「お目汚し(おめよごし)」の意味とは?
「お目汚し」の読み方は、「おめよごし」になります。
「お目汚し」の意味は、目を汚すようなもの、見苦しいものを見せるなどになります。
謙遜して自分が見せるものをいうものです。
例えば、お土産などを渡すときにいう「つまらないものですが…」と同じようなものになるでしょう。
しかし、お土産も、実際に「つまらない」というようなものではないでしょう。
古くからの日本の礼儀として、自分から「これいいものだから」というのが憚られるため、このような表現ができました。
「お目汚し」も、同じように、実際に目を汚すくらい酷いものを見せるということではありません。
ビジネスシーンなどで、時間をさいて目上の方に資料などを見てもらうことについて敬意を表現する意味で使うものです。
「お目汚し」の類義語とは?
ここでは、「お目汚し」の類義語についてご紹介します。
「見てください」
「お目汚し」は、何かを見せるシーンで、自分や見せるものを謙遜していうものです。
そのため、「お目汚し」の類義語としては、丁寧に「見てください」ということになります。
しかし、丁寧に「見てください」というといっても、どのようなものを見てもらうかによって、ちょっとずつその表現が違います。
「ご高覧ください」「ご覧ください」
「ご高覧ください」「ご覧ください」は、「見てください」の尊敬表現で、広い意味で使えます。
「ご高覧」の方が、フォーマルでより丁寧な表現です。
「ご高覧ください」「ご覧ください」は、「見てください」の代わりに何かを見て欲しいときに使います。
「ご高覧ください」「ご覧ください」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「添付したデータをご高覧ください。」
- 「こちらの資料をご覧ください。」
「ご確認ください」
「ご確認ください」は、単に見てもらうのみでなく、内容を注意深く精査してもらうときに使います。
上長や先輩などに自分の作ったデータなどをチェックしてもらうときなどは、「ご確認ください」の表現が適しています。
「ご確認ください」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「お手元にデータがあるか、今一度ご確認ください。」
- 「打ち合わせの資料を作りましたので、ご確認ください。」
「お目通しください」
「お目通しください」の意味は、全体的にさっと見る、最初から最後まで見るということです。
意味としては、おおざっぱに確認するということで使われることが多くあります。
また、目上の方に対するへりくだった表現としても使われます。
例えば、資料を上長に確認してもらうときに、時間をわざわざさいて熟読して欲しいとはいいにくいでしょう。
このようなときは、謙遜の意味を込めて「お時間がかかって恐縮ですが、軽くていいので確認してください。」などというように、「お目通し願えますか」などと表現します。
「お目通しください」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「企画書を作りましたので、一度、お目通しくださると幸いです。」
- 「本日の流れは、まずこちらに目を通していただきご確認ください。」
「ご参照ください」
「ご参照ください」は、丁寧な「参照する」の表現です。
データなどを別のものと照合して欲しいときに使います。
「ご参照ください」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「より細かいデータをお手元の資料に記載しておりますので、そちらもご参照ください。」
- 「こちらの詳細につきましては、資料の2枚目のものもご参照ください。」
「ご査収ください」
「ご査収ください」の表現は、よくメールでも使われます。
意味は、十分に確認して受け取ってくださいということになります。
「ご査収ください」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「企画内容をお送りいたしますので、ご査収くださいますようお願いいたします。」
- 「申込書を添付いたしますので、ご査収ください。」
「お目汚し」への返しとは?
ここでは、「お目汚し」への返しについてご紹介します。
相手の謙遜であるために返事する必要はない
何かを自分が見せてもらうときに、「お目汚し失礼しました」「お目汚し失礼します」と相手からいわれたときは、相手が謙遜していったものであるため、いちいち返事したりする必要はありません。
例えば、「お目汚ししますが、こちらを確認していただけますか?」などといわれたときは、「わかりました」などと返事をするといいでしょう。
感想をいうなどの対応をするのがおすすめです。
返事をするときは「滅相もございません」「いえいえ」などという
基本的に、返事をわざわざする必要はありませんが、あえて返事をするときは、次のような返事などがいいでしょう。
- 「いいえ」
- 「いえいえ」
- 「滅相もございません」
- 「そんなことないです」
「お目汚し」を使うときに注意することとは?
ここでは、「お目汚し」を使うときに注意することについてご紹介します。
「お目汚し」は、多用しないようにしましょう。
「お目汚しですが」は、へりくだった「たいしたものではありませんが」「あまりよくないできですが」という表現であるため、「最初からそんなにたいしたことがないものを見せようとするなよ」と思われることもあります。
また、上長などの目上の方からビジネスシーンでアドバイスをもらったり、手を加えてもらったものを提出したりするようなシーンで「お目汚しですが」を使うと、上長に対して非常に失礼になります。
「お目汚し」の英語表現とは?
「お目汚し」は、直接の英語表現がありません。
英語圏のビジネスシーンでは、謙遜する言動は自分の行為などに対してあまり使いません。
かえって、自信がないように考えられることがあります。
そのため、「お目汚し」を直接英語表現にするのは困難でしょう。
普通に「見てもらえますか」ということを、英語表現にするといいでしょう。
「お目汚しですが」の英語表現としては、「Can you give me a moment?」「Excuse me.」などがいいでしょう。
「Could you please…?」が、最も英語の依頼文で一般的なものになります。
「Could you please…?」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「Excuse me. Could you please take a look at the latest document.」(お目汚しですが、最新の資料を確認してくれますか。)