「もとい」の意味と使い方とは?類義語や英語表現などを解説




「もとい」の意味とは?

「もとい」という言葉は、いい間違ったことを訂正するときに使います。

「もとい」の意味合いは、「前にいったことを改める」「正しく間違いを直す」ということであるため、いまいったことは間違いであるので訂正するということになります。

このように、前文・前言を取り消すような役目が「もとい」はあります。

口語でいえば、「じゃない」や「じゃなくて」などと同じようなニュアンスで、スマートに「すみません、間違ったのでいい直します」をいうものです。

上手くいいたいことを表現できないことはよくあるでしょう。

しかし、一度いったことが要因になって相手が誤解したり、亀裂が相手との関係に生じたりするときがあります。

このようなことを防ぐためにも、「いまいったことは忘れて」という意味で「もとい」は使います。

「もとい」の使い方とは?

先にご紹介したように、「もとい」は、いったことの間違いを訂正するときなどに使われますが、上手に次のようなシーンで使い分けられます。

いったことの間違いを訂正したい

ビジネスシーンでは、間違ったことをいうようなことは誰もが防ぎたいでしょう。

しかし、人であれば間違いを誰でもします。

このような不注意によるうっかりした発言のときに、「もとい」を使うことによって、スマートに「先にいったことは間違いです」と伝えられます。

ここでは、ビジネスシーンでの「もとい」の例文についてご紹介します。

  • 「会議を開催する日は明日、もとい明後日です。」
  • 「注文伝票は、2点、もとい3点でいただいています。」
  • 「本日鈴木は不参加です、もとい参加です。」

このように、フォーマルなシーンでいい間違ったときでも、慌てないで上手く相手に訂正が伝えられます。

また、ビジネスシーン以外に、フランクな普段の会話でも「もとい」は次のように使うことができます。

  • 「こんばんは、もとい、おはようございます。」
  • 「生まれたのは6月、もとい7月ですね。」

笑って「違いました」などといえるような関係のときは、「もとい」を使う必要がありませんが、このような関係ではないときには非常に便利な言葉です。

ジョークや皮肉を込める

「もとい」はいったことを単に訂正するときのみでなく、意図していい直すときに使うことによってジョークや皮肉を込めた意味合いにもなります。

ここでは、「もとい」の例文についてご紹介します。

  • 「自分の夫は太い、もといふくよかです。」
  • 「50歳、もとい40歳のお誕生日をお祝いします。」

このように、間違いがわざとでも「もとい」で訂正することで、ジョークや皮肉を込めたクスっと笑える表現になります。

なお、このような使い方はフォーマルなビジネスシーンでは好まれないため、基本的に親しい友達や家族に限って使いましょう。

「もとい」は方言ではないか?

では、いい直すときにどうして「もとい」という言葉を使うのでしょうか?

あまり「もとい」は耳にしない言葉であるため、「もといは方言ではないか?」と考えている方もいるかもしれませんが、「もとい」には漢字がきちんとあります。

「もとい」の漢字は「元い」になります。

「元」の意味は、「ことの起こり」「物事の始まり」です。

「始まり」という意味が「元」という言葉にはあり、「前にいったことを訂正する、撤回する」という意味があります。

では、「い」を「元」の後につけてどうして「元い」になっているのでしょうか?

この理由としてはいろいろなものがありますが、有力なものとしては軍隊の古い「元へ」という用語が「元い」になったというものです。

軍隊の古い用語の「元へ」は、元のところに態勢を直して帰るときの号令です。

いろいろある理由の中から「元へ」という軍隊の古い用語が有力になっているのは、「元に戻す」ということを「元に言葉を戻す」という意味に考えられるというためです。

理由としては筋が通っているため納得できるでしょう。

なお、「もとい」は方言ではないため、共通語として使えます。

「もとい」の類義語とは?

ここでは、「もとい」の類義語についてご紹介します。

「ではなく」

「もとい」の類義語としては、「ではなく」があります。

「ではなく」は、初めにいったことを訂正して他のことをいいたいときに使うもので、意味合いとしては「もとい」と同じになります。

そのため、「AではなくてB」と「AもといB」をいい直しても、同じような内容になります。

「というより」

「もとい」は前にいったことを撤回したり否定したりするときに使いますが、初めにいったことよりももっと適切なものにいい直すときは、「というより」を使います。

単純に前にいったことを撤回したり否定したりするときに使う「もとい」とは違って、「AというよりB」としたときは、Aと比べてBの方がより適切にいいたい内容を表現する必要があります。

「ならぬ」

「もとい」の類義語としては、「ならぬ」があります。

「ならぬ」の意味は「~である」ということですが、「ぬ」という打ち消しの言葉がついているため、「並々ならぬ頑張り」や「神ならぬ身」などというように使います。

「もとい」という言葉は前にいったことを訂正するイメージですが、「ならぬ」のイメージはBを説明するために「AではないB」というように使われます。

そのため、「もとい」と「ならぬ」は、意味合いが少し違っています。

「改め」

「改める」の連用形が「改め」になります。

名詞のいい換えに主として使われ、意味合いとしては「新しくAを替えてB」ということになります。

わかりやすいケースとしては、「〇〇改め□□」というような伝統芸能の落語や歌舞伎の襲名でよく見たり聞いたりするものがあります。

「改め」は、「もとい」と前のものを変えるということで似ていますが、前にいったことを撤回したり否定したりするというような「もとい」の意味合いはありません。

そのため、「改め」が「もとい」の類義語として使えるシーンは、名称が単純に変わったようなときに限定されます。

「もとい」の英語表現とは?

ここでは、「もとい」の英語表現についてご紹介します。

ビジネスシーンでは、「もとい」の英語表現が必要なときもあります。

このようなときのために、メールや会話での「もとい」の英語表現について把握しておきましょう。

「もとい」の英語表現としては、次のようなものがあります。

  • 「or even better」
  • 「as originally」
  • 「or to put it better」
  • 「but」

また、「もとい」の英語表現の例文としては、次のようなものがあります。

「As originally, I will be away for a while on trip from the day after tomorrow.」(もとい、旅行で明後日からしばらく留守です。)




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RUN-WAY編集部

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