「ご提示」の意味とは?
「ご提示」というのは、「提示」という言葉に「ご」という尊敬語を付けた敬語表現です。
「提示」の意味は、「相手に考えなどを示すこと」「相手に差し出して見せること」です。
例えば、「ご提示ください」の意味は、「考えをお示しください」「お見せください」ということになります。
「ご提示」を使うシーンは、身分を証明する保険証や免許証などを見せて欲しいときや特定の成果物を提出するときなどです。
また、「都合のいいスケジュールをご提示ください」などというように、意見や考えを要求するようなシーンで使います。
メールなどをやり取りするときでも、「お客様に関する情報をご提示ください」などというように使うことができます。
いろいろな使い方ができる言葉であることを把握して、それぞれのシーンで判断しましょう。
「ご提示」の使い方とは?
ここでは、「ご提示」の使い方についてご紹介します。
「ご提示ください」「ご提示いただく」
「ご提示ください」は、「ご提示」に「ください」という「くれ」の尊敬語を付けた敬語表現です。
何かを提示して欲しいときに、「考えを示してください」「見せてください」という意味合いで使う言葉です。
「ご提示いただいく」は、「ご提示」に「いただく」という「もらう」の謙譲語を付けて敬語表現にしたものです。
「ご提示いたく」は、「考えを示してもらう」「見せていただく」という意味合いで使われます。
「ご提示させていただく」「ご提示いたします」
「ご提示させていただく」は、「ご提示」に「させていただく」という「させてもらう」の謙譲語を付けた相手を尊敬する表現方法です。
「ご提示いたします」は、「ご提示」に「いたす」という「する」の謙譲語を付けた丁寧な表現方法です。
「させていただく」は、相手の許可を自分の行いが受けたものであるという遠慮がちなへりくだった気持ちを表現しています。
また、一方的な自分の行いや意向を伝えるシーンでも使われます。
「ご提示」を使った頼むときの表現とは?
ここでは、「ご提示」を使った頼むときの表現についてご紹介します。
「見積もり書、見積もり金額のご提示をお願いいたします」
「ご提示をお願いいたします」というのは、何かを相手に「提示して欲しい」と頼むときの表現です。
ビジネスシーンでは、見積もり書や見積もり金額の提示を相手に頼むときに「見積もり書、見積もり金額のご提示をお願いいたします」と使います。
また、「ご提示願います」の表現を使うこともありますが、この表現は少し砕けたものであるため、取引先などには使わないようにしましょう。
「ご提示をお願いいたします」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「入場するときは身分証のご提示をお願いいたします。」
「ご提示いただきたく存じます」
「ご提示いただきたく存じます」は、「提示して欲しい」と頼む表現です。
「存じます」は、「思います」の謙譲表現です。
「ご提示いただきたく存じます」は、「提示して欲しいと思います」と少し控えめに頼む表現です。
「ご提示いただきたく存じます」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「見積もり書をこの条件でご提示いただきたく存じます。」
- 「来週までに制作日程をご提示いただきたく存じます。」
「ご提示ください」
「ご提示ください」の意味は、「お示しください」「お見せください」ということです。
例えば、ものに対して「チケットをご提示ください」などのように使ったり、「都合のいい日程をご提示ください」などのように日程などを示して欲しいときに使ったりすることがしばしばあります。
「ご提示ください」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「ご希望の日程をご提示ください。」
- 「チケットをご提示ください。」
「ご提示」のビジネスでの使い方、使うときに注意することとは?
ここでは、「ご提示」のビジネスでの使い方、使うときに注意することについてご紹介します。
例えば、契約の詳細をある顧客と詰めていたとして、できるだけ相手からの条件は受け入れたいと思っていたとします。
このようなときは、「できる範囲で問題ありませんので、条件をご提示ください」と表現するといいでしょう。
これによって、条件を相手に差し出して欲しいことを、上手く伝えることができます。
この表現を使うときは、「ご提示」の使い方に注意しましょう。
これは「ご提示いただきたい」や「ご提示ください」のように、別の敬語を組み合わせて使うと使い方が自然なものになります。
実際の状況に応じて、適した表現を組み合わせるといいでしょう。
「提示」の類義語とは?
ここでは、「提示」の類義語についてご紹介します。
「標示」
「提示」の類義語としては、「標示」があります。
「標示」というのは、人に目印になるもので表し示すことです。
また、目印の文字、絵、記号などをいいます。
例えば、「危険区域の標示看板」や「道路標示」などと使います。
「提示」とは違って、わかりやすく外部の人々に目印を付けて表すような感じです。
「提出」
「提示」の類義語としては、「提出」があります。
「提出」の意味は、特に書類や資料を公の場に差し出すことです。
「宿題を提出する」「書類を提出する」などと使います。
「表示」
「提示」の類義語としては、「表示」があります。
「表示」の意味は、はっきりと指し示すこと、兆候、兆しなどです。
「提示」と違って、視覚的に見せる感じが強いでしょう。
「ご提示」の英語表現とは?
ここでは、「ご提示」の英語表現についてご紹介します。
「ご提示」の英語表現は、「show」(示す、見せる)です。
これ以外にも、「offer」(提示する、差し出す、表す)や「present」(提出する、差し出す)などもあります。
「show」「offer」を使った英語表現としては、次のようなものがあります。
- 「Please show me your ticket.」(チケットをご提示ください。)
- 「I have to offer them with another condition.」(別の条件を彼らに提示する必要がある。)