どっちも本気の二刀流! タレントとして、タクシードライバーの魅力を若い女性に発信したい【タレント・タクシー運転手/生田佳那さん】




今回のインタビューは、タレントでありながらタクシードライバーでもあるという、これまで誰も歩んだことのない異色のキャリアを築いている生田佳那さんです。

タクシー運転手になった理由や仕事の面白さ、両立の大変さやメリットなどについてお聞きしました。

2つの仕事の共通点は、コミュニケーション!

生田佳那

タレントとしてグラビアやお芝居、バラエティ番組に出たりしながら、タクシーには週に2〜3回、都内23区を中心に日中乗っています。みなさんが道路でタクシーを停めたら、私が乗務している可能性もありますよ!

私にとってはどちらも本業なので、特に優先順位は決めてなくて、二刀流です(笑) それぞれが別の自分であるような感じもしますが、つながる部分もたくさんあるんです。その一つがコミュニケーションですね。

芸能界に入って、裏で支えてくださっている方とのコミュニケーションがすごく大事なんだなと実感しているんですが、タクシーでは小さいお子さんやお年寄りの方も乗られるので、いろいろな年代の人と関わるんですよね。人とのコミュニケーション能力を勉強させてもらっている、大事な時間だなと思っています。

理不尽に怒られ、タクシー内で涙することも

タクシーに乗っていて一番大変なことは、お客様に怒られることです。時間に追われている方もいるので、イライラされている方もいて、理不尽な怒られ方をされたりします。

そんな時は悲しいというか、心が折れそうになりますね。お客様が降りて一人になった時、車の中で涙を流します。どうしようもできないことがあったりするので……。

だけど、それ以上に、乗ったお客様に頂く「ありがとう」の一言が大きくて、またがんばれたりします。

芸能活動では、ただただ自分の実力不足を痛感した時です。そもそも人前で話すのは苦手だって自分でわかっているんですけど、やっぱり「ああ、うまくいかなかったなあ」と。一方で、撮影の時にはヘアメイクさんとかスタイリストさん、カメラマンがいるので、いつもの自分が知らない自分を見ることができるのがすごく楽しいです。

自己分析のしすぎで、余計に自分がわからなくなった

生田佳那

実は小中の時にいじめにあって人をすごく嫌いになったので、高校からは人とあまり関わらずにサラッと卒業しようと決めていました。とにかく存在を薄くして、静かにしていましたね。

心理学を勉強したら、人との関わり方が少し分かるかなと思って大学に入ったんですけど、勉強したらもっとわからなくなりました(笑) 心理学の検査をまず自分でやるんですけど、自己分析しすぎて、自分が何者かわからなくなって。

でも、人間科学なので実験とかもあり、勉強自体は楽しかったです。消費心理だったら、カメラをつけておいて人はどこから商品を取るかをテストしたり、においで人のリラクゼーションがどう変化するかを実験したり。動物好きなので、卒論ではアニマルセラピー、動物が影響を及ぼすリラクゼーション効果について研究しました。

受かることなく終わった就活からの、タクシードライバー!

3年の終わりごろから就活が始まって合同説明会とかも行ったんですけど、やりたいことが見つからないし、リクルートスーツでみんなで話を聞いて、みたいなのが耐えられなくって。それでも何社か受けたんですけど、モチベーションが低いので受かることもなく私の就活は終わりました。

とはいえ就職しなきゃ、という焦りはあって、何かしら手に職をと思った時、タクシー会社の募集を見つけたんです。もともと運転がものすごく好きだったのと、タクシーの乗務員だと結構自分の時間も取れて好きなことをやっている人も多いと聞いたので、それなら私でも働けるなーと思って。

長野出身で東京の地理がまったくわからない状態からのスタートだったので、地理試験の勉強をしたり、運転をしながら覚えて行きましたね。卒業手前のギリギリの時期だったんですけど、新卒で4月に入社しました。

注目されたのは、若い女の子が珍しかったからこそ

生田佳那

タクシーに乗り始めて少しした時、たまたまタクシーに乗った方が雑誌社の方だったんです。後日連絡が来たんですけど、「タクシーに乗ってびっくり!」みたいな記事が載って。それからいろいろなオファーが来るようになりました。

今は女性のドライバーさんは増えていますけど、3年前ぐらいは本当に若い女の子っていなかったんです。もともと芸能の仕事に興味がなくはなかったので、嬉しいなと思いましたけど、芸能界にはかわいい子がたくさんいるのに大丈夫かな、とも思いましたね。

タレント活動の幅が広がったのは、タクシーに乗っていることがアピールになったなと思っています。

タクシードライバーは、子どもがいる人も働きやすい職業です!

最初のタクシー会社から、一度転職も経験しています。会社の経営体制が変わった時に、

芸能活動との両立が難しい状況が生まれてしまって、そんな時、ご縁のあったコンドルタクシーさんからお声かけいただいて転職し、いろんなジャンルのお仕事をさせてもらえるようになりました。

でも、タクシーの仕事の良さも知っているのでタクシーの仕事はやめたくないです。むしろ、私と同世代か私より年下の女性にも、タクシードライバーを職業の一つとして考えてもらえるくらい、タレント活動を通してタクシーの良さをもっと発信していけたらなと思っています。

タクシードライバーってシフトを調整しやすいので、お子さんがいる方も授業参観に行けたり、子どもとの時間も取れやすいんです。すごくいいことですよね。

男の人ばかりの職場でも、楽しいことはたくさんある

生田佳那

働く環境を変えるのってすごい怖いことだし、不安も大きいと思うんですけど、始めたら始めたでまた新しい何かが見えてくると思います。もし合わなければまた次に行けばいい、くらいの気持ちで飛び込んでもいいのかなと思います。

人生1回だし、あまり深く考えず、いろんなことできた方がいいよねっていうくらいの方が視野が広がっていいと思います。

私みたいに周りに女性がいない職場でも楽しいことはたくさんあります。建設業とか土木とかでも、男の人ばっかりだからやめようじゃなくて、男女関係なく、もうちょっと調べてみようかなとなったらいいですね!

生田佳那

 

<プロフィール>

生田佳那
タレント兼タクシードライバーとして、タクシーに乗務しながらバラエティ番組やグラビアなどで活躍中。趣味は運転すること、地図を見ること。「休みの日はスーパー銭湯に行くのが好きです!」

https://twitter.com/ikutkaana

https://www.instagram.com/ikutakana/




RUN-WAY編集部

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