「ライフライン」とは?
「ライフライン」の意味はいくつかありますが、一般的に日本では生活に必要な機能や設備という意味です。
地域や国によって、「ライフライン」の具体的な内容は違っています。
例えば、ネット通信は日本では大切な一つの「ライフライン」ですが、パソコンやスマホの普及率が高くない国では非常に重要度が下がるでしょう。
これ以外の意味としては、物資補給路や命綱ということもありますが、この意味ではあまり使われません。
ここでは、現在の日本で代表的な「ライフライン」についてご紹介します。
電力
電力は、空調や照明など、毎日の生活において多くの電化製品に使われています。
ガス
ガスは、暖房や調理に使われています。
ガスとしては、家庭にボンベで運搬される LP ガスとガス管で送られる都市ガスがあります。
上下水道
上下水道は、飲料水以外に、衛生面のトイレやシャワーなどにも必要です。
ネット、電話
会社のシステムは、ネット、電話を使うものが多くあります。
また、個人でも情報を集めたり、安否を確認したりするために、ネット、電話は必要です。
物流
「ライフライン」としては、スムーズに食品や飲料などの物資が運搬されることも含まれます。
「ライフライン」の道路も、トラックなどが走るために必要です。
「ライフライン」をサポートするところとは?
ここでは、「ライフライン」をサポートするところについてご紹介します。
電力会社
電力会社というのは、電力を売る会社です。
例えば、発電、送電、配電などを電力会社は行ないます。
電力は、火力、水力、原子力、太陽光、風力などで発電され、それぞれの家庭に送電線によって配電されます。
日本においては同じ電力会社が発電から送電、配電まで行っていますが、欧米においては別の電力会社が発電と送電を行うようになっています。
以前は、電力が地域によって決まった電力会社からだけ買えました。
しかし、電力が2016年4月に自由化されたことによって、電力は新しく参入した電力会社からも買えるようになりました。
災害が発生したときは、発電所が東日本大震災のときのように直撃されるときもありますが、トラブルは多くの場合送電線の不具合で発生します。
逆にいえば、電力会社が維持管理しているために送電が平常時に止まらなくなっています。
ガス会社
ガス会社は、ガスを売る会社です。
例えば、ガスの製造、配送などをガス会社は行ないます。
日本においてエネルギーとして主に使われているガスは、都市ガスとLPガスがあります。
一般的に、都市ガスはガスタンクといわれるガスホルダーに貯められ、それぞれの家庭に地下に埋設されたガス管で供給されます。
LPガスは、ブタンやプロパンが主な成分であり、プロパンガスと一般的にいわれています。
圧縮すれば容易に液化します。
液化すれば非常に体積が小さくなるため運搬しやすく、それぞれの家庭にボンベに入れて運搬します。
都市ガスと同じように、臭いいがもともとないものに臭いをプラスしています。
水道局
水道は、広い意味では、水を供給してから処理するまでの全てをいいます。
しかし、水道は、一般的に、上水道、つまり水の供給のみをいうときも多くなっています。
上水道というのは、飲める水をそれぞれの家庭やその他の施設に水道管によって供給するものです。
水源の湖や川、地下水などの水を浄化して使います。
一方、下水道は、産業排水や家庭排水、雨水などを集めて、浄化した後で川などに排水するものです。
普通の家庭では使わないためそれほど知られていませんが、中水道もあります。
中水道は、飲むことはできなく、産業排水などを処理して再度使うものです。
主として工業用に使ったり、大規模な施設の水洗トイレなどに使ったりします。
通信会社
通信会社は、情報通信サービスのネット、電話などを提供するところです。
日本では、NTT、ソフトバンク、KDDIなどが通信会社になります。
データや音声などの情報を運ぶため、キャリアや通信キャリアといわれるときもあります。
通信設備の光回線、電話線、携帯の基地局などを持っている会社をいうときが多くありますが、ネットプロバイダなどのように設備を持っていない会社を含めるときもあります。
特に、携帯は目に見えない無線であるため、そのありがたみが普段はわからないときも多くあるでしょう。
しかし、災害などによって携帯が使えなくなれば、いかに現代人が情報通信に頼っているかがわかります。
鉄道会社
鉄道会社は、鉄道によって貨物や旅客を運ぶ会社です。
鉄道設備を持っている会社と列車を運行している会社が違うときもありますが、ほとんどは会社が同じです。
鉄道会社は、決めた時刻通りに列車を運行すること、鉄道を維持管理することが主な仕事です。
鉄道会社の大きな目的は、乗客にとって安心、安全、快適、正確に列車を運行することです。
これ以外に、路線沿線の町作りにも鉄道会社は関わっています。
不動産開発や商業施設の駅ビルなどの運営などを行って、お互いに鉄道と沿線地域が発展することを目的にしています。
鉄道会社がいくつかのプロ野球球団の経営を行なっているように、娯楽施設に注力しているところもあります。
災害に対する対策としては、トンネルや橋などの耐震強化などが行われています。
「ライフライン」の類義語とは?
ここでは、「ライフライン」の類義語についてご紹介します。
「インフラ」
「インフラ」は、「インフラストラクチャー」を省略したもので、産業や経済、暮らしなどの基盤を作るものに使われます。
「インフラ」の種類や内容が、着目するものによって変わります。
例えば、発電所は、工場に着目すると「産業インフラ」、家庭に着目すると「生活インフラ」になります。
「生活インフラ」と「ライフライン」は言い換えられます。
しかし、「ライフライン」の方が普及しているため、言い換えることはないでしょう。
「生活線」
「生活線」は、「ライフライン」という言葉が普及する前に使っていたようです。
「生活線」はあまり最近の辞典には載っていないため、多くの人は知らないでしょう。
しかし、「生活線」の方が年配の方は馴染みがあるかもしれません。
念のために意味を掴んでおきましょう。
日本語に「ライフライン」はあまり言い換える必要はない
「ライフライン」は、別のカタカナ語や日本語にあまり言い換える必要はないでしょう。
役所のホームページでも使われているため、一般的に普及していると考えられます。
そのまま文章や会話に使っても問題ないでしょう。
通じなかったときは、意味を「水道や電気が止まることです」と伝える方がわかりやすいでしょう。