「相変わらず」の意味とは?
「相変わらず」の読み方は、「あいかわらず」です。
「相変わらず」の意味は、以前と同じように、従来と違った様子が見られない様です。
「相変わらず」の「相」は、言葉の調子や勢いを動詞の前に付けることによって整える働きがある言葉です。
「相変わらず」は、言葉の「変わらない」というものの調子を強めています。
また、「相も変わらず」や「不相変(あいかわらず)」と、「相変わらず」は表現することもあります。
「相変わらず」の使い方とは?
ここでは、「相変わらず」の使い方についてご紹介します。
目上の方には失礼になることもある
目上の方でも間柄が親しいときは、「相変わらずお元気そうで何よりです」などと使ってもいいでしょう。
しかし、信頼関係がそれほど築けていないときやビジネスシーンのときは、注意する必要があります。
というのは、表現が気さくである「相変わらず」は失礼なイメージを与えかねないためです。
このようなときは、「お変わりなくお元気そうで何よりです」を使う方がいいでしょう。
「ご清祥」や「ご清栄」を文書では使う
「相変わらず」は、口語表現で主として会話で使うものです。
文書を取引先などに送るときは、「ご清祥」や「ご清栄」を使う方がいいでしょう。
「ご清祥」の意味は相手の健康を喜ぶ、「ご清栄」の意味は相手の繁栄と健康を喜ぶということです。
そのため、挨拶の言葉としてビジネスメールや文書で使うことができます。
皮肉や嫌味になることもある
「相変わらず」は、皮肉や嫌味を相手にいっているように見られることもあります。
例えば、「相変わらずですね」の意味合いが「成長していない」や「進歩していない」ということで、相手に伝わるときもあります。
そのため、言い方や会話の流れには注意する必要があります。
「相変わらず」の類義語とは?
ここでは、「相変わらず」の類義語についてご紹介します。
「いつも通り」
「いつも通り」の意味は、「何もいつもと変わらないこと」です。
「通り」の意味は、「そのまま」や「同じ状態であること」があり、いつもと同じ状態であることを表現します。
「いつも通りお元気で」は、「相変わらずお元気で」の言い換え表現として問題が特になく、意味が同じようなものになるでしょう。
なお、「いつも通り」のニュアンスは「常に普段から変わらない」や「いつもと同じ」ということですが、「相変わらず」のニュアンスは「過去や以前と同じである」ということであり、少しニュアンスが違います。
「今も昔も」
「今も昔も」の意味は、「昔から今まで変わらなくて同じ」ということです。
「昔」の意味は、「昔」以外に「過ぎ去った日々」ということもあり、遠い過去のことをいいます。
「相変わらず」とほとんど意味が同じであるため、「今も昔もお元気ですね」などといっても問題ありません。
丁寧なイメージを「相変わらず」よりも与える表現です。
「お変わりなく」
かしこまったビジネスシーンなどでは、「相変わらず」は「お変わりなく」と言い換える方がいいでしょう。
「お変わりなく」は、表現が「相変わらず」よりも丁寧であるため、取引先や上長などの目上の方に使っても問題ありません。
「相変わらず」の対義語とは?
ここでは、「相変わらず」の対義語についてご紹介します。
「何時に無く(いつになく)」
「何時に無く」の意味は、「いつもと違っている」ということです。
例えば、「何時に無く彼女は慌てている」などと、普段とは違った態度のことを表現します。
従来や過去と違うという意味合いであり、「相変わらず」の対義語になります。
「相変わらず」の英語表現とは?
「相変わらず」の英語で表現は、「as usual」です。
「usual」の意味は「通常の」や「いつもの」ということで、「as usual」の意味は「いつも通り」「相変わらず」ということです。
また、「相変わらず」の英語表現としては、「常に」や「いつでも」という意味の「always」を使った「as always」もあります。
「相も変わらず」と「相変わらず」の違いとは?
ここでは、「相も変わらず」と「相変わらず」の違いについてご紹介します。
「相も変わらず」と「相変わらず」の意味の違い
「相も変わらず」と「相変わらず」の違いは、「相も変わらず」はマイナスのイメージでしか使えませんが、「相変わらず」はマイナスとプラスのいずれのイメージでも使えるということです。
「相も変わらず」と「相変わらず」の使い方の違い
「相も変わらず」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「相も変わらず自分は元気に過ごしています。」
- 「あの彼と相も変わらず付き合っているのですか?」
- 「相も変わらずこの時間帯は電車が満員になる。」
「相変わらず」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「相変わらず貧乏暇なしです。」
- 「相変わらず健康そうで何よりです。」
- 「相変わらずあなたはお美しいです。」
- 「相変わらず彼は彼女に好意を抱いていた。」
「相も変わらず」と「相変わらず」の使い分け方
「相も変わらず」と「相変わらず」はいずれも従来と変わった様子がないことという意味が同じ言葉ですが、少し使い方が違っているために注意する必要があります。
「相も変わらず」は、「相も変わらず仕事をしていないのね」「相も変わらず喫煙しているのね」などのように、従来と変わった様子がないことを軽い卑下や嘲りの気持ちを込めるときに使うため、マイナスのイメージでのみ使います。
一方、「相変わらず」は、プラスのイメージで「相変わらずおきれですね」「相変わらずお元気そうですね」などのようにも使うことがあったり、マイナスのイメージで「相変わらず実家で暮らしているのね」「相変わらず野球が上手くならないね」などのように使うことがあったりします。
「相も変わらず」と「相変わらず」の英語表記の違い
「相も変わらず」と「相変わらず」の英語表記は、「as before」「as always」「as ever」「as usual」です。
例えば、「相変わらず彼は彼女に好意を抱いていた。」の英語表記は、「He was as fond of her as before.」になります。