黙示録(モクシロク)の意味と使い方とは?
ここでは、黙示録(モクシロク)の意味と使い方についてご紹介します。
黙示録の意味
キリスト教の黙示録の意味は、神からの啓示録です。
キリスト教の黙示録の黙示の意味は、「人に神が表し示すこと」ということです。
黙示の意味は、啓示と同じものです。
なお、黙示、啓示の一般的な意味は、秘密が明らかにされること、人の力ではわからなかったことを明らかにすることです。
「未来に起きる破滅的な災害」というニュアンスで使われることが多い
黙示録は、「未来に起きる破滅的な災害」というニュアンスで使われることが多くあるようです。
これは、「新約聖書」にあるヨハネの黙示録で語られる、世界の終わりに起きる破滅的な災害から喚起されるものです。
なお、ヨハネの黙示録については、後でご紹介します。
「黙示録」英語表現
黙示録の英語表現は、「Revelation」になります。
キリスト教の黙示の英語表現は、ギリシャ語が語源の「Apocalypse」が使われることが多くあります。
また、「聖書」の黙示録をいうときは、「the Revelation – the Apocalypse」「the Revelation book of the Bible」と併記することもあります。
黙示録は、日本では英語が語源のカタカナ語の「アポカリプス」を使うこともあります。
黙示録の使い方
黙示録を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「黙示録は、キリスト教の一部の聖書である。」
- 「黙示録を読んだが、最終的にどのようなことがいいたかったかがよくわからない。」
- 「終末思想に基づいて制作された黙示録の映画が話題になっている。」
- 「黙示録的な夢を弟が見たようで、不安になっている。」
- 「黙示録の四騎士がキリスト教の象徴として描かれた絵画が有名である。」
- 「黙示録の授業を学校で受けたが、恐ろしい内容で気持ちが悪くなった。」
ヨハネの黙示録とは?
ここでは、ヨハネの黙示録についてご紹介します。
ヨハネの黙示録は、最も新約聖書の最後の書です。
ヨハネという著者が未来の神に見せてもらった光景を描いたといわれるヨハネの黙示録には、飢饉や戦乱、大地震など、禍のありとあらゆるものが書かれています。
悪魔と天使の戦いや最後の審判の様子も書かれています。
ヨハネの黙示録が書かれたのは、紀元96年頃のローマ帝国のドミティアヌス帝の治世末期、または紀元68年頃のネロ帝の治世末期と考えられています。
キリスト教徒を、いずれの皇帝も迫害していました。
ヨハネという著者は、イエスの十二使徒の一人といわれることが多くありますが、はっきりしていません。
ヨハネは、その当時迫害に遭い、エーゲ海にあるパトモス島の孤島に流されていました。
ヨハネは、ある日、神の啓示を受け、未来の出来事を見ます。
これを書き留めて、現在のトルコ西部の小アジアにあるキリスト教信者の7つの団体に手紙を送ったというようになっています。
ヨハネが見たのは、次のような啓示でした。
神が天の玉座にいて、24人の長老と、雄牛、ライオン、人間、鷲(わし)に似ている生き物が周りを取り囲んでいました。
巻物が神の手にはあり、7つの封印で封じられていましたが、7つの目と角を持つ小羊が封印を一つひとつ解いていきます。
封印を小羊が解くたびに、地上を禍が襲います。
第7の封印を小羊が解くと、沈黙で世界が包まれた後、天使が7人現れて、ラッパが一人ひとりに与えられました。
今度は、一人ずつの天使がラッパを吹くたびに、地上を禍が襲います。
最後のラッパを第7の天使が吹くと、最後の審判が行われることが予告されます。
さらに、7つの鉢に入れた神の怒りを7人の天使が地上に注ぎ、終末が世界に訪れます。
救世主のイエスが再臨し、正しい行いをして神を信じた人々は復活し、ともに1000年間地上を統治します。
1000年後に再度悪魔が現れますが、炎が天から降り注いで滅びます。
これが世界の本当の終末です。
最後の審判で、名前が「命の書」にある人は天国に登り、名前が「命の書」にない人は地獄に落とされます。
そして、まもなく救世主イエスの再臨があると最後に伝え、ヨハネの黙示録は終わります。
「黙示録」がテーマの映画や漫画とは?
「黙示録」がテーマの映画や漫画は、間接的、直接的のものを含めて多くあります。
ここでは、「黙示録」がテーマの映画や漫画についてご紹介します。
「第七の封印」の映画
「第七の封印」の映画は、監督がイングマール・ベルイマンで、公開が1957年のスウェーデンのものです。
「第七の封印」のタイトルは、ヨハネの黙示録からとられています。
第8章「第七の封印」の最初の一節、第七の封印を子羊が解いたとき、映画で「およそ半時間ほど、天上は沈黙に包まれた」が引用されています。
14世紀のスウェーデンが舞台で、主人公は意味のない十字軍の遠征から帰る途中の騎士です。
騎士は、大きい鎌を担いだ死神に出会って、チェスの果し合いをするようになります。
チェスに勝つと、死から逃れることができます。
映画の中には、陰鬱な中世末期の終末論的イメージが随所にちりばめられ、恐怖への不安がかきたてられます。
騎士は、最後にチェスに負けて、死の舞踏を踊ります。
人にもたらされた葛藤と不安からは逃れられないということを、黙示録から暗示させて映画は終わります。
「地獄の黙示録」の映画
「地獄の黙示録」の映画は、監督がフランシス・フォード・コッポラで、公開が1979年のアメリカのものです。
「Apocalypse Now (現代の黙示録)」が原題です。
この映画は、「現代の黙示録」として、舞台がベトナム戦争で、地獄のシーンと黙示録的な禍いが繰り広げられます。
黙示録が顕現しているというメッセージが、人の歴史とともに読み取れます。
「太陽の黙示録」の漫画
「太陽の黙示録」の漫画は、作者がかわぐちかいじで、舞台は富士山噴火と大地震によって東西に日本が分断される近未来の日本です。
日本から離れた難民の苦難、分断された国民や政府、未来に起きるカタストロフィーとしての黙示録などが描かれています。