マインドコントロールと聞いて、あなたはどのようなイメージを持つでしょうか? 怖いもの、プロしかやれないものというイメージがあるのではないでしょうか。実は、洗脳ほど重くはありませんが、逆に身近なところにも存在するので注意が必要なのです。
そもそも、マインドコントロールとは?
マインドコントロールとは、心を平静に保ったり、集中力を高めたりするために、自らの心理状態を制御・調整することという意味と、他人の心理状態や態度を支配することという二つの意味があります。今回紹介するのは、後者の「他人への心理操作的テクニック」です。
マインドコントロールを行う際は、情報などをコントロールして意識や感情、結論まで操ろうと試みます。マインドコントロールが悪名で有名になりがちなのは、カルト教団がよくつかう手口だからです。
カルト教団では、ある一定の思想・行動を刷り込むことで他の選択肢を取らせなくします。これもマインドコントロールの一種ですが、後述する「洗脳」に近いものがあります。
マインドコントロールというのは私たちの身近にも存在しているものです。仲間意識を醸成するなど一概にすべてのマインドコントロールの要素が悪いというわけでもありません。ただ、これが悪用されるケースが大変多いのです。
マインドコントロールと洗脳には違いがある
マインドコントロールは洗脳に近いイメージがあると思います。それは前述のとおり、マインドコントロールを使ってカルト教団などが心理的洗脳に近いことを行うためです。マインドコントロールと洗脳は、実はまったく違うプロセスで行われます。
洗脳を行う際は、殴る蹴るなどの暴力的な方法を用いて身体的なダメージを与え、言うことを聞かなければこうなるという従うことを強要して恐怖で支配し、相手の意思を捻じ曲げて変えさせようとします。
対してマインドコントロールは、暴力的な手段は一切使いません。情報操作や心理操作によって本人の意思で言動が左右されているように、本人自身が思い込みます。ですから、マインドコントロールが行われていることに周囲だけではなく、本人すらも付きにくいというのが特徴なのです。
マインドコントロールはこう行われる
マインドコントロールは、言葉、口調、視線などのごく自然なしぐさを使って行われます。常に孤立している人間Aがいるとします。Aは別に孤立が嫌なわけではなく、一人でいるのが好きなタイプです。
そんなAに対して、集団に属することの喜びを心理操作や情報操作で植え付けていきます。心理操作では、みんなといるとこんなに楽しいよ、こんなに幸せだよ、などと実感を交えて感情を与えます。
また、『集団行動が楽しい』という結論に対して不都合となる情報がAへ入ることもよしとせず、情報操作でシャットアウトします。そのために、どこかの施設から外に出さない・外部との連絡を遮断するなどの行為を取らせます。
結果としてAは、集団に属しなくては恐怖心が生まれるほどになります。Aは一人が好きな人間だったのにもかかわらずです。
マインドコントロールを使えば恋愛テクニックにも応用できる?!
マインドコントロールを使えば、相手に「自分の意志で」動いているように思わせることができます。これは、恋愛にも活用できるのです。中長期的にマインドコントロールを使った恋愛には、あまりいい結末は待っていないでしょうが、相手へ自分を意識させるとっかかりのひとつとして活用するのはいいかもしれません。
どのようにマインドコントロールを恋愛に活用すると効果的なのかと言えば、突き放した後で優しさを見せるという、いわゆる『飴と鞭』です。これは意外といろいろなところで行われており、例えばビジネスシーンでも行われることがあります。
まず最初に、相手が認められたいと望んでいる部分を褒めましょう。相手は、あなたに対して強い安心感を持つようになります。その甘さに慣れてきたら、反対に厳しい態度をとるようにします。すると、相手はアナタへ何かをしたのかと不安になります。貴女に褒められる甘さ――つまり飴です――を求めて、あなたのことが気になって仕方がなくなるのです。
マインドコントロールは身近に潜んでいるかも
今回紹介したマインドコントロールは一部であり、恐ろしい目的にもつかわれていることももちろんあります。
マインドコントロールというのは、マインドコントロールをされていること自体に本人が気が付いていない場合が多く、マインドコントロールを解いた後に襲ってくる喪失感が怖い人が多いという、依存性が高い心理操作でもあるのです。
マインドコントロールをビジネスシーンで活用することで強い結束を生んだり、恋愛で相手を振り向かせることはできるかもしれません。ですが、その結果を想像しながら活用することが大切ということを忘れずに行ってください。