「業務委託」の意味とは?
「業務委託」というのは、自社でできない仕事を外部の別の企業などに頼むものです。
頼んだときは、自社の秘密になるような情報も含まれることもあるため、セキュリティ面について取り決めすることが大切です。
「業務委託」の契約については、関係する法律はありません。
しかし、「業務委託」の契約は、法的根拠が委任や請負というような契約に関して書かれている民法にあるとされています。
例えば、民法第642条の「請負契約」や民法第643条の「委任契約」があります。
しかし、「業務委託」の契約のビジネスシーンでの内容はいろいろなものがあり、法的根拠として委任や請負の契約をするのみでは困難なことも多くあります。
そのため、細かく「業務委託」の契約において決める必要があります。
では、契約書が「業務委託」のときはどうして必要なのでしょうか?
「業務委託」のときに契約書が必要なのは、トラブルを避けるためです。
認識の違いによるトラブルを避けるためには、具体的に業務を行うことと成果物について責任を持つことを前もって取り決めしておくことが必要です。
また、有利に交渉を行うためにも、契約書は非常に有効です。
トラブルが万一発生して民事裁判になったときでも、契約書があると有利に裁判を進めることができます。
また、税務や経理の処理が契約する内容によって違うときもあります。
契約書は、スムーズに税務や経理の処理を行うためにも必要でしょう。
「業務委託」の契約で注意することとは?
ここでは、「業務委託」の契約で注意することについてご紹介します。
「業務委託」の契約の対価にどのようなことをするかを記載する
頼む側と受ける側で了解した納めるものとその対価を、「業務委託」の契約に記載することが最も大切でしょう。
頼む側は、対価を受ける側に払って納めるものを入手します。
受ける側は、頼む側にものを納めて対価を得ます。
WIN-WINの関係にお互いがなるように、納めるものと対価を記載することが大切です。
また、納品するものはいろいろなケースがあるため、このあたりについては頼む側と受ける側が話し合いをして納得できるように納めるものを定義する必要があります。
「業務委託」の契約書の有効期限を記載する
いつまで「業務委託」の契約が有効かも大切です。
契約が短期的のときは1ヶ月の有効期限のときもあるし、案件がより継続的になることが予想されるときは3ヶ月の有効期限にして、この後は両者が申し出しない限り自動的に契約が更新されるときもあるでしょう。
「業務委託」の契約をするときは、期間はどの程度にするか、話し合いをして契約書にきちんと記載しましょう。
不当に不利になることは「業務委託」の契約書に記載しない
これは、受ける側が「業務委託」の契約についてよくわからないときに陥りがちです。
お金を頼む側は支払って、お金を受ける側はもらうということで考えると、頼む側は受ける側にとっては顧客になります。
そのため、受ける側が頼む側の全ての無理難題を受け入れがちです。
しかし、「業務委託」の契約のときはWIN-WINの関係であり、上下関係がどちらかにあるということでなく、考え方としては対等になるでしょう。
対等であるため、受ける側が「業務委託」を無理して受ける必要はありません。
「業務委託」の契約を結ぶときは、毅然とした態度が必要でしょう。
「業務委託」の契約の「委任契約」と「請負契約」の違いとは?
「委任契約」というのは、契約している期間中の業務行為の断続的なものに対して、決定した金額の報酬をもらうものです。
例えば、成果物が設けられない会社の事務や受付などについて、一定期間の業務遂行を頼むようなものです。
なお、「委任契約」と「準委任契約」があり、民法656条で決められています。
「委任契約」は仕事内容が士業の弁護士などが行う法律行為で、「準委任契約」は仕事内容が法律行為でないコンサルタントなどの業務になります。
一方、「請負契約」というのは、成果物を納めることによって報酬をもらうものです。
例えば、システムエンジニアが、頼まれた通りのプログラムを決められた納期までに完成して報酬をもらうようなものです。
仕事を「業務委託」で受けるメリットとデメリットとは?
「業務委託」の契約を結べば、自分の専門性やスキルを利用して、高い自由度の働き方ができます。
しかし、デメリットとしては労働基準法が適用されなく、収入が努力しないと安定しないということがあります。
ここでは、仕事を「業務委託」で受けるメリットとデメリットについてご紹介します。
「業務委託」で仕事を受けるメリットとデメリットの両方を考慮して、トラブルが発生しないように自分で自分の身は守ることが必要です。
まず、仕事を「業務委託」で受けるメリットについてご紹介します。
自分の専門性が活用できる
「業務委託」のときは、自分が得意なジャンルを活用して仕事をすることができます。
そのまま仕事の成果が報酬に繋がるので、努力や実力によって収入をアップすることができます。
勤務時間・勤務地についての自由度が高い
「業務委託」のときは、業務が契約に基づいて遂行されると、業務をいつどこで行うか、進め方については自由に決めることができます。
そのため、在宅勤務などの働き方も、仕事内容によっては自由に選ぶことができます。
対人関係におけるストレスが多くない
サラリーマンのときは、社内における対人関係で悩んでいる人が多くいます。
しかし、基本的に「業務委託」のときは個人で仕事を行うので、対人関係のストレスが多くない傾向にあります。
仕事を「業務委託」で受けるときは、このようにいろいろなメリットがありますが、一方デメリットもあるため注意しましょう。
仕事を「業務委託」で受けるときは、次のようなデメリットがあります。
労働基準法が適用されない
「業務委託」のときは、企業に雇われる労働者ではないので、労働者を保護する一つの労働法である労働基準法は適用されません。
そのため、契約が急になくなるときもあり、労災保険や失業保険も給付されません。
自分で保険料の支払いや確定申告を行う必要がある
雇用契約を企業と結んでいるときは、基本的に保険料の支払いや確定申告などは企業で行ってくれます。
しかし、「業務委託」のときは、自分でこのような支払い・管理は行う必要があります。
収入が安定しない
正社員のときは企業から毎月安定した給与がもらえますが、「業務委託」のときは仕事を自分で確保しないと収入がありません。
努力すれば高収入が期待できることもありますが、仕事がないと収入は全くありません。