「約款(やっかん)」の意味とは? 定型約款との違いなどを解説




約款(やっかん)の意味とは?

約款(やっかん)というのは、多くの契約に使うために前もって定式化された契約条項のことです。

特に、約款は、定型的な多くの契約を締結する事業者が使っています。

約款としては、例えば、保険約款、運送約款、銀行取引約款などがあります。

また、オンラインサービスの利用規約なども約款になります。

さらに、相手方に書面として示す契約書の内容がこの定義に当たる時は、約款になります。

なお、約款の民法上の扱いについてははっきりしないことが多いため、この取扱いを民法に規定する動きがあります。

また、約款は、完全に法律行為として有効かということでトラブルが多くあり、トラブルがその有効性を巡って起きることがあります。

約款も契約内容ですが、契約内容は両方が了解して有効になります。

しかし、約款の契約内容は、両方によって了解されているとは必ずしも限りません。

特に、約款を示す側が開示していなかったり、約款を開示していても、十分に検討しないまま示された側が契約を締結したりする時があります。

さらに、約款での契約は、全く契約を交渉する余地がほとんどありません。

約款は、このようなことから、普通の契約交渉で決まった契約内容とは違う問題点があるため、この扱いについても普通の契約とはわけて考える必要があります。

定型約款と約款の違いとは?

ここでは、定型約款と約款の違いについてご紹介します。

定型取引における決まり事が定型約款

定型約款というのは、定型取引における決まり事です。

定型取引というのは、対象が不特定多数の取引で、両方がお互いに一部あるいは全部において合理的な取引です。

定型約款は、2020年4月施行の民法改正によって定義されました。

従来は、約款や規約がこの同義語として使われるなど契約する人にわかりにくいものでしたが、民法改正によって定型約款として約款から切り離して定義されました。

定型約款は民法において定義されているため効力が法的にありそうですが、契約において一方的に相手の利益を害するような時は効力が法的にありません。

保険約款や運送約款などが定型約款に当たる

定型約款に何が当たるかのガイドラインは、詳しく決まっていません。

ここでは、国会審議などで挙げられた一部の定型約款の例についてご紹介します。

  • 保険約款
  • 運送約款
  • 預金規定
  • ソフトウェアライセンス規約
  • 証券総合サービス約款
  • インターネットサイト利用約款

一方、定型約款に当たらないものは労働契約書や事業間の契約書のひな形などで、対象が特定の相手の契約は定型約款には当たらないとされています。

しかし、定型約款には、住宅ローン契約などのように対象が不特定多数とはいえない契約が含まれるため、定型約款に何をするかの判断がわかれるところです。

定型約款と契約書の違いは?

定型約款と契約書は、いずれも取引の内容を同じように説明するものです。

では、定型約款と契約書はどのような違いがあるのでしょうか?

ここでは、定型約款と契約書の違いについてご紹介します。

定型約款

インターネットが普及することによって、不特定多数の人との取引が保険や証券取引、ネット販売、旅行などのように多くなってきています。

このような取引においては、契約内容を契約ごとに詳しく書くことは事務的に難しいでしょう。

そのため、会社は効率的に大量の契約を締結するため、前もって細く条件を決めた約款を作って、個々の取引に使っています。

このように、対象が不特定多数の人と取引をする時に、ある条件において行う取引を定型取引といいます。

この定型取引での画一的な条項が、定型約款です。

契約書

契約書は、話し合いで当事者同士が決めたことをいつでも見られるように、文書として契約内容を書いたものです。

口約束でも契約そのものは有効ですが、先々トラブルが発生するのを防ぐために、文書に書いて証拠として残しておきます。

何らかのトラブルがもし発生した時は、裁判においてもこの契約書は法的証拠の有効なものとして取り扱われます。

そのため、非常に取引において大切なものといえるでしょう。

定型約款と契約書の違い

先にご紹介したように、定型約款は対象が不特定多数の人にして作った画一的な条項です。

一方、契約書は特定の当事者との契約についてのものであり、具体的に金額や代金の支払い日などが書かれているものです。

保険約款とは?

損保でも生保でも、契約を締結すると冊子や CD の保険約款を受取ります。

冊子は、びっしりと非常に小さい文字で書かれたものです。

保険約款というのは、保険契約に関する詳細内容や、いろいろな決まり事、条件が書かれた文書です。

そのため、約款に記載された内容が、保険契約自体の内容になります。

保険約款には、次のようなことなどが書かれています。

保険料の払込み

保険料の月払い、年払いなどの払込みの回数、クレジットカード払い、口座引き落としなどの払込みの方法

保険金の支払い

保険金が支払われるのはどのような時か、支払われないのはどのような時か

保険内容の変更

契約内容を変える時はどうするか

告知義務と保険の解約

契約する時は告知を正しくしなければならない、もし告知義務違反をした時はどうなるか

この他にも、保険契約の無効・失効・解除など、いろいろ書かれています。

告知義務については、例えば、保険を契約する時には、健康状態などの保険会社からの質問に正しく回答する義務があります。

約款には、告知義務の重要性、告知義務違反で、故意あるいは重大な過失によって被保険者が事実を告げなかった時は、保険会社は解約できるというような内容などが詳細に書かれています。

重要ポイントを契約のしおりチェックしておく

保険約款を実際に見てみれば、何十ページにも渡ってこのようなことが書かれています。

保険約款は保険契約そのもので、契約する時には保険約款を読んで、契約内容を契約する人と保険会社の間でチェックし合うことが基本ですが、全ての内容を読んで理解するのは相当困難でしょう。

そのため、保険約款の中でも特に大事な項目に限定してわかりやすく説明した契約のしおりを、保険会社では準備しています。

保険約款と一緒に契約する人に渡すことが義務化されています。

この契約のしおりは最低でもきちんと呼んで、理解できないところはチェックした上で保険契約を締結するようにしましょう。

最近は、一般的にインターネット上で契約のしおりや保険約款が閲覧できるウエブ約款もあります。

スマホやパソコンを通じて、契約する前に内容をチェックできるだけでなく、契約した後に保険約款を紛失してしまったような時には、いつでも必要な時に保険約款が見られるため便利です。






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RUN-WAY編集部

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