「矮小化」の意味とは?
「矮小」の意味は、こじんまりしていること、形が小さく丈が低いことです。
「◯◯化」という言葉は、「酸性化」や「理想化」などのように、◯◯という性質や状態に物事を変えるという意味で使われます。
そのため、「矮小化」の意味は、こじんまりさせる、小さくする、ということになります。
「矮小」の「矮」という漢字の意味は、丈が短いということがあります。
また、背の低い人ということもあります。
なお、「倭人」と古代の日本人をいいますが、「倭」の意味にも背が低いということがあります。
「矮」と「倭」に共通する「委」という漢字の意味が、背を小さくして踊る女性の様子から来ていることが要因であるようです。
「矮小」の「小」という漢字の意味はちいさいということがあるため、「矮小」という言葉はみじかいとちいさいという意味が同じような言葉が組み合わさった二字熟語であることがわかります。
「矮小」と意味が反対の言葉としては、「巨大」があります。
そのため、「巨大化」という言葉は、「矮小化」の対義語になります。
「矮小化」の使い方とは?
ここでは、「矮小化」の使い方についてご紹介します。
「矮小化する」
物事の本質を捉えていないときに、「矮小化する」は使います。
例えば、「課題を矮小化する」の意味は、課題の中に含まれている断片化された一部のみや小さな事柄のみを見て課題を小さくするということです。
「課題の矮小化」によって課題の本質を捉えていないため、最終的に課題をすり替えたり、課題を歪曲したりするときもあるでしょう。
「矮小化」を使った例文
ここでは、「矮小化」を使った例文についてご紹介します。
- 「あなたは課題を矮小化している。そこが課題の本質ではないだろう。」
- 「文明の発達は、人類をある意味矮小化させたともいえよう。」
- 「彼は、責任を矮小化することによって面目を保った。」
- 「野生動物に比較して、ペットの中には巨大化したものがいたり、矮小化したりしたものもいる。」
- 「矮小化して物事を考えていれば、足元をいつかすくわれるだろう。」
「矮小化」の類義語とは?
ここでは、「矮小化」の類義語についてご紹介します。
「歪曲化」
「歪曲化」の意味は、わざと物事を歪めて伝える、物を歪めることです。
ほとんどの場合、歪められるのは良くない方向です。
「歪曲化」は、「歪曲」という名詞に「化」という接尾辞が組み合わさった表現になります。
「歪曲化」の意味合いは故意に物事の本質を歪めて変えるということですが、「矮小化」の意味合いは物事の断片的なところや一部を取り上げることです。
物事の本質がわからなくなるということではいずれの言葉も同じですが、大きく物事の捉え方が違っています。
「歪曲化」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「真実を歪曲化しているため、本当かどうかわからない。」
- 「講師が歴史を歪曲化するため腹が立った。」
「すり替える」や「話を小さくする」が「矮小化する」の類義語である
「矮小化する」の類義語としては、「すり替える」や「話を小さくする」があります。
「すり替える」の意味は、いつの間にか話の論点や主題がわからないように変えるということです。
「話を小さくする」の意味は、話のメインになる物事の断片的なことや一部のみを取り上げて実際よりも小さく見せるということです。
「すり替える」は「矮小化する」の類義語として物事の本質が変わったようなときに使い、「話を小さくする」は「矮小化する」の類義語としてほとんど同義で使われます。
「すり替える」「話を小さくする」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「窮地から論点をすり替えることによって逃れそうではないか。他の人がうまくやったと噂していた。」
- 「話を小さくして問題が大きなものではないようにいっていたが、実際には相当大きな問題である。」
「矮小化」の対義語とは?
ここでは、「矮小化」の対義語についてご紹介します。
「巨大化」
「巨大化」の意味は、非常に大きくなることで、形が大きくなるときに使います。
「矮小化」の意味が形の小さくなるときは、「巨大化」が対義語になります。
「巨大化」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「自宅の庭の茄子が巨大化して、ズッキーニのような感じである。」
「誇張」
「誇張」の意味は、大げさに実際よりも表現することです。
「矮小化」の意味が抽象的な問題などを小さく見せるというときは、「誇張」が対義語になります。
「誇張」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「誇張してイラストが描かれている。」
- 「自慢話を彼は誇張して話していた。」
「矮小」の英語表現とは?
「矮小」の英語表現としては、次のようなものがあります。
- 「trivial」(些細な)
- 「very small」(非常に小さい)
- 「narrow-minded」(心が小さい)
「trivial」は、つまらない、ささいなという意味で使いたいときに最もおすすめです。
「very small」は、物質的なものの大小を表現するときや背が低いことを表現するときに意味が十分に伝わります。
「narrow-minded」は、「a narrow-minded person」(心が狭い人)など、主として心の小ささを表現するときに使います。
植物の「矮小化」とは?
高山植物は生活の本拠が高山帯にあるものですが、一般的に割合小低木や小形の多年生草本が多くあります。
特に、草本植物では、大きな花が背丈のわりに多いことが特徴です。
植物の「矮小化」は、高山帯だけでなく、乾燥地、極地域などでも見られます。
生育できる期間が短いことなどが、「矮小化」の環境要因として挙げられています。
しかし、植物の「矮小化」ははっきりした定義がなく、認識も体系的にされていません。
熱帯や亜熱帯のヒマラヤなどにある、高山帯の低中緯度では、植物が成長できる期間が短い以外に、風、紫外線、日射が強く、気圧や温度が低く、日変化が大きくなります。
日射が強く、日変化が大きいことなどは、小さい日較差の極地域とは非常に違っています。
高山帯では、成長しているときも厳しい放射冷却に夜間にしばしばさらされ、降雪にみまわれるときもあります。
また、気圧が低いことは、高山帯に限定されます。
植物の「矮小化」としては、同じ種内で小形化するときと近縁種と比べてある種が小形なときがあります。
一般的に、高山植物は近縁種と比べてある種が小形なときになり、近縁種に比べて小形の植物体になっていますが、ロゼット形やクッション形などの同じような形態の植物が多くあります。
同じ種内で小形化するときは、遺伝的に安定した小形化と一時的な小形化が見られます。