「徴収(ちょうしゅう)」の意味とは?
「徴収(ちょうしゅう)」は、公共団体あるいは国が手数料・租税・現品などを国民から強制的に取り立てること、金銭などを取り立てることという意味です。
税金などを国が取り立てるという意味では、仕事のときに「源泉徴収」などの言葉を聞いたこともあるでしょう。
「徴」の意味は、取り立てる、集める、印ということです。
「徴」を使った熟語としては、「象徴」「徴兵」「特徴」などがあります。
「収」の意味は、集める、納めるなどがあります。
「徴収」の使い方とは?
ここでは、「徴収」の使い方についてご紹介します。
「徴収金」「徴収する」
「徴収」は、「徴収金」「徴収する」のように使います。
また、税金だけでなく会費などを集めるときにも使えます。
「徴収金」「徴収する」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「教材費などは、現金で学校徴収金として集金します。」
- 「自治会費を徴収する。」
敬語として「徴収」を使うときには気配りする
先にご紹介したように「徴」の意味としては「取り立てる」ということがあるため、「徴収」のニュアンスは少し威圧的・強制的になります。
そのため、特に目上の方に対して「徴収」を使うときは、あとに続く言葉に気配りする、または柔らかい表現にするのがおすすめです。
例文としては次のようなものなどがあります。
- 「後日会費は徴収させていただきます。」
- 「自治会費を集めます。」
- 「会費を集めるためご準備をお願いします。」
なお、「集める」などに「徴収する」をいい換えたときは強制的なニュアンスが無くなるため、「支払う必要があるお金」を強調したいときは言葉を変えないで「徴収させていただきます」という表現がいいでしょう。
「徴収引受通知書」「徴収猶予申請書」
いろいろなシーンで「徴収」は使われますが、最も多く使われるのは税金の関係です。
例えば、「徴収権限」が異動したことを知らせる書類が「徴収引受通知書」で、地方税を滞納したことによって、徴収権限が地方税滞納整理機構に市長から異動したときなどに届きます。
一方、収入が何らかの要因によって大きく減少したなどのために、納付期限を猶予するための申請書が、「徴収猶予申請書」です。
このように、「徴収」の文字は税金についての全ての書類で見かけますが、「税金の取り立て」についての書類であるといえるでしょう。
「徴収」の類義語とは?
ここでは、「徴収」の類義語についてご紹介します。
「回収」「集金」
「徴収」の類義語としては、「回収」や「集金」などがあります。
「回収」の意味は、「相手に一度渡したものを再度集める」ということがあり、貸したお金を戻してもらうとき以外に、「取り立てる」の意味として「債権回収」のようにも使われます。
一方、「集金」はもともと強制の意味合いはありませんが、「会費を集める」のように「支払う必要があるお金」についてもしばしば使われます。
「徴集」
「徴集」の意味は、「物や人を集める」ということです。
例えば、人を強制的に集める「軍人を徴集する」というようなとき以外に、目的が何かあって物・人を集めるときにも使われます。
「徴収」と読み方は同じですが、意味は違っています。
「請求」
「請求」の意味は、「正当な権利として要求すること」で、金銭を要求する「請求書」のようなときに使うことができます。
「お金を集める」という意味では「徴収」と似ていますが、強制の意味がある支払う必要があるということで違っています。
「領収」
金銭の受け渡しについての言葉としては、よく「領収」も耳にします。
「領収」の意味は、「支払われたお金を受け取ること」で、「領収書」や「代金を領収する」などの表現で使われます。
「徴集」の対義語とは?
ここでは、「徴集」の対義語についてご紹介します。
「納入」「納付」
「徴収」の対義語としては、「金銭を収める」という意味の「納入」や「納付」があります。
「納入」の意味は、「金銭や品物をおさめること」です。
「納入」は金銭には限定しないということが違っています。
一方、「納付」の意味は「支払う必要があるお金を収める」ということで、「税金を納付する」などというように使います。
また、「支払いの義務」という意味合いがあることでも「納入」とは違っています。
「徴収」「集金」「徴集」の違いとは?
ここでは、「徴収」「集金」「徴集」の違いについてご紹介します。
「徴収」
「徴収」の意味は、「金銭などを取り立てること」です。
例えば、「臨時徴収」「会費を徴収する」などのように使います。
また、「徴収」の意味合いとしては、「地方公共団体や国が国民から強制的に手数料や租税などを取り立てること」というようなこともあります。
このときは、例えば、「源泉徴収」「所得税を徴収する」などのように使います。
法律や規則に則って、このような「徴収」は行われます。
「徴収」の「徴」の意味は「しるし」など以外に、「取り立てる」「召しだす」などがあり、「収」の意味は「おさめる」「取り入れる」などがあります。
「徴収」の特徴は、集めるものが主として金銭であることです。
これは、後からご紹介する「徴集」と大きく違っています。
「集金」
「集金」の意味は、「受け取る必要がある金銭を回って集めること」です。
また、回って集めた金銭のこともいいます。
つまり、「集金」の意味は、「お金を集めること」あるいは「集めたお金」ということです。
例えば、「集金」は「集金人」「集金に回る」「会費を集金する」のように使います。
「集金」は、サービス・商品の代金や会費など、支払う必要があるお金を集めるものです。
集め方については、強制的な意味合いは必ずしも含まれていません。
任意で差し出されたお金も、場合によっては含まれます。
このことについては、強権的・強制的な意味合いの強い「徴収」とは違っています。
「徴集」
「徴集」の意味は、「強制的に人を集めたり、物品や金銭を取り立てたりすること」です。
強引に人や品物を集めることをいいます。
「徴」の意味は「しるし」など以外に、「取り立てる」「召しだす」などがあり、「集」の意味は「あつめる」です。
例えば、「貴金属を徴集する」「会員を徴集する」のように使います。
「徴集」の別の意味としては、「兵役制度によって、国が現役あるいは補充兵として人を強制的に集めること」があります。
例えば、「兵員を徴収する」「徴集兵」のように使います。
「徴集」の意味は金銭を集めることもありますが、主として強制的に人や物を集めることをいいます。
一方、「徴収」は、金銭を集めるときの言葉であるため、このことが違っています。