「いえいえ」の意味と使い方とは?
「いえいえ」は、意味を強めるために「いえ」を重ねたもの、強く相手の言葉を打ち消すときに使う言葉です。
そのため、「いえいえ」の意味は、打ち消しを持つことがわかります。
「いえいえ」は打ち消しの意味がありますが、大きくわけると実際の使い方としては次のようなパターンがあります。
まず、丁寧に否定するシーンです。
相手の言葉に対して、否定を意味する内容を「いえいえ」の後に続けて、「いえいえ、そうではございません」などのように使います。
もう1つは、謙遜するシーンです。
相手の言葉に対して、謙遜を意味する内容を「いえいえ」の後に続けて、「いえいえ、それほどでもありません」などのように使います。
「いえいえ」を使うときに注意すること
ここでは、「いえいえ」を使うときに注意することについてご紹介します。
言葉を「いえいえ」の後に続ける
「いえいえ」は、謙遜や否定のシーンで文章の最初に付く感動詞です。
謙遜か否定のいずれの意味で使っているかは、この後に続く文によってはっきりします。
そのため、伝えたい内容が相手にわかるように「いえいえ」の後には、例えば、「それほどでもありません」「そうではございません」などのように、言葉をプラスしましょう。
基本的に、感動詞のみで会話のときに返事をするのは中途半端であり、イメージがあまり良くありません。
「いえいえ」のみでは謙遜なのか否定なのかが伝わりにくく、相手が混乱するかもしれないため、後に続く文には何を自分が伝えたいか、気配りしましょう。
むやみに繰り返さない
目上の方に「いえいえ」は使っても失礼ではありませんが、むやみに繰り返さないことが大切です。
「いえいえ」を繰り返すと、意味が「はい」を繰り返す「はいはい」と同じようなものになるため、失礼なイメージを相手に与えかねません。
そのため、会話の中で「いえいえ」を何回も繰り返すのは、意味が謙遜でも否定でも、あるいは相手が目上の方でも後輩でも、使わない方がいいでしょう。
「いやいや」と「いえいえ」の違いとは?
ここでは、「いやいや」と「いえいえ」の違いについてご紹介します。
「いやいや」と「いえいえ」を大きく分類すると、「いやいや」は褒められたときに使う遠慮のニュアンスが強く、「いえいえ」は感謝されたときに使う謙遜のニュアンスが強くなります。
謙遜の意味は、態度が控え目であるにも関わらず、意見を素直に受け入れることです。
一方、遠慮の意味は、控え目であるにも関わらず、相手の厚意を断ることです。
また、「いやいや」は否定の気持ちを「いや」を重ねて強調する言葉であるため、ニュアンスとしては相手の厚意を否定するものが含まれます。
そのため、目上の相手から褒められたり感謝されたりするときは、謙遜のニュアンスの強い「いえいえ」を使いましょう。
「いやいや」のときは、相手の評価や感謝を遠慮して断るようになるため失礼になります。
「いえいえ」の類義語とは?
ここでは、「いえいえ」の類義語についてご紹介します。
「どういたしまして」
「どういたしまして」は、「どう」に「いたす」という「する」の謙譲語に「ます」という丁寧語と態度や気持ちを表す「て」をプラスしたものです。
「どういたしまして」は、感謝の意を相手から示されたときに、自分の意思を「気を使う必要はない」と伝える言葉です。
ニュアンスは、自分が何かをしたということではないため、気にしないでくださいということになります。
基本的に、「どういたしまして」は目上の方には使えません。
「気を使わないで」というニュアンスが「どういたしまして」には含まれているため、目上の方に使えばものを高いところからいっているようなイメージを与えることがあります。
また、「どういたしまして」には、相手からの感謝をやんわりとですが否定するニュアンスが含まれています。
これは「自分には大したことではない」と考えられることがあり、失礼になることがあります。
「どういたしまして」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「その節はご丁寧にありがとうございました。」「どういたしまして。」
「とんでもないです」
「とんでもないです」は、「とんでもない」の形容詞が変わった言葉です。
「とんでもない」の意味は、そんなことはない、とても考えられない、もってのほかであるということです。
謙遜の気持ちを表現するときに「とんでもない」は使う言葉であるため、褒められたときや感謝を述べられたときに使います。
形容詞である「とんでもない」は、正しいのは一つの単語として使うことです。
「とんでもない」で一つの言葉になるため、「ない」のみを変えて使うことはできません。
そのため、「とんでもないことです」と「こと」の名詞を「とんでもない」の後にプラスすることによって、形容詞の役目を果たすことができます。
「とんでもないです」を使った例文としては、次のようなもなどがあります。
- 「いつもあなたと仕事が一緒にできて嬉しいです。」「とんでもないです。」
「お気になさらず」
「お気になさらず」は、丁寧に気にしないようにということを相手に伝える表現です。
「お気になさらず」は、主として謝罪されたときに使います。
また、何かしらの気遣い、配慮を相手から受けたときなどにも使います。
気遣いや配慮についての断りは、一歩間違うと失礼なイメージを与えることがあります。
そのため、「お気になさらないでください」ということによって、失礼なく相手に断ることができます。
「お気になさらず」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「ご報告が遅くなって、申し訳ありませんでした。」「いいえ、お気になさらず。」
「滅相もないです」
「滅相もない」の意味は、とんでもない、あるべきことではないことです。
「滅相もない」のニュアンスは、そんなことはないということになるため、相手の言葉を否定するときに使います。
「滅相もないです」は、主として相手から褒められて否定を表現するときに使います。
「滅相もないです」を使うことによって、謙虚に否定できるため、控えめなイメージを相手に与えることができます。
「滅相もないです」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「思い切りがいいね。」「滅相もないです。」