「下手の横好き」の意味とは? 語源、由来、使い方などを解説




■「下手の横好き」の意味とは?

「下手の横好き」の意味は、下手であるにも関わらず物事に対して熱心であること、本人が一生懸命努力しているにも関わらず、成果が表れていない、上達していないことです。

簡単にいうと、下手であるが好きでやっていることです。

自分のことを謙遜するシーンで使ったり、馬鹿にしている意味合いで使ったりします。

基本的に、下手であるが好きであるためにやるというように自分に対して主として使うものであり、他の人に対して使うと相手を馬鹿するようになるため、使うときには十分に注意しましょう。

「横」の意味としては、左右の方向ということ以外に、例えば、わがままやよこしまなどがあります。

「下手の横好き」に使われている「横」の意味は、道理にあわない、見当違いということになります。

「下手の横好き」の語源、由来とは?

「下手の横好き」の意味は、もともと、本筋(本業)以外のことに熱心ということがあります。

「下手であるが好き」というように現在では使われていますが、基本的に本筋以外の趣味をいうところがポイントです。

今一つの本筋の腕前でも、それを職業とするプロに対しては使わないため注意しましょう。

「横好き」の「横」の意味は、左右の方向以外に、不正、邪(よこしま)ということがあります。

物事が総じて本筋から逸れることを表現しており、横流し(不正に売ること)、横合い(関係が直接ないこと)、横道(邪道、不正な道)のように使います。

「下手の横好き」の使い方とは?

ここでは、「下手の横好き」の使い方についてご紹介します。

自分をへりくだって「下手の横好き」は使う

「下手の横好き」の意味合いは、下手であるのに一生懸命である、熱心であるということがあるため、親しい身内ではない他の人に対して使うと馬鹿にしていると考えられます。

「下手の横好き」を使うシーンとしては、「絵を描く仕事をされているのですか?絵を描くのが上手ですね。」などと褒められたときに、へりくだって「自分の絵は下手の横好きです」などというようにいうのが基本です。

「下手の横好き」を使った例文

「下手の横好き」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「自分の妹は趣味が多いが、全ての趣味が下手の横好きだ。」
  • 「彼女は下手の横好きであると馬鹿にされていたが、プロとして現在では活躍している。」
  • 「下手の横好きであるとあなたはいっていますが、そんなことないでしょう。」

「下手の横好き」の類義語とは?

ここでは、「下手の横好き」の類義語についてご紹介します。

「数寄者(すきしゃ、すきもの)」

「数寄者」というのは芸事に対して熱心な人です。

「数寄」の意味はもともと好きということで、当て字として使われています。

和歌を熱心に作る人という意味で古くは使われていましたが、本業の他に茶の湯に熱心な人という意味で現代では使われています。

「下手の横好き」と「数寄者」は、本業の他の趣味に熱心な人という意味では同じです。

しかし、「数寄者」の意味としては、下手であるにも関わらずということがありません。

そのため、「数寄者」は下手にも関わらずという使い方をしないときにだけ使います。

「数寄者」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「数寄者たちは、道具を美術品として集めている。」
  • 「数寄者たちが多く集まって茶杓を作った。」

「旦那芸(だんなげい)」

「旦那芸」というのは、お金持ちなどが習いを慰めのために覚える芸事です。

「下手の横好き」と同じように、「旦那芸」の意味は、上手くはないが習いを好きで覚えているということがあります。

なお、「旦那芸」のときは、限定してお金持ちなどに対して使う言葉です。

そのため、一般の人に使うと誤った使い方になるため、「旦那芸」は金持ちなどに対して使って、「下手の横好き」は一般の人に対して使いましょう。

「旦那芸」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「旦那芸とは考えられないくらい、部長の芝居は見事であった。」
  • 「旦那芸であると彼はへりくだっているが、腕前はなかなかのものであった。」

「芸術愛好家(げいじゅつあいこうか)」

「芸術愛好家」というのは、学問や芸術を趣味として楽しんでいる人です。

「芸術愛好家」と「下手の横好き」は、芸術を趣味として楽しんでいるという意味では同じです。

しかし、「芸術愛好家」の意味には、下手であるという「下手の横好き」のようなものはありません。

また、「芸術愛好家」は、「下手の横好き」とは学問や芸術に限られていることも違います。

「芸術愛好家」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「教授は数学の先生でありながら、日本の芸術愛好家であった。」
  • 「部長は芸術愛好家で、趣味は古書を集めることである。」

「音楽愛好家(おんがくあいこうか)」

「音楽愛好家」の意味は、素人であるにも関わらず、音楽を楽しんでいる人ということです。

「下手の横好き」と「音楽愛好家」は、素人であることと音楽を楽しんでいるという意味が同じです。

しかし、「音楽愛好家」の意味は下手であることでは必ずしもないため、このことで「下手の横好き」とは違います。

「音楽愛好家」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「音楽愛好家たちが集まって、お互いの持っているレコードを見せ合った。」
  • 「彼女は音楽愛好家で、自宅にはレコードを多く持っている。」

「下手の横好き」の英語表現とは?

「下手の横好き」の英語表現はありませんが、次のような英文で表現することができます。

  • 「Being crazy about something but being very bad at it.」(それに夢中ですが、非常に下手です。)
  • 「He is always at it, and always bad at it.」(いつも彼は熱心に取り組んでいるが下手である。)
  • 「Loving something but being very bad at it.」(そのことが非常に好きであるが下手である。)

また、「dabster」という英単語の意味には物好きということがあるため、「下手の横好き」と同じ意味合いで使うことができます。

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RUN-WAY編集部

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