ワーグナーも絶賛!シューマンのピアノ五重奏【ヴァイオリニスト/月元ハルカさん】

月元悠




1楽章 Allegro brillante

brillante(輝かしく)と表記がある通り、気高く美しい楽章です。明るく華やかな雰囲気に加えて、低音で暗く押し寄せる旋律が、始めの旋律と対照的で輝かしさも浮き彫りになります。

2楽章 In molto d’una maricia.Unpoco largamente

葬送行進曲のような遅めの2拍子でゆったりと悲しみが流れていくような旋律です。弦楽器とピアノとの会話に聞こえる場面も挟まれます。それぞれの楽器が葬送行進曲の旋律を奏でますが、個人的にはヴィオラが演奏する音色が一番好きです!

3楽章 Scherzo:Molto vivace

転がるように速く階段を上ったり降りていくような極めて活発な楽章です。
1楽章とも関連のある旋律が現れます。瞬時に場面が切り替わる瞬間がキュンポイントなのではないでしょうか!

4楽章 Allegro ma non troppo

華やかなフィナーレです。シンプルなメロディに各楽器の音色で重厚さがついていくような楽章です。3楽章と同様に、1楽章と関連のある旋律が現れます。クライマックスに近づきそれぞれの楽器が合流する瞬間が、この曲の醍醐味が詰まっているように思います!(ワーグナーは4楽章を2回も聴いたほど好きだ!と手紙に書きました。何度も聴きたくなるわけがわかります…)

いかがだったでしょうか?
少しでも“シューマンらしさ”が掴めてきたら幸いです!
ちなみに1841年は「交響曲の年」と呼ばれています。オーケストラに所属している方ならきっと演奏機会があるような作品についても今度コラムを書きたいと思います!
次回までシューマンです…お楽しみに!

<プロフィール>
月元 ハルカ
長崎県出身。3歳よりヴァイオリンをはじめる。田代典子、木野雅之各氏に師事。これまでに、エドゥアルド・オクーン氏、豊嶋泰嗣氏、大山平一郎氏、ロバート・ダヴィドヴィチ氏、ハビブ・カヤレイ氏、加藤知子氏、小栗まち絵氏のマスタークラスを受講。また、ながさき音楽祭、球磨川音楽祭、霧島国際音楽祭、NAGANO国際音楽祭に参加、マスタークラス修了。各地で演奏活動を行う。西南学院大学 国際文化学部 卒業。現在、福岡教育大学 大学院 音楽科 修士課程修了。各地で演奏活動を行う傍ら、後進の指導を行う。クラシックをより身近に感じてもらうためのコラムサイト『COSMUSICA』(cosmusica.net)にて、連載「映画で学ぶクラシック」執筆中。




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