「しいては」の意味とは? 語源や使い方、例文などを解説




「しいては」の意味とは?

「しいては」の意味は、あえて逆らって、無理を押してということです。

「強いては」が、「しいては」のもともとの漢字表記です。

「強いては」は、読み方が「強いる(しいる)」「強い(つよい)」というものもあり、意味が力や勢いがあること、強めること、押し付けることです。

一方、「しいては」も、ニュアンスが少し無理やりにというような意味合いを強調した言葉です。

そのため、「しいては」は、強引に反対を押し切って物事を行ったり、何かをむやみに行ったりすることなどをいいます。

「しいては」の語源とは?

国語の辞書に「しいては」は載っていませんが、「ひいては」は載っています。

「ひいては」と「強いる」が混同されるのは、両方の音が同じようなものであるためです。

そして、意味の無い「しいては」という言葉がこの混同から生まれました。

「しいては」の使い方とは?

「しいては」という音の日本語はありません。

「強いてはいけない」のように、「しいては」という音が別の言葉との繋がりの中で使われることはありますが、「しいては」と独立した言葉として読むものはありません。

また、別の言葉についても同じような混同が起きています。

例えば、物事を急いで処理するとかえってミスするという意味の慣用句の「急いては事を仕損じる」というものについても、「強いる」と「急いては」の混同が起きています。

「急いては」の読み方は、「せいては」が正しいものですが、「しいては」と読む人がいます。

「急ぐ」は、少し古風に「急く(せく)」といいます。

「せかされる」は、よく日常会話で使われますが、「せく」が変化したものです。

「しいては」を使った例文とは?

ここでは、「しいては」を使った例文についてご紹介します。

「最近は、多くの人が「急いては」や「ひいては」を「しいては」と言い間違えている。」

  • 「お酒が得意でない人に無理に強いてはいけない。」
  • 「上長は宴会でお酒を部下に強いては、毎回断られていた。」
  • 「しいて嫌がる人を誘うのは躊躇される。」

「ひいては」と「しいては」の違いとは?

ここでは、「ひいては」と「しいては」の違いについてご紹介します。

意味が「ひいては」と「しいては」は違う

「ひいては」は「しいては」と同じような表現ですが、意味が「ひいては」と「しいては」は違います。

「ひいては」の漢字表記は「延いては」です。

「延いては」の意味は、従って、最終的にはであり、文章のまとめの箇所で文頭に「結果的にはこうなります」というような意図で置かれます。

例えば、使い方としては、「ひいては、負けの結果になりました」などがあります。

「ひいては」と「しいては」を意味が同じということで、間違って使わないように注意しましょう。

「ひいては」の江戸言葉が「しいては」

地方の人や江戸に住んでいる人が「さしすせそ」と「はひふへほ」を発音するときがあったため、「しいては」と「ひいては」をいうときもあります。

つまり、住んでいるところによっては「しいては」と「ひいては」を発音するため、このときに限って「ひいては」と「しいては」は意味が同じと解釈できます。

「しいては」の類義語とは?

「有無を言わさず」や「否が応でも」が、「しいては(強いては)」の類義語としてあります。

これ以外に、しいては(強いては)」の類義語としては、「好むと好まざるに関わらず」や「承知か否かに関わらず」などもあります。

「しいては」の類義語を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「有無を言わさず仕事をさせるべきではない。」
  • 「否が応でも仕事をさせるべきではない。」
  • 「好むと好まざるにかかわらず仕事をさせるべきではない。」

いずれの類義語も何かを無理やりに行わせる、させるという意味があります。

「しいては」の対義語とは?

無理やりさせないこと、押し付けないことを意味する「自由に」「選択可能な」が、「しいては(強いては)」の対義語としてあります。

これ以外に、「しいては(強いては)」の対義語としては、決定や選択に束縛や制限が無いという意味の「存分に」「心置きなく」などもあるでしょう。

「しいては」の対義語を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「自由に遊んでください。」
  • 「存分に遊んでください。」
  • 「心置きなく遊んでください。」

このいずれの例文も、他の人から強いられることなく、制限されないで、何かを自分で選んでするような状況を表現しています。

「ひいては」の英語表現とは?

「as a result」「causes」「furthermore」「not only ~」「but also ~」が、「ひいては」の英語表現になります。

「as a result」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「I works very hard, as a result, I get sick.」(非常に厳しい仕事で、ひいては体調が悪くなった。)

あることが要因になって、結果になる事象が発生したときに使う表現です。

「causes」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「Working too hard causes sickness.」(働き過ぎは、ひいては体調が悪くなる要因になる。)

「furthermore」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「The fruits are expensive, furthermore the vegetables are also.」(果物が高い、ひいては野菜も高い。)

あることが別のことにも引き続いて発生する意味を表現します。

それのみではなく、とプラスするような意味でもよく使われます。

「not only ~」「but also ~」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「Not only Africa, but also East Asia will be influenced by China.」(アフリカ、ひいては東アジアまで、中国の影響を受けるだろう。)

定型表現の~ばかりでなく~までですが、「ひいては」と影響が波及するシーンでは訳せるでしょう。

挙げられている事象の順序性などは、日本語の「ひいては」よりは問われません。




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RUN-WAY編集部

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