「ケイパビリティ」の意味とは?
英語の「capability」が、「ケイパビリティ」の語源になります。
もともとの「capability」の意味は、人が広く持っている能力、才能、素質、手腕、機械のコンピューターや車などの機能、性能、個人に潜在している将来性、可能性になります。
「capability」は、名詞以外に、形容詞として「capable」(能力がある)という使い方もあります。
なお、「capability」の使い方としては、次のようなものなどがあります。
「He is capable as a presenter.」(プレゼンターとして彼は能力がある。)
「Are you capable to be a team leader?」(手腕がチームリーダーとしてありますか?)
「ケイパビリティ」の大切さとは?
現代は、目まぐるしくビジネスの外的環境が変わる時代でしょう。
ますます価格競争は激しくなり、革新も技術面において停滞するような状況において、他社をリードするためには競争戦略だけではもはや難しい時代になってきています。
このようなビジネス環境においては、「ケイパビリティ」を重要視した組織づくりが競争に打ち勝つための大きな原動力になります。
部署の連携、効果的な人材の配置などを強化したトータル的な組織づくりによって、確実な品質保証、リードタイムの短縮などというようなオペレーション面において確かな強みにすることができます。
このような「ケイパビリティ」を重要視した組織づくりは、どのように外的環境が変わっても負けない持続的なビジネスを作るためのポイントになります。
「コアコンピタンス」と「ケイパビリティ」の違いとは?
ここでは、「コアコンピタンス」と「ケイパビリティ」の違いについてご紹介します。
「コアコンピタンス」も「ケイパビリティ」も、どのように会社の強みを捉え、戦略にするかということにおいて論争がいろいろ行われてきましたが、近年は使い分けがあまりされなくなっています。
しかし、「コアコンピタンス」と「ケイパビリティ」の意味は見方によっては違っています。
会社のメインになる強みが「コアコンピタンス」です。
例えば、ソニーの小型化技術やホンダのエンジン技術などが挙げられます。
このような技術は、強みの圧倒的なものであるといえるでしょう。
会社は、このような「コアコンピタンス」を時代のニーズに応じて築くことが大切です。
一方、「ケイパビリティ」の定義は組織能力です。
ホンダのアメリカでのオートバイのビジネスからわかるように、「ケイパビリティ」を優れたディーラー管理が発揮しました。
「ケイパビリティ」が「コアコンピタンス」と違うのは、重要視しているのが特定の技術でなくビジネスプロセスであることです。
「ケイパビリティ」を利用するメリットとは?
現代のように、目まぐるしくビジネス環境が変わるようなときは、自社の特有技術や価格というような競争戦略のみでは、優位に他社より立ち続けるのは困難になってきています。
激しく変わるビジネス環境においては、「ケイパビリティ」を重要視した組織づくりが厳しい競争に勝ち抜くための大きな原動力になります。
「ケイパビリティ」を利用する大きなメリットは、組織づくりとして部署の連携や人材の効果的な配置などを強化したものを行うことによって、会社の品質保証などの成長の原動力になることです。
「ケイパビリティ」をベースにした組織づくりは、外的環境の変化に関係なく、持続的なビジネスを作るためのポイントになります。
「ケイパビリティ」を利用するデメリットとは?
現代において多くの会社は、少子高齢化やグローバル化、テクノロジーの進化などによるダイナミックなビジネス環境の変化など、外的環境のいろいろな影響下にあります。
「ケイパビリティ」を重要視した組織づくりは、持続して勝ち残るためには大切な一つの視点です。
しかし、時代の変容の中で「ケイパビリティ」自体も陳腐化する可能性が大きいことは、注意する必要があります。
時代が変わることなどによって、効果がそれまであった「ケイパビリティ」が時代遅れにいつの間にかなって、そのままにしておいたことによって企業活動が衰える要因になるリスクもあります。
自社のオリジナルの「ケイパビリティ」を見極めるためのポイントとは?
会社に必要な「ケイパビリティ」は、どのように成長するか、あるいはどのようなポジションをそれぞれの会社が属しているマーケットでとりたいかによって大きく違ってきます。
ここでは、自社のオリジナルの「ケイパビリティ」を見極めるためのポイントについてご紹介します。
マーケットのニーズが把握できる
自社が置かれている現状のマーケットや、自社のそこでの立ち位置などが把握できます。
自社の商品がどうして買われるか、どのような課題やニーズがマーケットにあるかがはっきりします。
自社の差別化できる強さがわかる
自社の商品がどうして選ばれるか、ライバル他社にはないノウハウや技術などの強みがわかります。
「ケイパビリティ」を企業戦略に最大化して利用する
会社は、自社の「ケイパビリティ」がわかるのみでなく、企業戦略にこれを最大化して利用する必要があります。
会社における「ケイパビリティ」の意義とは?
「ケイパビリティ」は模倣することが難しいので、優位性を競争において発揮します。
商品自体やマーケティング施策は、一般的に見えやすいので簡単に模倣することができます。
ライバル他社の動きを参考にすると販売プロモーション施策は取り込むことができ、商品は他社のものを見ると同じようなものが作れます。
しかし、「ケイパビリティ」は、製造でのサプライチェーン、販売での流通チャンネルを管理するスキルのことです。
そのため、外部からはわかりにくく、簡単に模倣することができません。
また、「ケイパビリティ」は、長期間会社が優位性を発揮できる可能性があります。
「ケイパビリティ」は、バリューチェーンやプロセスというような組織を横断するようなものであり、築くためにはリソースが多く必要です。
さらに、短期間に築くことは簡単ではありません。
そのため、一旦築くと長く見えない資産として効果が期待できます。
会社の戦略に「ケイパビリティ」を利用しよう
「ケイパビリティ」を考えた戦略づくりは、短期的にも長期的にも効果を発揮する可能性があります。
また、「ケイパビリティ」を重要視した戦略は、ビジネスプロセス自体が強みになる以外に、長期間資産になって競争優位性が発揮できる可能性もあります。
経営戦略を作るときは、自社の「ケイパビリティ」を調べながら、さらに自社の今後のビジネスプロセスが強化できる方法を取り込むと効果が期待できるでしょう。