「妙齢(みょうれい)」という言葉を使って人を形容することがあります。何となく使ってしまう「妙齢」ですが、実は正確な定義や意味を知っている人は少ないのではないでしょうか。今回は、「妙齢」の意味と定義をはじめ、正しい使い方について紹介します。
「妙齢」の意味と定義は?
そもそも、「妙齢」とはどのような意味を持つ単語なのでしょうか。まずは辞書的な意味を見つつ、言葉の定義について考えていきましょう。
「妙齢」とは「とても美しい年齢のこと」
妙という言葉に「おかしな」という印象があるので、どうしても妙齢という言葉自体にもいやな印象を持ってしまいがちです。
ですが、「妙齢」は、デジタル大辞泉の解説によると、『若い年ごろ。特に、女性の若い年ごろ』とあります。つまり、いい意味での言葉なのです。誤用されやすいので、使うほうも、使われるほうも意味を取り違えないように気を付けなくてはなりません。
「妙齢」は何歳くらいの女性のことを指しているの?
妙齢の年齢設定は、明確には存在していません。言葉の意味から類推するに、基本的には10代の後半から20代前半くらいの結婚適齢期の女性を指す事が多いようです。
ですが、結婚適齢期という意味で妙齢が使われる場合は、ライフスタイルの変化によって年齢も左右されます。現代では、20代後半、30代までも妙齢と呼ぶことがあるようです。
また、美しい女性という意味であれば、その美しさも人によってとらえ方がさまざまです。「妙齢」への認識が「若い女性」から変わり始めたことで、妙齢の認識も変わり始めていると言えるでしょう。
「妙齢」の使い方で気を付けたい点
ここからは、妙齢を実際に使うときに気を付けるべきポイントを紹介します。使い方を間違えると失礼に当たるだけでなく、人間関係にひびを入れてしまう可能性もあります。意味をしっかり理解したうえ、正しい使い方ができるようにしましょう。
「妙齢」と「高齢」を取り違えない!
妙齢という言葉の最も多い誤用が、高齢ととらえてしまうことです。「妙」という言葉になぜか年齢の高いイメージがあるため、つい「妙齢」が「高齢」であると誤った認識をしてしまうのです。
ですから、「妙齢になったから」「妙齢なのに綺麗ですね」等という表現は非常に失礼に当たります。言われたほうが勘違いするパターンとしては、「あなたも妙齢になりましたね」と言われ、「歳をとって見える?」と思い違いをしてしまうケースです。
「妙齢の婦人(美しい女性)」や「妙齢の美人(若い容姿端麗な女性)」というように、ひとつの単語として表現したり、「妙齢になる」「妙齢になった」というふうに「その年齢に達した」と表現するのが正解です。
「妙齢=高齢」は間違った解釈のため、誤用には充分注意しましょう。
「妙齢」は男性には使わないと覚えておくべし
「妙齢」は、「女盛りの」という意味のほか、「婚姻適齢の」という意味もあります。そのため、最近では使用範囲が広がり、男性にも「妙齢の男性」と適用されるようになってきました。ですが、妙齢という言葉自体に、『若い美しい女性』という意味があります。
そのため、男性に対しては、年齢関係なく妙齢という言葉を積極的に使用するのは控えておくべきでしょう。
まとめ
「妙齢」という単語は、誤用されやすい言葉のひとつではありますが、女性にとっても男性にとっても覚えておいて損のない言葉です。言葉の意味合いは、時代とともに変化します。
10代を指す言葉だったのが20代~30代を指すようになり、今では40代も妙齢の範囲に入っています。このように、使用範囲がますますの広がりを見せているからこそ、誤用も起こりやすくなっていると言えるでしょう。ただ、範囲が広いからといって、誰にでも使っていい言葉というわけではありません。
妙齢の正しい意味や使い方をしっかり理解し、相手に誤解させない方法で会話で使うようにしましょう。