ビジネスシーン以外でも、いろいろな場でつかわれることが多い『フィードバック』という言葉。正しく理解し、使えている人は意外と少ないものです。今回は、このフィードバックの意味を解説しつつ、間違えやすい類語と一緒に解説していきます。
フィードバックの意味とは?
似たような言葉を紹介する前に、本来の意味や英語の意味、もともとはビジネス用語ではなく業界用語だったことなど、まずはフィードバックの意味について解説していきます。
英語としての意味
フィードバックは「feedback」という英語が語源で、直訳すると「帰還」となります。字をひもといていくと、「feed」と「back」に分けられ、「feed」は、「食べ物を与える」から「(機械などに)物を供給する」「(心を)満足させる」へと展開していきました。
「back」は「返す」や「戻す」という意味を持っていますので、「供給した結果を返す」となり、そこから「評価して結果を戻す」という意味へ変化していったのです。
もとはITや工学、心理学、教育学の分野で使われていた言葉
今は主にビジネスシーンでつかわれることが多くなったフィードバックですが、本来はITや制御工学分野、心理学や教育学などの現場でつかわれていた言葉でした。ITや制御工学分野ではソフトウェアから出力された情報を入力側に返して調整・改善するという専門用語だったのです。
心理学・教育学の分野では、子供や対象者の行動を見て、その行動(例えば,トイレの行き方や精神的に不安定になったときの行動など)をより適切な方向へ導いていくという意味でつかわれていました。
「評価した結果を戻す」とは
フィードバックはビジネスシーンにおいて、成長を促す教育の一環ととらえられています。
特にビジネスシーンでつかわれる場合、「フィードバックする」というように、名刺として使われることがほとんどです。
上司が部下へフィードバックしたり、消費者が企業へフィードバックしたりします。そしてそのフィードバック、つまり戻された評価をもとにして行動を調整・改善していくのです。
フィードバックには間違えやすい言葉が多い
フィードバックには完全に同じ意味の言葉はありませんが、似たような言葉が多くあります。ここからは、その類義語をいくつかピックアップして紹介します。
リアクション
フィードバックと似た言葉に、「リアクション」があります。リアクションは、反応・反作用・反響のことを意味しています。確かに、リアクションは反応するということですから、結果を評価して主体者に反映していくというフィードバックと似ています。
ただ、どちらかと言えばリアクションはその時点の反応だけであり、フィードバックのように何かに働きかけていくという作用的な意味合いは持っていません。
その証拠に、「リアクションを起こす」という言葉はありますが、「リアクションを戻す」という文脈は存在していないのです。
意見
フィードバックと似た言葉で、意見というものもあります。意見は確かに相手へと何かを言いますから、フィードバックと似た部分もありますよね。
ですが、意見はある物事に関する考えや思うところという意味合いが強く、自分の考えで人を戒めることを指しています。フィードバックのように、何かの結果を鑑みて改善案を提供するのではなく、どちらかといえば一方的なものと考えられます。
ほかにも、いいことから悪いことまでいろいろな角度から論じられる「批評」や「批判」も、意見と同様の意味合いでフィードバックと同じようにとらえられることがあります。これもやはり、基本的には一方的で、かつ否定的な内容のことが多いのです。プラスの意味合いが強いフィードバックとは異なっています。
まとめ
いかがでしたか。このように、フィードバックという言葉は日々多くのところで聞かれていますが、その意味は似て非なる言葉に混ざって理解されにくいものなのです。
成り立ちや正確な意味を押さえてビジネスシーンでフィードバックという言葉を正しく使うようにすれば、今後のあなたの将来にも大きな影響を与えてくれることでしょう。毎日の業務にフィードバックを取り入れ、ステップアップしてみてはいかがでしょうか。