曲がりなりにもの意味とは?
曲がりなりにもと会話の中でいわれた時は、その前後を十分に理解しなければどのような意図でいわれたかわからないでしょう。
曲がりなりにもというのは、「十分とまではいかないが」「不完全ながら」「どうにかこうにか」というような意味です。
ちょっと頼りなさそうなところやどこか物足りないところがあるが、結果を一応出せたという意味合いで使われます。
「十分ではないが、頼まれたことはとりあえず達成できた」「完全ではないが、何とかこなした」などというように、マイナス面がありますが、トータル的にはプラスになる、つまり期待を含めた言葉として曲がりなりにもは使われる時が多くあります。
曲がりなりにもは、漢字で書くと曲がり形にもになります。
もともとの意味は、曲がった形でもということでした。
曲がった形を木材などがしていてもなんとか使えるということから、「不完全ながら」「未熟であっても」というような意味の言葉になったといわれています。
曲がりなりにもの使い方とは?
ここでは、曲がりなりにもの使い方についてご紹介します。
完全でない時に使う
曲がりなりにもは、完全でない時に使います。
例えば、「画家として曲がりなりにもお金をもらっている」などのように、「十分結果が出ないところがあるが、何とかなっている時」に使います。
また、「曲がりなりにも達成できた」などのように、人以外でも使うことができます。
謙遜する時に使う
曲がりなりにもは、謙遜する時にも使います。
身内や自分のことを曲がりなりにもと表現することによって、謙虚に「十分ではないながら」と表現することができます。
しかし、実力が実際にあるにも関わらず繰り返して曲がりなりにもを使っていると、嫌味と思われる時もあるため注意しましょう。
曲がりなりにもを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
「現場を曲がりなりにも任されているため、お任せください。」
この英文の意味は、「現場を十分でないながらも任されているため、お任せください。」ということです。
他の人に対しては使わない
曲がりなりにもは、他の人に対して使うと失礼になるため注意しましょう。
曲がりなりにもは、「十分でない」「完全でない」という意味であるため、他の人に対して使うとけなすようになります。
例えば、「彼は曲がりなりにも責任者である」という時は、彼は運営責任者として十分でないというようになります。
曲がりなりにもの間違った使い方とは?
ここでは、曲がりなりにもの間違った使い方についてご紹介します。
曲がいなりにもと使う
曲がりなりにもを間違えて、曲がいなりにもという人がいます。
おそらく「紛い物」と間違ったためと考えられますが、曲がりなりにもが正しいため注意しましょう。
完全な物事や人に対して使う
曲がりなりにもは、「十分でない」などというような意味であるため、完全な物事や人に対しては使えないため注意しましょう。
しかし、謙遜の意味で曲がりなりにもを使う時は例外です。
不十分なところが客観的に無さそうな完全な人でも、曲がりなりにもを自分自身を謙遜して使う時があります。
この時は、間違った使い方ではないため注意しましょう。
曲がりなりにもの類義語とは?
ここでは、曲がりなりにもの類義語についてご紹介します。
どうにかこうにか
どうにかこうにかは、どうにかを強調したものです。
なお、どうにかの意味は、「余裕は無いが物事を何とか実現できた」ということです。
それなりに
それなりにの意味は、「相応に」「そこそこに」ということです。
ある立場や条件などにふさわしい状態や程度であることをいいます。
かろうじて
かろうじての意味は、危ない目に遭うすぐ前の状態や余裕が無い状態などから、何とかして逃れることです。
曲がりなりにもの対義語とは?
ここでは、曲がりなりにもの対義語についてご紹介します。
申し分なく
申し分というのは、非難すべきことや不満に思うこと、デメリットという意味です。
申し分なくは、申し分がない、つまり非難すべきことがないというようになります。
曲がりなりにもの意味は、「十分ではないが」「完全でなないが」ということであるため、十分でない状態の対義語は、十分である状態になります。
そのため、曲がりなりにもの対義語としては、「申し分けなく」「申し分のない」になります。
例文としては、「仕事に対する彼の評価は申し分ない」などがあります。
抜けのない
抜けのないの「抜け」は、あるべきものがないということです。
抜けのないは、あるべきものがあるということで、十分ということを表現しているため、曲りなりにもの対義語になります。
非の打ちどころのない
非の打ちどころのないというのは、完全で、デメリットは少しも無く、非難するところがないことです。
例文としては、「彼の性格は非の打ちどころがない」などがあります。
抜け目がない
抜け目がないというのは、やることに抜けたところがない、注意深いというような意味です。
ここから転じて、自分の儲けが期待できそうであれば、そのチャンスを見逃さないということを意味します。
例文としては、「万事において抜け目がない」などがあります。
文句のつけようのない
文句のつけようのないは、デメリットや非難すべきことがないという意味です。
不十分なことがない状態であるため、曲がりなりにもの対義語として使えます。
例文としては、「文句のつけようのないサービスに私たちは驚いた」などがあります。
一点の陰りもない
陰りとは、良くない兆候という意味です。
一点も良くない兆候がないということから、完全な状態に物事がなっていることを表現します。
例文としては、「一点の陰りもないほど天気は快晴であった」などがあります。
万全の
曲がりなりにもは、十分でない状態ながらも物事を何とか進めた状態であるため、この逆の意味は準備が十分に整えられた状況であることが考えられます。
万全というのは、ちょっとの落ち度もないことで、非常に完全であることを意味するため、曲がりなりにもの対義語として使えます。
例文としては、「万全の注意を払う」「万全に期する」などがあります。
完全無欠の
完全無欠というのは、非の打ちどころがない、不足や欠点がないという意味です。
例文としては、「完全無欠の人格者」などがあります。
パーフェクトな
パーフェクトというのは、英語で完璧であること、完全であることという意味になります。
非難すべきことがない様子を表現し、曲りなりにもの対義語として使えます。
例文としては、「パーフェクトを常に心がける」「パーフェクトな出来栄えである」などがあります。