「フォロワーシップ」の意味とは?ビジネスシーンで組織を実際に動かすための行いなどを解説




「フォロワーシップ」の意味とは?

「フォロワーシップ」というのは、部下になる人が主体的に上長やチームのメンバーに対して、目的を共有するチームを機能させるために働きかけることです。

そのため、「フォロワーシップ」では、主体性と自律性が要求されます。

「フォロワーシップ」が着目されている理由とは?

上場している会社においては、現在、ほとんど全ての課長職がプレイングマネージャーになっています。

日本能率協会の調査結果では、個人の業績目標がある課長の比率は、1985年には20%未満でしたが、2000年には90%にアップしました。

成果主義では厳しく結果を査定されるため、自分の実務を遂行することにどうしても注力してしまいます。

そのため、多くの課長職が職場のチームマネジメントや部下の育成に注力できないようになっています。

日本は、経済成長が右肩上がりの時代になることはもうないでしょう。

今後の日本の国内の市場は、成熟化にどんどん向かっていきます。

そのため、イノベーションが要求されます。

また、経済がグローバル化しているため、激しい競争を勝ち抜く必要があります。

本社からの指示を待つのではなく、組織はスピーディーに自律的に判断する必要があります。

そのため、カリスマ性がある強力なリーダーシップによって行動する組織でなく、組織のビジョン・ミッションを実現するために現場で主体的かつ自律的に貢献や支援が行われる「フォロワーシップ」によって行動する組織が要求されています。

「フォロワーシップ」の大切さとは?

昨今、組織のフラット化やビジネス競争の激化によって、現場にも対応の柔軟性とスピード性が要求されています。

一方、管理職のリーダーは、バブルが崩壊した後に雇用が少なくなったことから後輩を指導する経験が少なく、人材不足や組織のフラット化によって実務とマネジメントをプレイングマネージャーとして行う必要があり、業務の負荷が大きくなっています。

そのため、本来の管理職の業務である部下を指導することに注力できなく、後輩を育成した経験も多くないため実際にはリーダーシップを発揮することが困難です。

そのため、「フォロワーシップ」によって健全にリーダーや組織を導く提言や、自主的に目標に対して行動するような貢献が要求されています。

組織をサポートしているのは、リーダー以外にフォロワーも同じです。

フォロワーは、特に実務をメインに行って組織に占める数が多いため、大きな影響を組織の成果に与えるので、「フォロワーシップ」の大切さは増しています。

基本的に、「フォロワーシップ」はフォロワー以外にリーダーなどの全てに必要なスキルです。

管理職は上の役職に対するフォロワーであると同時にリーダーであり、フォロワーとしての自分の経験がフォロワーに対する「フォロワーシップ」の育成と理解に役に立ちます。

例えば、リーダー候補を育成したい時や豊富に経験や知識がある部下のリーダーシップを発揮させたい時にも有効です。

上長から建設的な提案を健全な批判によって行うなど、部下を「フォロワーシップ」を発揮してサポートすることが、部下の意欲を引き出してモチベーションをアップさせることにも繋がります。

全体の組織のパフォーマンスをアップするためには、リーダーシップにプラスして「フォロワーシップ」を発揮することが効果的です。

組織を「フォロワーシップ」で動かす行いとは?

「フォロワーシップ」が今からの時代は必要であるとはいっても、ビジネスシーンで組織を実際に動かすための行いとしてはどのようなものが必要になるのでしょうか?

フォロワーの正しい行いについては、経営者のためのコーチングのトップといわれているマーシャル・ゴールドスミスの「リーダーシップ・マスター」という本で紹介されています。

ここでは、この本を参考にして、組織を「フォロワーシップ」で動かす行いについてご紹介します。

誰が決定権者であるかを考慮する

誰が決定権者であるかを考慮すると、リーダーとフォロワーの関係が良好になります。

一見すれば、「上長に媚を売る」「上長に気に入られる」というイメージで見られがちですが、意思の決定が遅くなると全体の組織にとって取り返しのつかない大きな痛手になりかねません。

判断を的確に下せるように意思決定権があるリーダーが行動することが、全体の組織に対する貢献になります。

積極的に自分のアイデアは提案する

自分のアイデアがいい影響を組織に与えると思えば、上長が採用してくれるかどうかに関係なく、積極的に提案することが大切です。

アイデアが組織や上長、顧客のニーズを汲んだものであれば、採用される確率は自然に高くなります。

より多くの人の利益を考える

自部門の利益以外に、顧客のニーズまでを考慮して、より多くの人の利益を考えることが大切です。

そうすることによって、視野がそれまで以上に広がって、自分のリーダーシップを養うきっかけにもなります。

第一に本来の目的を考える

目的に向かって組織として取り組んでいるため、どうしても派閥抗争や対人関係上の摩擦などが気になるでしょう。

しかし、エネルギーをこのような本来の目的から外れたことに使うことは、著しく生産性が下がるようになります。

効率的に限られた時間を使って生産性をアップするためにも、第一に本来の目的を考えましょう。

アイデアのコストパフォーマンスを提示する

アイデアを積極的に出すことが大切ですが、せっかくのアイデアも説得力がないと意味がありません。

最終的にビジネスは数値が大切です。

そのため、数値的な観点からコストパフォーマンスを冷静に分析して、アイデアに数値で説得力を持たせましょう。

異議を倫理違反については申し立てる

昨今は、コンプライアンス・企業倫理が着目されています。

倫理違反があれば、異議をフォロワーでも申し立てる必要があります。

高い倫理観で、フォローする立場から何が組織にとって最も大切であるかを考えて、行動することが大切です。

上長も完璧でないことを受け入れる

行き過ぎたリーダーシップの組織は、よくワンマンになります。

上長にも弱点や失敗があることを受け入れましょう。

上長の足りないところを非難したりしないで、フォローを先回りしてできると、優れた仕事をフォロワーとして行ったといえるでしょう。

意思決定者のニーズや気持ちを考える

対人マナーについても、優れたフォロワーは優れています。

上長や会社を非難するために無駄に時間を使うのではなく、ユーザーに接するように意思決定者のニーズや気持ちを考えて行動することが、最終的に組織の生産性をアップすることにつながります。




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RUN-WAY編集部

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