晩節を汚すの意味とは?
偉人や歴史上の人物などの本を読んでいると、晩節を汚したような人がいるでしょう。
晩節を汚すという文脈や漢字から大体の意味はイメージできるでしょうが、意味をきちんと把握している人はそれほどいないのではないでしょうか。
ここでは、晩節を汚すの意味についてご紹介します。
晩節を汚すの晩節というのは、人生の終わりの頃、つまりほとんどの人にとっては老年期であり、晩節を汚すというのは、失態をこの時期に起こすことです。
いかに青年期や壮年期が素晴らしいような人でも、それまでの素晴らしいことも大きな罪を一つ犯すと全く意味がなくなる時もあります。
しかし、芸人として非常に成功した人が、恥ずかしい姿を人として晒すことなどは、芸人としてはむしろいい終わり方であるといわれる時もあります。
そのため、晩節を汚すことは必ずしも悪いことではないこともあるようです。
晩節を汚すの使い方とは?
ここでは、晩節を汚すの使い方についてご紹介します。
経営者や芸能人に対して晩節を汚すは使う時が多い
晩節を汚すは、慣用表現として世間話や普段の会話などでも案外と使われています。
例えば、人気があるスポーツ選手や芸能人などが、犯罪や事件に手を染めるような時があります。
晩節を汚すという表現は、イメージとしてクリーンなものがあっても、せっかく手に入れた名誉がなくなった時や地位が無駄になった時などに使う時が多くあります。
また、経営が順風満帆であった経営者が何等かの失態を人生の最後でして、会社が潰れた時にも使えるでしょう。
これ以外に、多大な貢献を国に対して行なってきた偉い政治家が名誉を汚職によって失った時や、世界的に有名なスポーツ選手がトラブルや犯罪を起こしてメダルを奪われてしまった時などにも、晩節を汚すを使う時があります。
普通の人には晩節を汚すはあまり使わない
晩節を汚すは、功績や名誉がある著名人や政治家、あるいは世の中で認められたスポーツ選手や芸能人などに使われる時が多くあります。
多大な名誉や功績があるため、これが失墜した時に浮き彫りになって、非常に地位や名誉が汚れてしまうためともいえます。
晩節を汚すは、普通の人にはあまり使わないで、一般的にちまたや世間で有名な成功している人に対して使いましょう。
晩節を汚すを使った例文とは?
ここでは、晩節を汚すを使った例文についてご紹介します。
- 「信頼を国民から得てきた政治家が、汚職事件によって晩節を汚した。」
- 「それまでの実績を無駄にして晩節を汚すのは、非常にもったいないことである。」
- 「ドーピングによって晩節を汚したメダリストに、インタビューを行なった。」
- 「晩節を汚さないためには、清く正しく暮らすことが最も大切である。」
- 「ファンにとっては、アイドルが晩節を汚すのは非常に辛いでしょう。」
- 「有名なメディアにも登場した経営者が、セクハラによって晩節を汚した。」
晩節を汚すの類義語とは?
ここでは、晩節を汚すの類義語についてご紹介します。
失脚
失脚というのは、意味が足を踏みはずすということから「立場や地位を失うこと」という意味です。
良くない行いをして立場を失ったり、他の人から陥れられて地位を失ったりすることです。
失脚を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「彼は政治家として人気があったが、汚職がわかって失脚した。」
- 「昨年度に新しいビジネスに失敗したことによって、代表者の立場から失脚した。」
失墜
失墜というのは、「信頼や名誉を失うこと」ということです。
失墜を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「権威が失墜しないように、厳しい態度で常に過ごす。」
- 「彼は、全員に嘘をいって信頼が失墜した。」
転落
転落というのは、「転がり落ちる」ということです。
転落の意味としては、高いところから低いところに物理的に落ちるというものもありますが、高い地位の人が急激に坂を転がるように落ちぶれるというものもあります。
ここでは、転落は後者の意味で扱います。
転落を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「彼は司会者としても有名であったが、薬物を持っていたことによって転落した。」
没落
没落というのは、栄えていた物事や人が滅びて衰えていったり、城などが敵に攻撃されたりすることをいいます。
没落と意味が同じような言葉としては、盛者必衰もあります。
一旦栄えたものが、良くない状態に変化していくことは、時の流れが感じられます。
没落を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「貴族として、没落するまではいい夢を多く見ただろう。」
晩節を汚すの対義語とは?
晩節を汚すの対義語としては、物事の締めくくり、終わりに優れた功績を残すことという意味の言葉があります。
ここでは、晩節を汚すの対義語についてご紹介します。
有終の美を飾る
有終の美を飾るというのは、物事をしっかりと最後まで成し遂げて、優れた成果を上げることです。
なお、有終の美を飾るの代わりに、優秀の美を飾ると表現するのは間違いであるため注意しましょう。
有終の美を飾るという言葉は、卒業したり、引退したりするシーンなどでよく使われるため、把握しておくといざという場合に役に立ちます。
有終の美を飾るを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「チームの全員、コーチ、家族などのおかげによって、勝利を最後の試合でおさめて、見事に有終の美を飾ることができました。」
立つ鳥跡を濁さず
立つ鳥跡を濁さずというのは、後に残ったもののことを考慮して、ある期間自分が過ごしたところを去る時に、綺麗な状態で去ろうとするということです。
なお、「濁さず」の読み方は「にごさず」で「よごさず」ではないため注意しましょう。
立つ鳥跡を濁さずを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「父親はガンとわかってからは、立つ鳥跡を濁さずというような感じで生前整理を始めた。」
晩節を汚すの英語表現とは?
ここでは、晩節を汚すの英語表現についてご紹介します。
晩節を汚すの英語表現は、「tarnish one’s twilight years」になります。
「tarnish」の意味は、「曇らせること」や「汚れること」などになります。
「twilight」の意味は「たそがれ」で、「twilight years」の意味は「晩年」ということになります。
そのため、「tarnish one’s twilight years」の意味は、晩年になって汚れるということになります。
つまり、「tarnish one’s twilight years」の英語表現は、晩節を汚すという意味が伝えられることがわかります。