「プロパガンダ」の意味とは?
組織ぐるみで行われる宣伝が、「プロパガンダ」の意味です。
本来であれば、「プロパガンダ」としては、会社が流しているコマーシャルなども含まれます。
しかし、「プロパガンダ」というと、「危ないもの」「過激なもの」というイメージをなんとなく持つでしょう。
実際に、「プロパガンダ」と普段いわれるものは、宣伝している考え方を植えつけるためのものをいいます。
当然ですが、会社の宣伝を見て「この会社の商品は素晴らしい」と考えることも、考え方が宣伝によって植えつけられたといえるでしょう。
しかし、ここでの「考え方」というのは、政治的な主張や宗教の考えや教えのことをいいます。
「プロパガンダ」の方法とは?
プロパガンダの方法としては、パターンがいくつかあります。
ここでは、「プロパガンダ」の方法についてご紹介します。
恐怖を煽る
例えば、除菌剤のテレビなどのCMで、「除菌しないと菌がたくさん」といいながら多くの菌が動いているシーンを流しているのを目にしたことがあるのではないでしょうか。
このような除菌剤のCMは、見た人が「除菌剤を購入して除菌しなければ、汚くて病気になるのではないか」という恐怖に煽られることが意図されています。
恐怖を煽られた人は、恐怖を取り去ろうとします。
このケースでは、除菌剤を購入しようということになります。
国家が行う「プロパガンダ」に、この方法を当てはめてみましょう。
例えば、2つの国が戦争状態にあるとします。
1つの国の大統領が、もう1つの国の兵士の残虐な行いを例にあげて、「もう1つの国が勝てば恐怖になる」と話したとします。
この話は「もう1つの国は恐怖になる」ことから、人々に「自分たちをもう1つの国の脅威から守るために戦いに協力しよう」という考え方を植えつけることを目的にしています。
このようなプロパガンダは、実際によく第一次、第二次世界大戦などで行われました。
現代は昔に比較して、「プロパガンダ」の力がマスメディアのテレビや新聞などが発達しているために強まっています。
権威を借りる
テレビのワイドショーなどには、「コメンテーター」が必ずといえるくらい出演しています。
「コメンテーター」として多いのは、「大学教授」や「○○評論家」、「○○ジャーナリスト」などでしょう。
「コメンテーター」は、自分の専門分野以外に、番組で扱う内容の全てについてコメントを要求されます。
例えば、「おいしそうですね」などと人気のスイーツ情報に、軍事評論家がコメントしているシーンを目にすることもあるでしょう。
というのは、「コメンテーター」の言葉は信用されやすいためです。
国が行う「プロパガンダ」でも、「コメンテーター」の言葉を根拠にすることがよくあります。
極端な考え方を持っている一部の「コメンテーター」でも、信用性がその人の言葉にはあるためです。
「御用学者」の意味は、「国がいって欲しいことをいう学者」ということの悪口です。
「御用学者」がいうことによって、ねじ曲がって事実が伝わることもあります。
「御用学者」は、広く世の中に認められる内容かには関係なく、国にとって都合のいいことのみをいいます。
「プロパガンダ」の種類とは?
「プロパガンダ」は、事実をベースにした情報で作られた宣伝で、だれが発信しているかがはっきりしています。
例えば、「プロパガンダ」としては、自社の商品のメリットをアピールした宣伝、マイナンバーの大切さをアピールした宣伝などがあります。
ここでは、「プロパガンダ」の種類についてご紹介します。
「ブラックプロパガンダ」
「ブラックプロパガンダ」は、情報の発信元を偽装したり、隠したりして、だれが発信したかはっきりしない宣伝です。
また、偽りが情報自体にもあったり、誇張したりしていることも多くあります。
例えば、多く紛争がある地域で、住民の闘争心を誇張した情報で煽る行いなどがあります。
「グレーププロパガンダ」
「グレーププロパガンダ」は、情報の発信元がはっきりしなくて、事実かがはっきりしないものです。
良くない内容を隠して、わざといい内容だけをピックアップして拡げる行いも含まれます。
「コーポレートプロパガンダ」
「コーポレートプロパガンダ」は、利益を生むために会社が行う宣伝です。
「ホワイトプロパガンダ」もありますが、会社の宣伝だけを区別して「コーポレートプロパガンダ」ということがあります。
「カウンタープロパガンダ」
「カウンタープロパガンダ」は、現在ある「プロパガンダ」に攻撃する内容の宣伝をすることです。
例えば、古い商品の特徴に対して、「さらにこの機能がアップした」と比較して、新しい商品を売るために宣伝することなどがあります。
「プロパガンダ」の類義語とは?
ここでは、「プロパガンダ」の類義語についてご紹介します。
「世論操作」「政治的宣伝」
「プロパガンダ」の意味は「宣伝」ということですが、より具体的な表現としては「世論操作」や「政治的宣伝」があります。
「政治的な意図が含まれている宣伝」というのみでなく、大衆の意識を誘導するような意図が感じられるときは「情報操作」「世論操作」「世論誘導」などに置き換えることもできます。
一方、会社による「コーポレートプロパガンダ」などは、「広報活動」や「宣伝活動」などに言い換えられるでしょう。
「アジテーション」
「アジテーション」は、「プロパガンダ」と同じような意味のカタカナ語です。
「アジテーション」の意味は「攪拌、扇動」などがあり、「ある行動をとるように、人々の気持ちを煽って仕向けること」をいいます。
「世論を動かす」という意味合いでは「プロパガンダ」に近くなりますが、「アジテーション」の特徴は「煽り」の強い意味合いがあることです。
プロパガンダの英語表現とは?
ここでは、プロパガンダの英語表現についてご紹介します。
「propaganda」が、「プロパガンダ」の英語表現になります。
「propaganda」の意味は、組織的に国家などが行う宣伝です。
日本語の「プロパガンダ」と意味はほとんど同じです。
「propaganda」の熟語例としては、次のようなものなどがあります。
- 「propaganda activities」(宣伝活動)
- 「political propaganda」(政治宣伝)
- 「false propaganda」(デマ宣伝)
- 「program propaganda」(番組宣伝)