準じるの意味とは?
準じるというのは、基準を何か設けて、これに見合った、あるいは同じような取り扱いをするということです。
準じるの準は基準の準で、一般的に、基準になることは具体的なものです。
何か前例になる出来事があり、これを基準にして同じ対応をこの後もする時などに多く使われます。
また、基準にするのは前例でなく、その人が持っているスキルなどをする時もあります。
キャリアやスキルによって対処することを、スキルに準じて、などといったりもします。
準じるの使い方とは?
ここでは、準じるの使い方についてご紹介します。
準じる対応、準じるもの
準じるは、~に準じるのみでなく、~に準じる対応、~に準じるものというような表現でよく使われます。
例えば、休暇については正社員に準じるといえば、正社員と同じような対応をする、あるいは、正社員にならうというような意味になるでしょう。
準じる対応、準じるものを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「緊急の時には慌てないで、マニュアルに準じる対応が必要である。」
- 「パートの仕事内容については、正社員に準じるものになる。」
文脈によって、~と同様の対応や~にならう、あるいは、~に従ってと細かな意味合いが違います。
~に準じての意味は~に応じて
~に準じてと使う時は、意味がわかりやすいのは~に応じてと言い換えることでしょう。
例えば、給与はスキルに準じて計算しますといえば、給与はスキルに応じて計算しますという意味になります。
同じように、求人情報で目にする、経験に準じて給与は決めますといえば、経験に応じて給与は決めますという意味になります。
準じてを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「収入に準じて納税額は計算される。」
- 「会社では前例に準じた応対が重んじられる時が多くある。」
~に準じる成績の意味は~と同等の成績
準じるの意味としては、~にならうということがあります。
例えば、~に準じる成績といえば、~と同等の成績、~に程近い成績という意味になります。
しかし、意味が全く同じということではありません。
優秀賞に準ずる成果を出した時もボーナスの対象にするといえば、優秀賞以外に、これと同等の成果を出した時もボーナスがもらえるという意味です。
そのため、優秀賞でなくてもボーナスがもらえる可能性があるという意味になります。
経験年数に準じるの意味は~に見合った
経験年数に準じるは、経験年数に見合ったものにするという意味になります。
例えば、年次有給休暇日数は勤続年数に準じるといえば、年次有給休暇日数は勤続年数に見合ったものにするという意味になります。
準じるの法律用語での使い方とは?
準じるの法律用語の意味は、あるものを基準にしてそれに見合った取り扱いをする、それにならうということで使われます。
なお、法律が成立したのが古く、法律の条文などでは改正されていないことが多いため、準じるは準ずると書かれている時が多くあります。
しかし、法律関係の同じような文章でも、就業規則や契約書則などでは準じると書かれている時もあり、準じるでも準ずるでも問題ありません。
条文を引用する時は、一字一句も変わらないように条文と全く同じに書く必要があるため、条文に書かれているように準じるあるいは準ずるを使いましょう。
準じるは、契約書の中にも使われています。
例えば、詳細な規定は就業規則に準ずると雇用契約書に書かれている時は、就業規則に従うことになります。
契約書に書かれていないが規程が別にあって、この規程に従いますという契約をする時は準ずると書くこともあります。
准じると準じるの違いとは?
准じると、準じるという言葉を書くことがあります。
この准という漢字の意味は、主たるものに準ずる、なぞらえるということで、准看護師などと使われます。
準の俗字が、准じると使われる時の准になります。
俗字というのは、一般的に使われている文字で、正しい文字ではありません。
そのため、准じると準じるは、一般的に意味が全く同じように使われていますが、準じるが正しい書き方になります。
准じると準じるのいずれを書くか迷った時は、準じると書きましょう。
順じると準じるの違いとは?
順じるという言葉を時々目にしますが、順じるという言葉はありません。
基本的に、順じるは準じるの間違った使い方になります。
順じるは実用日本語表現辞典には載っていますが、正しい表現ではないということで一般的な辞書では載っていません。
順じるの意味は、宗教上の教理や先生の教えなどを守って従うことになります。
誤った使い方として、順番を順ずるという漢字から連想して、下になると考えている方もいるようです。
例えば、契約社員の給与は正社員に順ずると書かれていた時は、契約社員の方が正社員より給与が良くないと考えるでしょう。
余計なトラブルが発生することも考えられるため、誤った順じるを使わないように注意しましょう。
殉じると準じるの違いとは?
殉じるの意味は、主などが亡くなったことを追って亡くなるということです。
殉じるの読み方は準じると同じですが、全く意味が違うため、使う時には注意しましょう。
辞めた大臣に殉じるなどというように、同じ行動を義理立てしてとるという意味でも時には使われます。
準じるの行動は、規程に従ったものになるため、やはり義理立てしてとる行動とは大きく違っています。
応じると準じるの違いとは?
応じるの意味は、行動を相手の働きかけに応じて起こすことです。
応ずると使う時もあり、応答という相手の呼びかけに対応する意味もあります。
準じるは、決まりに従うなど、すでにある根拠や決まりに応じて行動します。
一方、応じるの意味は、相手の働きかけに対応することであるため、相手の行動が前提にあります。
応じると準じるのいずれを使うか迷った時は、相手の行動についての反応か否かで判断しましょう。
準じるの類義語とは?
ここでは、準じるの類義語についてご紹介します。
準じるの類義語としては、則る、従う、倣うなどがあります。
則る、従う、倣うを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「規則に則った対応をとる。」
- 「サンプルに従って書いてください。」
- 「前のケースに倣う。」
準じるの英語表現とは?
「equivalent」「conforming」「correspond」が、準じるの英語表現になります。
「equivalent」「conforming」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「equivalent method」(これに準じる方法)
- 「conforming to company rule」(社内規定に準じる)