万死に値する(ばんしにあたいする)の意味とは?
ほとんどの方は、万死に値する(ばんしにあたいする)という言葉を耳にしたことがないのではないでしょうか。
万死に値するの意味は、1万回死ぬくらい罪が重いということです。
比喩的な表現で、実際にはできないようなことをたとえとして使っているものです。
万死の意味は、1万回も死ぬということですが、これ以外にも、命を投げ出すこと、命が助かる見込みがないということもあります。
万死の使い方としては、万死を顧みないなどがあります。
日常会話ではほとんど使われていませんが、古風で怒りっぽくて堅物の創作上のキャラクターが使う時があります。
目上の立場になる司令官などが使う時が多くあります。
万死に値するは珍しい表現であるため、使う人を象徴する台詞、口癖として認識される時がよくあります。
万死に値するの使い方とは?
ここでは、万死に値するの使い方についてご紹介します。
非道な行動に対する怒りを表現する
万死に値するは、非道な行動に対して避難したり、怒ったりする時に使います。
政治家同士の批判・非難や残酷な事件の報道でよく使われます。
例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「殺人を身勝手な理由で行なった犯人の罪は、万死に値するでしょう。」
- 「国民の期待に反して汚職を行うなど、万死に値する。」
漫画・アニメの台詞に使われる
万死に値するは、セクション作品の漫画やアニメ、ドラマなどの台詞でも使われています。
普段は使わない表現であるため、勘違いして元ネタはフィクション作品の流行語であると思っている人もいるようです。
位の高い貴族や王族などの台詞でよく使われます。
また、わかりやすく高慢で知的なキャラクター性を伝えるために、口癖になる時もあります。
万死に値するとして自分の罪を反省する
自分の間違いや失敗を反省する気持ちを強調するために、罪と例えて万死に値するを使う時もあります。
しかし、教養があるのを自慢している、大げさ過ぎてウソっぽいなどと思う人がいることもあります。
そのため、相手の性格や年齢を考慮して使う必要があります。
例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「万死に値する重大な間違いであったと存じています。本当に申し訳ございませんでした。」
腹が立つ・憎い相手に使われる
万死に値するは、腹が立つ・憎い相手に使われる時もあります。
一般的に、万死に値するを死刑にするくらいとはとても考えられないようなことに何回も使えば、常識がない・心が狭いと考えられることがあります。
そのため、この使い方は止める方がいいでしょう。
例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「食材を酷い料理で無駄にするなど、万死に値する。」
- 「いつもこのお店は売り切ればかりで、万死に値する。」
軽率に使うべきでない
軽率に万死に値する使うべきでない理由としては、次のようなことが挙げられます。
過激な意味である
万死に値するの意味は、死んでいいというほど過激な意味の言葉です。
そのため、発言した人に対するイメージが悪くなったり、精神的に相手を傷つけたりすることがあります。
辞書にない言葉である
万死、値する、という言葉はそれぞれ辞書にありますが、万死に値するは辞書にありません。
そのため、万死に値するといっても相手がわからないことも考えられます。
台詞っぽいと間違われる
台詞で使われることが多いため、真剣なシーンであるにも関わらずどうしてアニメのキャラクターの台詞をいうのかという誤解されるかもしれません。
万死に値するの類義語とは?
ここでは、万死に値するの類義語についてご紹介します。
地獄に落ちろは、万死に値するのように、相手の死を望むくらい非難する言葉です。
地獄というのは、悪いことを亡くなる前に行なった罪深い人が、亡くなった後に罰を受けるところであるといわれています。
なお、宗教によっては、罰を受けるところではなく、亡くなった人の国であるともいわれています。
万死に値すると同じように、軽率に使うのは止める方がいいでしょう。
万死に値するの対義語とは?
ここでは、万死に値するの対義語についてご紹介します。
万死に値するの対義語としては、罪を憎んで人を憎まず、が挙げられます。
罪を憎んで人を憎まずの意味は、その人が犯した罪を憎んでも、その人自身は憎まないということです。
語源は儒教の言葉であるといわれていますが、キリスト教の聖書にも、罪を憎んでも人を憎まず、という表現があります。
罪を憎んで人を憎まずを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「そこまでいえば単なる罵倒である。罪を憎んで人を憎まずというだろう。」
万死を使った言葉とは?
ここでは、万死を使った言葉についてご紹介します。
万死を恐れず
万死を恐れずの意味は、苦しい1万回もの死を恐れることがないということです。
万死を恐れずの言葉の意味としては、命を投げ出すこともあります。
一般的に、死の言葉は嫌われるイメージが強くありますが、この時の意味合いは自己犠牲的なものがあります。
自分の命を危険にさらしてまで、自分の大事な家族などのために捧げる犠牲が貫かれているような感じさえあります。
万死に一生を得る
万死に一生を得るの意味は、助かる見込みがとてもなかった身体でも、かろうじて何とか助かることで、九死に一生を得る、万死の中うちに一生を得るにも例えられます。
奇跡がまさに起きたようなシーンに、万死に一生を得るは最も適した言葉でしょう。
万死を一生を顧みず
万死を一生を顧みずの意味は、必死の覚悟を決める、生きのびる希望が持てないになるでしょう。
例えば、末期癌で、崖っぷちに立っている人の心境を表現しているでしょう。
あるいは、最悪の状態まで追い込まれて、最後の頑張りの心境を表現しているかもしれません。
必死の覚悟で立ち向かったり、臨んだりすることによって、できないと考えていたことが、奇跡的な結果になるかもしれません。
万死を一生を顧みずの言葉は、プラス的な行動とマイナス的な行動を示す時にも使えるでしょう。
万死を使った表現とは?
万死の意味としては、何回も死ぬことだけでなく、命がとうてい助からないこともあります。
万死は死という言葉を強調した言葉であり、九死に一生を得るという時の九死と同じようなニュアンスです。
万死を使った表現としては、万死一生が挙げられます。
万死一生の意味は、助かるとはほとんど考えられないくらいの危険な状態、あるいは、このような危機的な状況からなんとか逃れることになります。
万死一生は、全く九死に一生を得ると意味が同じであり、万死に入りて一生に遇う、あるいは、万死を出でて一生に遇う、といっても同じことです。