【時候の挨拶:5月】書類、手紙、お礼状、メールで使う挨拶文の書き方




時候の挨拶というのは、頭語の「拝啓」などに続く季節感を表す書き出しの言葉です。

時候の挨拶としては、学校関係で出す文書やビジネス文書、目上の方向けのお礼状の「漢語調」と、個人的な知人や親しい友達向けのカジュアルな「口語調」があります。

ここでは5月の上旬、中旬、下旬にわけて、時候の挨拶の例文や結びの文、健康やコロナについての挨拶文、季節の話題についてご紹介します。

5月の時期

日本では現在新暦が使われていますが、季節の挨拶としては、二十四節気や旧暦が使われることがあります。

ここでは、どの二十四節気が5月なるか、旧暦のいつが5月になるかについてご紹介します。

どの二十四節気が5月なるかは、次のようになります。

立夏(りっか)は、5月6日頃(その年によって違う)で、二十四節気の一つです。

暦の上では、この頃から夏が始まるとされています。

小満(しょうまん)は、5月21日頃(その年によって違う)で、二十四節気の一つです。

草木などの万物が、この頃になれば満ち溢れるとされています。

旧暦のいつが5月になるかは、次のようになります。

  • 旧暦の4月1日頃が新暦の2022年の5月1日
  • 旧暦の5月1日が新暦の2022年の5月30日
  • 旧暦の3月12日頃が新暦の2023年の5月1日
  • 旧暦の5月1日が新暦の2023年の6月18日
  • 旧暦の3月23日頃が新暦の2024年の5月1日
  • 旧暦の5月1日が新暦の2024年の6月6日

書類、手紙、お礼状、メールで使う挨拶文の書き方、構成

学校関係で出す文書やビジネス文書、お礼状、個人的な手紙などを書くときは、基本的に前文、主文、末文、後付で構成します。

このような基本をベースにして、細かい要素を必要によって変えながら仕上げましょう。

前文は、頭語の「拝啓」など、時候の挨拶、相手の健康や安否を気遣う言葉、自分の近況やお礼などの順番に書きます。

主文は、本文になります。

末文は、結びの挨拶で、相手の繁栄や健康を祈る言葉、結語の「敬具」などの順番に書きます。

後付は、日付、署名、宛名の順番に書きます。

時候の挨拶の「漢語調」「口語調」は相手、シーンによって選ぶ

その時々の季節感を表した言葉が、時候の挨拶になります。

時候の挨拶としては、短く簡潔に表した「新緑の候」のような「漢語調」と、話し言葉で柔らかな「新緑の季節になりました」のような表現の「口語調」があります。

相手やシーンによって、「漢語調」と「口語調」は使いわけます。

一般的に、学校関係の文書やビジネス文書などでは、「漢語調」のかしこまった表現が使われることが多く、文書の格がアップします。

一方、より身近な「口語調」を使う方が、個人的な文書では多くあります。

また、ビジネスシーンでも、「口語調」を使って柔らかくすることもあります。

いずれにしても、おすすめはポジティブなものです。

ビジネスシーンの「漢語調」の5月の時候の挨拶

一般的に、かしこまった「漢語調」の時候の挨拶をビジネスシーンでは使います。

ここでは、目上の方へのメールや手紙でも使えるビジネスシーンの「漢語調」の4月の時候の挨拶についてご紹介します。

季節感が時候の挨拶は大切であるため、目安の時期ごとにご紹介します。

しかし、少しその年によってずれるときがあるため、季節感を実際に優先しながら選びましょう。

また、「○○の候」は、使うときに「○○のみぎり」「○○の折」に置き換えることもできます。

「若葉(わかば)の候」「新緑(しんりょく)の候」「青葉(あおば)の候」「緑風(りょくふう)の候」「薫風(くんぷう)の候」は5月全般で使える

  • 「若葉の候」の意味は、若葉の季節になりましたがということです。
  • 「新緑の候」の意味は、新緑の季節になりましたがということです。
  • 「青葉の候」の意味は、青葉の季節になりましたがということです。
  • 「緑風の候」の意味は、快い青葉を吹き渡る風が吹く頃になりましたがということです。
  • 「薫風の候」の意味は、風薫る季節になりましたがということです。

「若葉の候」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

「若葉の候、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。」

「残春(ざんしゅん)の候」「晩春(ばんしゅん)の候」「惜春(せきしゅん)の候」「麗春(れいしゅん)の候」「葉桜(はざくら)の候」は4月下旬~5月初めに使える

四季は、「初」「仲」「晩」にそれぞれわかれています。

暦のうえでは春は5月4日頃の立夏の前日までであるため、5月初めは二十四節気の清明と穀雨の期間の「晩春」にあたり、春の終わりになります。

  • 「晩春の候」の意味は、春も終わりの時期になりましたがということです。
  • 「残春の候」の意味は、春も残り少なくなりましたがということです。
  • 「惜春の候」の意味は、過ぎ去る春が惜しまれる頃になりましたがということです。
  • 「葉桜の候」の意味は、桜の花が散って葉桜の時期になりましたがということです。
  • 「麗春の候」の意味は、麗春(ひなげし)の花が咲く頃になりましたがということです。

「晩春の候」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

「晩春の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」

「初夏(しょか)の候」「立夏(りっか)の候」「薄暑(はくしょ)の候」「新茶(しんちゃ)の候」「軽暑(けいしょ)の候」は5月上旬~中旬に使える

  • 「初夏の候」の意味は、初夏の頃になりましたがということです。

「初夏」は、二十四節気の立夏と小満の期間です。

  • 「立夏の候」の意味は、夏に暦の上ではなり、夏の兆しがみえる頃になりましたがということです。
  • 「薄暑の候」の意味は、暑さを少し感じる頃になりましたがということです。
  • 「新茶の候」の意味は、新茶の季節になりましたがということです。
  • 「軽暑の候」の意味は、暑さを少し感じる頃になりましたがということです。

「初夏の候」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

「初夏の候、○○様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」

「向暑(こうしょ)の候」「小満(しょうまん)の候」は5月下旬に使える

  • 「向暑の候」の意味は、暑さがだんだん増す頃になりましたがということです。
  • 「小満の候」の意味は、万物が生長して天地に満ち始める頃になりましたがということです。

「小満」は、5月21日~6月4日頃で、二十四節気の一つです。

「向暑の候」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

「向暑の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」

ビジネスシーンの「口語調」の5月の結びの挨拶

趣旨や相手によって、結びの挨拶は変わります。

ここでは、ビジネスシーンの「口語調」の5月の結びの挨拶についてご紹介します。

今後もよろしくお願いしますというときの結びの挨拶

今後もよろしくお願いしますというときの結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。

  • 「今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。」
  • 「今後についても相変わらずご厚誼(こうぎ)を賜りますようお願い申し上げます。」
  • 「ご高配を引き続き賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」
  • 「変わらぬご支援ご鞭撻をこれからも賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」

相手の健康や繁栄を祈るときの結びの挨拶

相手の健康や繁栄を祈るときの結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。

  • 「ますますの貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。」
  • 「心より皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。」
  • 「末筆ながら、衷心より一層のご隆盛をお祈り申し上げます。」
  • 「心より皆様のご多祥をお祈り申し上げます。」

5月特有の結びの挨拶

5月特有の結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。

  • 「季節の変わり目ですので、十分にご自愛をお願い申し上げます。」
  • 「万物が五月は生長する時期でございます。貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。」
  • 「暖かくなったとはいっても肌寒い日もございますので、十分に健康にはご留意なされ、さらにご活躍されますことをお祈り申し上げます。」

コロナ関係のときの結びの挨拶

  • 「落ち着かない毎日がコロナ禍もあり続いております。十分にご自愛くださいますようお願い申し上げます。」
  • 「季節の変わり目でもございますので、コロナ禍中、お体にくれぐれもご留意なされ、さらにご活躍されますことをお祈り申し上げます。」

個人的な「口語調」の5月の時候の挨拶

個人的な時候の挨拶のときは、書き出しはカジュアルな「口語調」の表現が好まれます。

ここでは、個人的な「口語調」の5月の時候の挨拶についてご紹介します。

「漢語調」の「○○の候」の言葉

「漢語調」の「○○の候」の言葉としては、次のようなものなどがあります。

  • 「過ぎ行く春が惜しまれる頃になりましたが」
  • 「夏に暦の上ではなり、夏の兆しがみえる時期になりましたが」
  • 「初夏の頃になりましたが」
  • 「新緑の季節になりましたが」
  • 「風薫る季節になりましたが」
  • 「若葉の季節になりましたが」
  • 「新茶の時期になりましたが」

相手の健康や安否を気遣う言葉

相手の健康や安否を気遣う言葉としては、次のようなものなどがあります。

  • 「大空を泳ぐ鯉のぼりに、晴れ晴れとした心になります。お健やかに皆様お過ごしでしょうか。」
  • 「菖蒲湯に昨日は入り、季節のささやかな趣を味わいました。お健やかに皆様お過ごしでしょうか。」
  • 「鮮やかな新緑の季節になりましたが、ご機嫌いかがでしょうか。」
  • 「夏の気配が青葉若葉を渡る風に感じられる頃になりました。お元気でお過ごしのことと存じます。」
  • 「軽暑のひととき、お健やかに皆様お過ごしのことと存じます。」
  • 「牡丹の花が今年も咲き、麗しい季節を迎えました。お変わりございませんでしょうか。」
  • 「走り梅雨に濡れ、いっそう木々の緑が鮮やかになりました。お元気でお過ごしのことと存じます。」

個人的な「口語調」の5月の結びの挨拶

カジュアルな表現が、個人的に使う結びの挨拶も好まれます。

挨拶の内容は相手によって考えてみましょう。

ここでは、個人的な「口語調」の5月の結びの挨拶についてご紹介します。

相手の嗜好、趣味に合わせたときの結びの挨拶

相手の嗜好、趣味に合わせたときの結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。

  • 「爽やかないい季節になり、ますますのご活躍を期待しております。」
  • 「新しい生活に慣れた頃かと存じます。お身体に注意してご活躍ください。」
  • 「若葉のすがすがしい季節になり、英気をおおいに養いたいものですね。」

相手の体調を気遣うときの結びの挨拶

相手の体調を気遣うときの結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。

  • 「過ごしやすい時期とはいっても、ご無理をなさいませんように。」
  • 「季節の変わり目、十分にご自愛くださいませ。」
  • 「風薫る五月、毎日をお健やかにお過ごしください。」
  • 「梅雨も近くなりましたので、お身体にはくれぐれもご留意ください。」
  • 「時節柄、体調が悪くならないようにお身体をおいといください。」

コロナ関係のときの結びの挨拶

コロナ関係のときの結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。

  • 「時節柄、お目にかかることがなかなかできませんが、皆様のご多幸とご健勝を心よりお祈り申し上げます。」
  • 「コロナ禍中、影響がお仕事にもあるかと存じます。お体に十分に気をつけてご活躍ください。」
  • 「運動不足にテレワークでならないよう、お互いに注意しましょう。」
  • 「コロナが収まりましたら、遊びにいらしてください。」

5月に使える季節の話題

ここでは、5月に使える季節の話題についてご紹介します。

季節の話題を使ってみると、季節感が出るでしょう。

5月の風物詩

5月の風物詩としては、潮干狩り、母の日、ゴールデンウィーク、新茶、鯉のぼり、田植え、五月人形、柏餅、一番茶、青梅、端午の節句などがあります。

旬の野菜

旬の野菜としては、たけのこ、キャベツ、さやえんどう、春菊、蕗(ふき)、蕨(わらび)、玉ねぎ、メロン、枇杷(びわ)などがあります。

旬の果物

旬の果物としては、あまなつ、いちご、キウイ、なつみかんなどがあります。

旬の海産物

旬の海産物としては、アオリイカ、コウイカ、ウニ、けがに、さざえ、とりがい、ほたるいかなどがあります。

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RUN-WAY編集部

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