「囃し立てる(はやしたてる)」の意味とは?
「囃し立てる(はやしたてる)」意味は、盛んに囃すということです。
「囃す」というのは、どのような意味かわらない方もいるのではないでしょうか。
「囃す」の意味は、賑やかに楽器などを演奏することです。
「お囃子」というのは、祭りで奏でる音楽ですが、このイメージで考えるとわかりやすいでしょう。
ここから転じて、「囃す」は、例えば、特定のものや人を褒めたり、ヤジを飛ばしたりするようなことを騒々しく行うこともいいます。
「囃し立てる」は、勢いよく「囃す」様子を表現したものです。
先にご紹介したように、「囃す」はいい意味で相手を褒めるときにも使えます。
そのため、いい意味で「囃し立てる」も使えるでしょう。
「囃し立てる」は、サッカーなどでゴールを選手が決めたときに観客が盛り上がる様子を表現することができます。
また、「彼の評判を世間の人が囃し立てている」といえば、この評判がいい意味でも良くない意味でも成り立つようになります。
しかし、「囃し立てる」は実際には良くない意味で使われることが相当多くあります。
いい噂より良くない噂は圧倒的に早く拡大するため、その分多くの人が「囃し立てる」のでしょう。
「囃し立てる」の由来とは?
「囃し立てる」の由来は、伝統芸能の「歌舞伎」や「能楽」などにあります。
もともと「囃す」は、歌舞伎や能楽を盛り上げるために囃子を演奏したり、曲を声を出すなどして引き立てたりするために使われていました。
ここから意味が拡大して、声を揃えて多くの人が冷やかしたり褒めたりするということで使われるようになりました。
「囃し立てる」 の使い方とは?
ここでは、「囃し立てる」の使い方についてご紹介します。
盛んに行う状況で「囃し立てる」は使う
「囃し立てる」は、盛んに多くの人が冷やかしたり褒めたりするときに使われます。
「冷やかしたり褒めたり」であるため、いい言葉としても良くない言葉としても使われますが、一般的に良くない言葉として使います。
「囃し立てる」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「思いやりが無い言葉で囃し立てられ、意欲がなくなった。」
この例文の意味は、思いやりが無い言葉で盛んに冷やかされて意欲がなくなった、ということです。
良くない意味として恋愛では使う
「囃し立てる」を恋愛で使うときは、良くない意味で使います。
例えば、恋愛関係になっていない2人に、周りが世話を焼いて「早く付き合え」「お似合いである」などといったとしましょう。
当事者の気持ちを考えないで周りが煽るようなことを、「囃し立てる」と恋愛では表現し、良くない意味で使います。
「ものみ高く囃し立てる人」
「囃し立てる」の使い方としては、「ものみ高く囃し立てる人」があります。
「ものみ高く」の意味は、強い好奇心があり、珍しがって物事を見たがることです。
そのため、「ものみ高く囃し立てる人」の意味は、珍しがって物事を面白半分に冷やかす人ということです。
「囃し立てる」という言葉そのものは、いい意味でも良くない意味でも使いますが、「ものみ高く囃し立てる人」は良くない意味でだけ使います。
「ものみ高く囃し立てる人」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「ものみ高く囃し立てる人は、いじめている人と同じ罪である。」
- 「どこにでも、ものみ高く囃し立てる人はいるものだ。」
「囃し立てる」を使った例文とは?
ここでは、「囃し立てる」を使った例文についてご紹介します。
「選手がミスしたため、一斉に観客は選手を囃し立てた。」
スポーツでは、選手のミスによって相手チームが得することがあります。
選手のミスがチームの負けに繋がるとショックでしょう。
しかし、観客はこのようなミスを囃し立て、スタジアムがいつまで経っても騒がしいこともあります。
誰でもミスすることはありますが、例えば、オリンピックやワールドカップのように大会が大きくなるほど、致命的なミスになることがあります。
しかも、選手の評判に繋がることもあります。
「大学に新入生が入学するときは、とにかく新入生を先輩たちが囃し立て、サークルに入るように誘う。」
毎年4月になれば、入学式があちこちで行われます。
大学には新入生が入って、新入生に対して先輩たちはサークルに入るように誘おうと注力するでしょう。
どこのサークルも新入生が欲しく、この時期はお花見も盛り上がります。
新入生をサークルに誘うために、新入生たちをとにかく囃し立てる先輩が出てきます。
「日本にあのアイドルが来ると知って、空港に多くのファンが集まったが、到着ロビーにそのアイドルが出てきたときは、みんながとにかく囃し立てた。」
日本に有名なアイドルが来ると、非常に盛り上がります。
外国に日本のアイドルが行っても同じですが、日本に外国のアイドルが来たときは空港に日本のファンたちが集まります。
到着ロビーからそのアイドルが出てくれば、ファンの多くが叫び声をあげて出迎えます。
このようなときは、囃し立てるといえるでしょう。
「囃し立てる」の類義語とは?
「囃し立てる」の類義語としては、「やじる」があります。
「やじる」の意味は、他の人の言動に対して、大きな声で冷やかしたり非難したりすることです。
相手の言動に言葉を浴びせるという意味が、「やじる」と「囃し立てる」は共通しています。
しかし、「囃し立てる」はいい意味でも良くない意味でも使われますが、「やじる」は良くない意味でだけ使われるため注意しましょう。
「やじる」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「気に入らないということで、大勢で1人の人をやじるのは止めよう。」
- 「口汚く観客がやじっている様子を見た。」
「囃し立てる」の英語表現とは?
ここでは、「囃し立てる」の英語表現についてご紹介します。
「Tease」
「Tease」の意味は、冷やかす、からかう、ということです。
「To be teased」の意味は、相手から冷やかされたことを表現します。
「To be teased」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「To be teased by my friends.」(友だちに冷やかされた。)
「cheer」
「cheer」の意味は、声援する、ということです。
「cheer」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「The audience cheered him.」(彼を観客は囃し立てた。)
「make fun of」
「make fun of」の意味は、からかう、ということです。
「make fun of」を使った例文としては、次のようなものがあります
- 「Don’t make fun of her failure.」(あまり彼女の失敗を囃し立てるな。)