「マインドリーディング」と聞いて、あなたはどのようなイメージを持つでしょうか。人は外見、しぐさ、行動、言葉の一つに、その人の性格や深層心理が隠れているのです。一見すると難しいことのように思えますが、実はスキルを身に着けることで誰でも使えるテクニックなのです。今回は、そんなマインド・リーディングについて取り上げます。
マインド・リーディングとは?
マインド・リーディングとは、人の心の中を読む技術のことです。人は外見、しぐさ、行動、言葉の一つに、その人の性格や深層心理があります。そんな深層心理を普段のコミュニケーションの中で、正確に読み解ければ、会話の主導権を握ることができるはず。つまり、仕事でも自分の思い通りに事を進めることができるのです。
マインド・コントロールとの違い
マインド・コントロールとマインド・リーディングには違いがあります。マインド・リーディングが人の心を読んで、それを自分で扱う技術なのに対して、マインド・コントロールは心の中に入り込み、その意識や感情をコントロールし相手の行動を操るテクニックです。
しかし、マインド・コントロールは”洗脳”とは異なります。言うとおりに動かすわけではなく、人の考え方をある方向に導くのがマインド・コントロールです。「支配」するのではなく「導く」ことで、人間関係をよりよくする方法なのです。
マインドリーディングに必要な能力とは
マインドリーディングに必要な能力は、観察力です。言葉を発しているときの「表情」「態度」「声のトーン」「話すスピード」、発している人の「視線」「手の動き」「足の向き」などを観察することで、いろいろなことが見えるはずです。
観察力の磨き方は簡単です。会話をするとき、相手の「一挙手一投足」を見逃さないよう、意識を集中することです。そうすることで、いつもと違うところが見えてくるはず。その「違うところ」こそが、その人の生の感情が出ているところなのです。
ビジネスで使えるマインド・リーディング
ここからは、実際にビジネスで活用できるマインド・リーディングについて解説していきます。しぐさから読み取る方法から、言葉を交わすことで読み取る方法まで紹介していきます。自分に実践できそうな方法から試してみましょう。
「マイクロジェスチャー(微表現)」で相手の気持ちを見極める
- 自分にとってまずい出来事があると話題から逃げるようにからだも逃げてしまう
- 緊張を和らげようと頬を膨らませて息を吐く
- 外部からのストレス・プレッシャーをかけられたときにのどに触れる
上記のように、人間は無意識のうちに何かしぐさをしているものなのです。心当たりがある方も多いのではないでしょうか?
相手のしぐさを観察し、今何を考えているかを理解することで、思っていた結果に近づけるはずです。
実は、特に意識すべきは、足だといわれています。緊張したときは手が冷たくなるものですが、それは血液が足に集まっているからです。それがビジネスにどう影響するのでしょうか。足を見たいビジネスシーンは、営業や交渉ごとの場です。
見る場所は足の向きです。足の向きがこちらに対してまっすぐに向いている場合は、逃げたいと思っていません。しかし、こちらに対して向いていないのであれば、「早く逃げ出したい」という表れ。つまり、商品や営業ごとに興味がないというシグナルなのです。
その場合は、今のやり方ではうまくいかないでしょう。方法を考えるか、いったん別の商品を紹介するか、日を改めるかなどして攻め方を考えるといいでしょう。
「モデリング」で新しい人間関係を築く
モデリングは、誰かのモノマネをすることで自分の体に教えこむ手法です。このモデリングが役に立つのが、新しい職場に慣れるシーンです。
新しい職場では、気を遣うことも多いですよね。特に人見知りだったり、内向的な人であれば大変なはず。そんな人にこそ試してほしいモデリングが、「その職場の中で最も社交的な人物をモデリングすること」です。社交的な人のモノマネをしている状態に慣れると、いつの間にか自然と社交的な人間になっていくといわれています。
社交的な人のまわりには必ず人が集まってきます。その中に入って「いろいろと教えてください」とお願いすることで、あっという間に知り合いが増えるでしょう。また、その人の話し方や、行動の仕方をマネることでいつの間にか自然と社交的な人間になっていきます。
むずかしそうにも思えますが、慣れれば「真似している」状態ではなく、「自分がその人になったような」状態になれます。そうすると、自分のなかにあるネガティブな思考が消え、社交的な人間に必要な考え方が自然と身につくのです。
弱みを見せることで相手の心の内を把握する
会社では、人間関係に悩まされる人が多いでしょう。しかし、人のの心を理解するのはなかなか大変なものでしょう。そんなときに使えるマインド・リーディングが、「自己開示」のテクニックです。
自己開示のテクニックのスタートは、文字どおり、自分自身を開示するところから始まります。人間は、相手が心を閉ざしていると自分も心を閉ざしてしまうのです。しかし、逆に相手が先に開示してくれると、自分も内面をさらけ出せるようになるものです。
そして、自己開示をするときに大切なのが、過去の失敗談を話すことです。相手から先にプライベートな話題を提示されると、人はそれにつられてプライベートな会話をするようになっていきます。そうすることで相手の心の内や気持ち、傾向を知ることができます。
このテクニックを使って、人間関係を深めることで、部下だけでなく同僚や上司とのコミュニケーションが一段と深いものになるはずです。
まとめ
マインド・リーディングには、営業や接客で使えるアイデアや、果ては気になる異性に対して効果的なメソッドなどがあります。観察力を磨くことで、誰もがマインドリーディング能力を持てるのです。ビジネスシーンなどでは心理テクニックを使ってより良い交渉をすることはよくありますよね。マインド・リーディングのテクニックを使って相手を批判せず、尊重することを大切にしましょう。
※参考書籍:『97%の人を上手に操る ヤバい心理術』(ロミオ・ロドリゲス Jr.著、SBクリエイティブ)