「ジェンダーレス」とは? 「ジェンダーフリー」との違いなどを解説




ジェンダーとは?

ジェンダーの意味は、生物学的な性別で与えられた文化的、社会的な性差ということです。

生殖機能の違いが、生物学的な性別です。

子供が誕生すると出生届を役所に出しますが、出生届に書く子供の性別は、生物学的な性別の女性あるいは男性のいずれか一方になります。

ジェンダーは、文化的、社会的に作られる性別で、女性らしさ、男性らしさと表現される性差のことです。

ジェンダーレスとは?

ジェンダーレスの意味は、生物学的な性差を前提にした文化的、社会的な性差を無くす考え方です。

現在は、同じ職種で女性と男性でほとんど呼び方が違うことはありませんが、従来は次のように表現していました。

  • 女性の保育士は保母
  • 男性の保育士は保母
  • 女性の看護師は看護婦
  • 男性の看護師は看護士

このようなことからもわかるように、同じ仕事をしている女性、男性に対して生物学的な性差をベースに区別していました。

学校の制服についても、ジェンダーレスのものを採用するところが多くなっています。

女性、男性による違いは、社会人以外に子供についても同じような状態がありました。

近年は、ランドセルがカラフルな色になって、色が女の子と男の子で違うというようなことはなくなってきていますが、従来は赤のランドセルが女の子、黒のランドセルが男の子というのが普通でした。

また、学生服のときも、女性はスカート、男生徒はスラックスと決まっている学校が多くありました。

しかし、生物学的なこのような女性と男性の性差を前提にした決まりは無くなるようになってきており、女性、男性に関係なく職業の呼び方は統一されて、学生服もジェンダーレスのものを採用するところが多くなっています。

ジェンダーレスとジェンダーフリーの違いとは?

ここでは、ジェンダーレスとジェンダーフリーの違いについてご紹介します。

ジェンダーレス

ジェンダーレスというのは、女性と男性の区別がない状態で、文化的あるいは社会的な性差を無くす考え方でもあります。

2010年代に流行したジェンダーレスファッションに、ジェンダーレスの考え方は根づいています。

女性らしいファッションや男性らしいファッションというような性別でわかれたファッションから、中性的な性差のないファッションが誕生しました。

男性が女性らしいファッションアイテムやファッション傾向を採用することもあれば、この逆などもあります。

近頃は、ジェンダーレスファッションの流行に乗ってジェンダーレス男子が着目されています。

男性がフェミニンな装いをしたり、一見すると女性か男性かがわかりにくかったりする男性のことです。

また、中性的な外観の男性をジェンダーレス男子というときもあります。

ジェンダーレス男子は、女性向けの漫画などでも描かれています。

ジェンダーフリー

ジェンダーフリーというのは、性別の伝統的な違いで割り当てられた役目に関係なく、一人ひとりが公平で平等に行動する考え方です。

一般社会の女性は家事をする、男性は外で働くというようなステレオタイプのような考え方に対抗するものです。

日本においてはジェンダーフリーは1900年代の半ばから普及したもので、教育現場の学校などで採用されてきました。

例えば、制服はズボンとスカートのいずれでも選べる、性別に関係ないトイレなどがあります。

ジェンダーレスとジェンダーフリーの違いは、中性的な性差を超えた状態を目指すのがジェンダーレスで、社会での性差を無くすことがジェンダーレスです。

なお、ジェンダーフリーの同義語としてはジェンダーニュートラルがあります。

ジェンダーニュートラルは、「gender」(ジェンダー)という性別という意味の言葉と「neutral」(ニュートラル)という中立を意味する言葉から成り立っています。

ジェンダーレスの人の特徴とは?

ここでは、ジェンダーレスの人の特徴についてご紹介します。

なお、ジェンダーレスの人は、ここでご紹介する特徴の全てに該当するとは限らないため注意しましょう。

ファッション

ジェンダーレスの人の特徴は、服装が挙げられます。

女性の服装を男性が着用したり、男性の服装を女性が着用したりしますが、男装や女装になるということではなく、女性とも男性ともいえない、格好が中性的なものになることが大きな特徴です。

メイク

ジェンダーレスの人は、男性の身体の人でも多くの人がメイクをしています。

現在の日本では、女性だけがメイクをするという考え方が強くあります。

しかし、自分なりや自分らしさの美を追い求めてメイクをすることは、どのような人でも自然なことであるといえるでしょう。

なお、ジェンダーレスメイクについては、ネットなどで詳しく紹介されているため参考にしてください。

ヘアスタイル

服装と同じように、ヘアスタイルの特徴は女性と男性の中間のようになることです。

男性でいえば、目に前髪がかかったり、すっぽりと耳が隠れるくらいのロングヘアーであったり、女性でいえば、肩に髪の毛がかかるくらいの長さのショートヘアの人が多くいます。

これより短くなれば男性らしいヘアスタイルになり、これより長くなれば女性らしいヘアスタイルになるため、好まれやすいのはこの中間の長さのようです。

恋愛

ジェンダーレスの人は、自分が表したい性について表現している言葉であるため、個人によって恋愛の在り方は違っています。

そのため、ジェンダーレスの人の中にも、恋愛を身体的な性が同じ人としたい人、女性と男性のいずれも対象になるバイセクシュアルの人、恋愛感情がないアロマンティックの人など、恋愛指向がいろいろあります。

ジェンダーギャップ指数とは?

ジェンダーギャップ指数というのは、毎年世界経済フォーラムが公表している男女格差を表現するものです。

政治活動や経済活動への参画度、教育レベル、健康ジャンルなどの項目ごとに、数値によって女性と男性の違いによって生じる格差を表現しています。

男女格差は、「1」の数値であれば無く、「0」の数値であればあることを表しています。

WEFというのは、非営利の国際機関で、世界経済フォーラム(World Economic Forum)を略したものです。

一般的に「ダボス会議」ともいわれており、グローバルな観点に立って世界中の政治家や経営者、学者などがスイスのダボスで年の初めに世界情勢について話し合います。

ジェンダーギャップ指数2020は、2019年12月に公表されましたが、149か国中121位の日本は男女格差が相当ある国と見られています。

特に、男女間の不平等が政治活動と経済活動の面において大きい結果になっています。




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RUN-WAY編集部

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