「この製品のセグメントについて説明をします」
「マーケットセグメントの想定をしながら、それぞれに合った内容の商品展開をしてください」
こんな文を見て、「セグメント」の意味をなんとなく想像できても、正確な意味をパッと分かる人は、意外に少ないのではないでしょうか。
ビジネスシーンでは大変よく使われる「セグメント」。特にマーケティングの仕事では、知らないと恥をかいてしまいます。
今回は、知っているとビジネスで役に立つ「セグメント」について紹介していきます。
セグメントとは?セグメントの意味・使用法と使用例
セグメントの意味
セグメント 【segment】
企業の会計情報などを開示する際に、事業の種類、事業所の所在地、営業の対象となる地域などによって行われる区分。マーケティングなどで、購入者の年齢・性別・職業などによって行われる区分。
(出典:http://www.sanseido.biz/)
簡単に言えば、大きく分けた顧客群のことです。
例えば「30代女性」「50代男性」「事務員男性」などですね。
セグメンテーションとの違い
マーケティングでは全ての顧客のニーズに応えることは難しいため、顧客をニーズに応じていくつかのグループに細分化します。この細分化することを「セグメンテーション」と言います。
そして、分けられた顧客グループが「セグメント」です。
ターゲットとの違い
セグメントはターゲットとも似ている言葉です。ビジネス用語の中でのターゲットは、「セグメントの中の商品・サービスを売ろうと狙いをつけた顧客グループ」を指します。
セグメントのほうが、ターゲットよりも大きな分類となっています。マーケティングの仕事では、セグメントを設定した商品企画を行わないと、大失敗してしまうことも大いにあります。
セグメントの使用例
セグメントというビジネス用語は次のような使われ方をします。
使用例1:「我が社の商品が狙っているセグメントは関東近郊に住む40代の専業主婦だ」
使用例2:「的確なセグメント分けが、マーケティングの成功には欠かせない」
使用例3:「なぜそのセグメントをターゲットとしたのですか?」
マーケティングでセグメントが重要な3つの理由
理由①顧客ニーズは多岐にわたるから
人によってニーズと商品に求める価値は異なるため、分けて対応する必要があります。
例えば、「カフェに行きたい」という人でも、「美味しいコーヒーが飲みたい」「落ち着いた空間で読書がしたい」「スマホを充電したい」など、カフェに求める価値は様々です。
理由②商品・サービスのコンセプトが明確になるから
現代社会において、人々の身の回りには消費しきれない量の商品が溢れています。
そのような中で顧客に選んでもらうためには、コンセプトが明確で、ニーズに刺さる商品・サービスを作って届ける必要があります。
理由③リソースが限られているから
大抵の企業では製品開発に使える予算や営業人員、広告費などは限られています。
そのため、商品・サービスを買ってくれそうな人にヒト・モノ・カネなどのリソースを集中投下する必要があります。
以上の理由から、顧客をニーズに応じて細分化し、そのニーズに刺さる商品・サービスを開発し、プロモーションしていくことが重要になっています。
セグメントをしっかり考えたマーケティングの展開は、「あなただけの」「あなたのための」商品のように思わせ、顧客に強いアプローチができるのです。
セグメントの4Rとは?
「この商品は一体、誰に、どんな時、どういう風に届いてほしいのか」をしっかり考えることによって、マーケティングは成功します。形になっている商品だけではなく、メディアもこのセグメントを行わなければ、視聴率や閲覧数に差が出てきてしまうのです。
そんなとき、念頭に置いておくといいのがセグメントの4Rです。
①Rank(優先順位づけ):顧客層を重要度に応じてランクづけしているか
②Realistic(有効規模):そのセグメントで十分な売上高と利益を確保できる規模があるか
③Reach(到達可能性):セグメント化された市場の顧客に製品を的確に届けられるか
④Response(測定可能性):当該セグメントの顧客層からの反応を分析することは可能か
参考:https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11852.html
セグメントをこの4つのRに分けて考えることで、「考え出したセグメントが正確かどうか」を判断できます。
実際の事例
マーケティングでは適切なセグメントにターゲティングすることが重要です。ここでは、巧みなセグメンテーションで成功を収めた会社の事例を紹介します。
【事例:ハーゲンダッツ】
今や大人向けの高価格帯アイスクリームのトップブランドであるハーゲンダッツ。
ハーゲンダッツが日本に参入した当時は、日本のアイスクリーム市場は子供・家族向けのアイスを中心とした市場でした。
ハーゲンダッツは値段が高くてもより高品質な食品を購入する層が市場に存在することを発見し、「高品質で高級なアイスクリームを求める大人」をターゲットのセグメントとしました。
そしてターゲットに対して「高品質で高級な洗練されたアイス」という価値を訴求するプロモーションを展開。
結果的に、アイスクリーム市場の中で「大人のデザート」という新たなポジショニングを創出することができました。
まとめ
セグメントの意味、活用法、その活用理由などについて見てきました。
少し難しい内容だと思われるかもしれませんが、「マーケティングの仕事をしたい!」と考えている人は、学んでおいて損はありません。
今、関連書籍もたくさん出ていますから、興味があったら購入して勉強してみてもいいかもしれませんね。
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