「御意(ぎょい)」の意味とは? 語源や使い方、慣用句などを解説




「御意(ぎょい)」の意味とは?

「御意(ぎょい)」の意味は、高い身分の人の意見や考えです。

「御」は、丁寧さや経緯を言葉の前につけることによって表現することができるものです。

また、天皇の持ち物や行いを表す言葉につけて尊敬を表現します。

例えば、天皇の衣服が「御衣」です。

「意」の意味は、心、考え、気持ちということです。

そのため、「御意」の意味は、「御」を「意」の前につけることによって尊敬すべき目上の方などの意見や考えになります。

この意味から転じた意味の命令、指示ということもありますが、現代ではほとんどこの意味で使うことはありません。

「御意」の語源とは?

「御意」は、使われている漢字に着目すれば、語源からよりその意味がわかりやすくなります。

もともと、「御」は言葉の前につけることによって、天皇に関係があることを表示する言葉でした。

後から、天皇以外に広く尊敬すべき目上の方の持ち物や行いについても使われるようになりました。

また、「意」の意味は、気持ち、心の中の考えということです。

このようなことから、「御意」の意味は目上の方の意見ということになります。

「御意」の使い方とは?

「御意」を使った例文としては、次のようなものがあります。

「社長の御意が得られて、光栄に存じます。」

この例文の「御意が得られる」の意味は、お目にかかるということで使われています。

「御意が得られる」の意味には、目上の方の意見を聞くということもあります。

「各地から職人と資材が、派手さの好きな将軍の御意にかなうために集められた。」

この例文の「御意にかなう」の意味は、目上の方が満足するということです。

このように、「御意」は社員と社長、家臣と将軍などの主従関係が強いときに使います。

現代において、「御意」という言葉が目上の方への返事や目上の方の意見の意味で使われることは、相当少ないでしょう。

ドラマの台詞として「御意」は登場したため、学会や病院で使われていると考えている人も多くいるようですが、これは間違っています。

上長の依頼などをビジネスシーンなどで受けるときは、一般的に「承知しました」といいます。

「御意」の慣用句とは?

ここでは、「御意」の慣用句についてご紹介します。

「御意に召す」「御意に入る」

「御意に召す」「御意に入る」の意味は、目上の方が気に入ることです。

「気に入る」の尊敬語が、「召す」です。

「お気に召す」は、「お気に入り」の尊敬語になります。

そのため、さらに「御意に入る」を丁寧に表現した言葉が「御意に召す」になります。

「御意に入る」の「入る」の読み方は、いるになります。

「御意に入る」の意味は、目上の方が気に入るということです。

「御意を得る」

「御意を得る」の意味としては2つあります。

1つ目の意味は、目上の方の意見や考えを聞く、尋ねたり、忠告を受けたりすることです。

「心得る」と同じ意味で、このときの「得る」は使われています。

2つ目の意味は、お目にかかるということです。

「御意を得る」は、相手を尊敬して会うことです。

また、貴人に会うときの挨拶の言葉が、「御意を得ます」になります。

「了解」と「御意」の違いとは?

ここでは、「了解」と「御意」の違いについてご紹介します。

「了解」の意味は、はっきり内容・意味を理解すること、事情を思いやって納得することなどがあります。

「御意」の意味は、先にご紹介したように、いくつかのものがあります。

「了解」と「御意」の意味は全く同じものがありませんが、納得して了承するときに「了解」は使い、指示に従う、意向に従うことを了承したときに「御意」は使うということが同じです。

そのため、了承の意を相手に伝えるときは、「了解」も「御意」も使えます。

しかし、「了解」は立場が同輩以下の人に使う言葉で、敬語として使えないことに注意する必要があります。

何かを上長から指示されたときに、一般的にビジネスシーンで「了解しました」と返答するでしょうが、これは間違った使い方です。

「御意」の類義語とは?

ここでは、「御意」の類義語についてご紹介します。

「御意」の類義語は、「御意」の意味によって違います。

目上の方の意向・考えを意味する「御意」の類義語

目上の方の意向・考えを意味する「御意」の類義語としては、次のようなものがあります。

「御心(おこころ)」

「御心」の意味は、相手のことを尊敬したときの考え・思いやり・気持ちなどをいいます。

「思し召し(おぼしめし)」

「思し召し」の意味は、相手のことを尊敬して、その気持ちや考えなどをいいます。

目上の方に肯定や同意を示すときの「御意」の同義語

目上の方に肯定や同意を示すときの「御意」の同義語としては、次のようなものがあります。

「おっしゃるとおり」

「おっしゃるとおり」の意味は、いうとおりであることです。

「おっしゃる」は、目上の方の言葉に敬意を示すことで、「いう」の尊敬語です。

使い方は「おっしゃるとおりです」などがあります。

「ごもっとも」

「ごもっとも」の意味は、相手の言い分を肯定する様子です。

使い方は「○○様のご提案はごもっともです」などがあります。

相手の依頼・命令を掴んで受け入れるときの「御意」の類義語

相手の依頼・命令を掴んで受け入れるときの「御意」の類義語としては、次のようなものがあります。

「かしこまりました」

「かしこまりました」の意味は、謹んで依頼や命令などを承ることです。

「把握しました」

「把握しました」の意味は、十分に理解することです。

なお、物事を理解したというときに「把握しました」は使います。

そのため、「受け入れる」という意味合いまでは「御意」のようにないために注意しましょう。

「御意」の英語表現とは?

ここでは、「御意」の英語表現についてご紹介します。

目上の方の考えを意味する「御意」の英語表現は、「your will」「your wish」「your pleasure」などがあります。

返事の「はい」という意味で使うときの「御意」の英語表現は、「yes+sir, lordなどの敬称」になります。

「lord」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「In accordance with the lord’s will, we headed for the provinces.」(主君の御意に従って、地方にわれわれは向かった。)
  • 「Our victory is imminent. Let’s keep up the momentum and attack!」(われらの勝利は差し迫っている。勢いをこのまま落とさないで攻めるぞ!)「Yes, my lord!」(御意!)




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RUN-WAY編集部

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