きました。
そこで、それぞれが持つ情報を共有できたら、
お客様に現地のことを尋ねられたときにも有益な情報をお伝えできてサービスの向上にもつながると考えたんです。
それで、CA同士で情報を共有してもらえるように『CREW WORLD』を立ち上げました。

軸が決まるとブレずに生きられる!

現在は、さらに幅を広げて、CAのセカンドキャリアを支援する転職サポートサービスも展開しています。
『CREW WORLD』でユーザーさまにヒアリングしていて、一番多かったのがセカンドキャリアについての悩みだったんです。
CAの場合、みなさんなりたい職業と望んでCAの仕事に就いているため、
次に自分がCA以外にどんなことをしたいのかが逆にわからないという人が多くて。
良いご縁をつなげたり、企業さまや客室乗務員の声に応えられたときは、本当にやりがいを感じます。
子どものころにも、港に滞在しているときに新しく入ってきた船の人を、
もとからいる船の人に紹介する役目を楽しんでいたことが、現在の人と人をつなぐ仕事の原点にもなっていると感じていますね。

起業して間もないころは慣れないことも多かったですが、
頼れる先輩やユーザーの客室乗務員の皆さん、企業のクライアントさまにも助けていただいて……
本当に、皆さまのおかげでお仕事ができています。

私自身もまだまだキャリアデザインについて学んでいる最中ですが、
これからもっと若い層にもアプローチできたらと考えています。
早いうちから人生の軸が決まっていると、どんな道を進んでも、ブレることなく生きることができると思うんです。
だから、現役CAのほかに、大学生、高校生、中学生にも、キャリアについて自分自身で考えられるようになるきっかけを作れたらうれしいです。

女性に向けてメッセージ

私は「より良く生きることが美しい」と思っています。これは、私がCA時代、次にどのように成長したら良いか模索していたころ
キャリアカウンセラーが下さったアドバイスです。
今日より明日はより良く生きよう、そう思うことで人は前進していくと。
当時焦っていた私にそれは、とても悠長な話だと感じ、同時に、この言葉がストンと心の底から納得もでき私のココロの支えになりました。
前を向いて歩いていると、いろんな困難にぶつかることがあります。
人生に立ち止まるときも必要だと私は思うので、焦ったりもしますが、
そんなときは、「昨日より今日の自分 今日より明日の自分がより良く生きよう」と思って
地道に自分のできることから手をつけていきたいと思っています。

駒崎クララ

■プロフィール
駒崎クララ

1982年生まれ。2005年神田外語大学外国語学部卒。
アシアナ航空にて2005年より客室乗務員として7年半勤務。
2012年株式会社KoLabo International設立、代表取締役社長就任。
2013年株式会社KoLabo(https://www.kolabo.co.jp/)を設立。

趣味は伝統芸能の「能」。身体を動かしながら“無”になれることが醍醐味。



駒崎クララ