「慧眼(けいがん)」の意味とは?
ここでは、「慧眼」の意味についてご紹介します。
物事の本質を見極める眼力
「慧眼」の意味は、「物事の本質を見極める眼力」です。
「慧眼」はニュアンスの肯定的なものがあり、誉め言葉としてビジネスシーンでよく使われます。
将来を見透かすスキル
「慧眼」の意味は、「物事の本質を見極める眼力」から転じて、「将来を見透かすスキル」として使うこともできます。
本質を見透かすことで将来的な変化に対応することができるため、「慧眼」の一つのメリットとして考えるといいでしょう。
「慧眼(けいがん)」の由来とは?
もともと「慧眼」は仏教の言葉で「えげん」と読み、「慧」の意味は「知恵」「賢い」「物事の本質が悟れる、わかる」というようなものがあります。
仏教の言葉においても物事の本質を見極めるスキルという意味で使われており、現在の「慧眼」の意味と同じです。
「慧眼」は、優れた5つの目の慧眼、肉眼、天眼、仏眼、法眼の一つで、世の中が空であるという真理を会得できる見方やスキルがある眼のことをいいます。
見えるものは違いますが、対象の本質がわかるということでは意味が同じになります。
「慧眼(けいがん)」の使い方とは?
「慧眼」は、フォーマルな肯定的なニュアンスがある言葉であるため、よくビジネスシーンで使われます。
「ご慧眼」と書いて、敬語としても使われるため、失礼がないようにチェックしておきましょう。
ここでは、「慧眼」の使い方についてご紹介します。
「慧眼がある」「慧眼である」「慧眼を持つ」
「慧眼」は、「慧眼がある」「慧眼である」「慧眼を持つ」などと、相手を褒めたたえる意味として使われます。
目上の方には断定の表現は使えないため、様子や状況を説明するときだけに利用しましょう。
「慧眼がある」「慧眼である」「慧眼を持つ」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「いち早く才能が判断できる慧眼があると、コーチとして優れている。」
- 「彼は景気が良くないことを予想して、対策を指示した。本当に慧眼である。」
- 「慧眼を仏のように持つことによって、いち早く世の中の変化が判断できる。」
「慧眼の士」「慧眼の持ち主」
「慧眼」は、「慧眼の士」「慧眼の持ち主」などと、人をいう言葉とともに使われます。
「士」の意味は「道徳や学問がある人」ですが、よく「男性」に使われるため、「女性」には使わないようにしましょう。
「慧眼の士」「慧眼の持ち主」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「成功体験からコツを見極めるスキルは、本当に慧眼の持ち主といえる。」
- 「有識者会議は、選りすぐりの慧眼の士のみが集まっている。」
- 「犯人をすぐに見つけるなんて、慧眼の持ち主である。」
「ご慧眼には~する」
相手を敬う気持ちを込めて「恐れ入る」「感服する」などとともに使われる表現が、「ご慧眼には~する」です。
相手にへりくだる言葉が「~する」のところには使われ、目上の方にも使えます。
「ご慧眼には~する」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「偽物と本物を判断するご慧眼には敬服します。」
- 「事件の真相を追求したご慧眼には感心します。」
- 「サッカー選手の逸材を見つけたご慧眼には感心します。」
「炯眼(けいがん)」と「慧眼(けいがん)」の違いとは?
「炯眼(けいがん)」の意味は「はっきりと物事を見極めるスキル」で、「慧眼」の意味は「物事の裏面や本質を見極めるスキル」です。
「物事を見極めるスキル」が、いずれの言葉もあることがわかります。
そのため、ほとんど同じような意味で使われます。
では、「炯眼」と「慧眼」はどのような違いがあるのでしょうか?
「慧眼」の意味は、「物事を見極めるスキル」にプラスして、「洞察力」「将来を見抜くスキル」も含まれるということが「炯眼」とは違っています。
そのため、「慧眼」の方が使うのが幅広くなり、「物事を客観的に見るスキル」があります。
一方、「炯眼」の方が、物事の誤魔化している一つの箇所などを「光のように鋭く」探すスキルがあります。
これから、「炯眼」と「慧眼」を使うときは、このような違いを把握しておきましょう。
「慧眼(けいがん)」の類義語とは?
ここでは、「慧眼」の類義語についてご紹介します。
「炯眼(けいがん)」
意味は、「はっきりと物事を見極めるスキル」「鋭い目つき」です。
「具眼(ぐがん)」
意味は、「物事の本質を見極め、真偽や是非を見極める見識があること」です。
「先見の明」
意味は、「今から発生する事柄について見極めるスキル、これに応対するスキル」です。
「達見(たっけん)」
意味は、「物事を先々まで、あるいは広く見極める優れた見識」です。
「達眼(たつがん)」
意味は、「物事の深奥を見極める鋭い眼力」です。
「洞察力」
意味は、「直感的に目に見えないものを見極めるスキル」です。
「見抜く」
意味は、「隠れている真相や本質を見極めること、奥底まで見極めること」です。
「穎悟(えいご)」
意味は、「悟りが早く優れていること、賢い様子」です。
「見通す」
意味は、「人の将来や気持ちなど、見えないことまでわかること」です。
「慧眼(けいがん)」の対義語とは?
ここでは、「慧眼」の対義語についてご紹介します。
「凡眼」
意味は、「平凡な眼識」「梵字の眼」、つまり世の中一般的な目利きのことです。
「只者」
意味は、「尋常な者」「普通の者」です。
「平凡」
意味は、「特別なところがない」「普通のこと」です。
「無知蒙昧」
意味は、「学問や知恵がなくて愚かな様子」です。
「凡骨(ぼんこつ)」
意味は、「これというような長所がなく平凡なこと」「人並みの器量や腕前」です。
「慧眼(けいがん)」の英語表現とは?
ここでは、「慧眼」の英語表現についてご紹介します。
「insight」
「insight」の意味は「見識」「洞察力」であり、最も「慧眼」に近い英語表現です。
「物事を幅広い視野から考えるスキル」「物事の本質を判断するスキル」を表現するときに使えます。
「insight」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「He has a keen insight of social issues.」(彼は社会問題についての慧眼の持ち主である。)
「vision」
「vision」の意味は「洞察力」「視界」「未来像」「先見性がある」で、よく和製英語として使われます。
ビジネスシーンにおいては、人に対して使うときは「先見性がある」「洞察力がある」という意味になり、単独で使うときは「未来像」という意味になります。
「vision」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「Our company wishs for a man of vision.」(私たちの企業は、先見性がある人を希望しています。)