今回お話を伺ったのは、フリーランスデザイナーとして活躍する澤崎佐知子さんです。
澤崎さんは、企業でのデザイナー経験を経て、結婚を機に会社を退職。家族との生活を考えた結果フリーランスとして働くことを決めて、現在は3歳の息子さんを育てながら在宅ワークでデザイナーを続けています。
クリエイティブな業界は勤務時間が不規則だったり、深夜まで働くことも多く、だからこそ結婚や子育てをきっかけに仕事の続け方について悩む人も少なくないはず。そこで、澤崎さんに女性としての生き方のヒントを聞きました。
自分の力で子育てを 時間の融通が利きやすい在宅ワーク
フリーランスのデザイナーとして、クリエイターズマッチにデザイナー登録をさせていただいてお仕事をしています。クリエイターズマッチとは、デザイナーを中心とするクリエイターと企業をつないで、インターネット広告などの制作を行っている会社です。私が制作を担当することが多いのは、主にWeb広告のバナーや、企業のLP(ランディングページ)。3歳の息子が幼稚園に行っている間を制作時間に充てているため、現在は基本的に在宅ワークをしています。
在宅ワークのメリットは、やはり子育てをしながら仕事をできることです。子どもが急に熱を出したりしても、締切りさえ守れればある程度時間の融通が利きます。できるだけ自分の力で子育てをしたいと考えていたこともあり、今の働き方は自分に合っていると感じています。
関西から東京へ 幅広い領域を目指して転職を決意
もともと、デザインの技術をできるだけ早く身につけてすぐに就職したいと思っていたので、高校を卒業してからは短期で学べる専門学校に通い、デザイナーを目指しました。でも、学生時代はついつい学校よりもアルバイトを頑張ってしまった面もあって……(笑)。今となっては、学校に通いながらきちんとデザインの実績を積んでおいたほうがその後の就職にも有利だったのではと思うこともあります。当時は田舎から大阪に出たばかりだったこともあって、人と話すことがちょっと苦手だったんです。それで、主に飲食店で接客業のアルバイトをしていました。おかげで少しは克服できたし、お店の販促物に興味を持つきっかけにもなりました。
卒業後は学校案内のパンフレットや看板事業を手がける関西の会社にデザイナーとして入社。そこではとにかくデザインの基礎を学ばせてもらい、しばらく働いてから希望して東京支社に転勤させてもらいました。東京の拠点が立ち上げたばかりだったこともありますが、やはりクリエイターとして、せっかくだから東京でやってみたいという思いもあったんです。さらに東京で働くうちに、今度はもっと幅広いジャンルの制作に関わってみたいという気持ちが芽生えて、入社してだいたい3年目のタイミングで、転職を決意しました。
未来の生活を考えた結果、フリーランスの道へ
次の会社では、商業施設のパンフレットや電車の中吊り広告、駅の柱に掲示するポスター、お菓子のパッケージなど、さらに幅広くデザインを担当するようになりました。その会社にはすごくセンスがよくて尊敬するデザイナーの先輩がいて、どんどん技術を吸収させてもらいました。社員数が少なかったため、ピンポイントなデザインだけではなく、制作の進行などの経験も積むことができました。すごくステップアップできた期間だったと感じています。
その後結婚が決まり、夫と相談して私が退職することになりました。夫もデザイナーで、当時は夫も私も終電前後まで働くような生活を送っていました。今後、子どもが生まれてからの生活などを考えた結果、私がフリーランスとして在宅ワークができるように環境を整えていこうということになったんです。それで色々と調べるうちに、デジタルハリウッドという学校を通してクリエイターズマッチの存在を知りました。自分のスキルを広げるためにWebデザインの勉強をすることになり、それから半年ほど学校に通ってクリエイターズマッチの登録試験を受けて現在に至っています。
私の働き方が少しでも皆さんのヒントになれば
今はまだバナーの制作などがメインですが、今後はクリエイターズマッチのお仕事でも、チャレンジの範囲を広げていけたらと考えています。現在はまだ子育てとのバランスをとって、セーブしながらお仕事を受けている段階なので、これからさらに効率よく仕事をまわして、どれだけお金を稼げるのか、模索しながらお仕事を続けていきたいです。それとクリエイターズマッチには、「クリエイターズマッチアワード」など、活躍したデザイナーを表彰する制度もあるため、いつかは受賞できるようになりたいなとも思っています。
また、私と同じようにデザイナー同士で結婚をするなどして、互いに激務でこれからどうしようと悩んでいる人もいると思うので、そういった人たちに今の私の働き方が少しでもヒントになればいいなと思っています。私自身も、環境を変えようと考えたとき、先輩の女性デザイナーさんの働き方に関する記事などがとても参考になり、実現に向けてすぐに動きだすことことができました。
チャレンジすることで選択肢が増えていく
若いうちは、とにかくいろいろなことにチャレンジしておくのが良いと思います。やってみてだめだったら、また方向転換すればいいんです。私自身、とにかくやってみようというタイプだったので、これまでにも転職したり、働き方を変えたりしてきました。
同じ会社でずっと働くというのももちろんあるとは思うのですが、外を見ることで新しく広がる世界もたくさんあると思います。そして、まずは若いうちにいろいろな経験を積んでおけば、結婚や出産などで生活スタイルが大きく変わるとしても、フリーランスとして働くこともできます。将来のためにいろんな選択肢を増やせるよう、どんどんチャレンジしてみてください。
プロフィール
澤崎佐知子
フリーランスデザイナー。
現在は在宅ワークで、3歳の息子の育児をしながら働いている。
趣味はキャンプで、お気に入りのキャンプ場があるのは山梨県。
子どもが大きくなってきたので、これからは年に2〜3回家族でキャンプに行きたいと考えている。
クリエイターズマッチ