「真善美」の意味とは? 語源や使い方、類義語などを解説




「真善美」の意味とは?

ここでは、「真善美」の意味についてご紹介します。

最高の理想的な状態

「真善美」の意味は、人として目指すべき最高の理想的な状態ということです。

具体的には、最高レベルに知性・感性・意思を引き上げた状態を表現し、最高の目標とすべき状態というような意味合いがあります。

普遍的ないつの時代も変わらない価値観であり、考え方のベースは人として生まれた上で知性・感性・意思のレベルを引き上げることが目指すべき方向であるということになっています。

普遍的な人として目指すべき価値

「知性から真を得て、意思から善を得る」という発想が、「真善美」の考え方が誕生する前にはありました。

つまり、信念のベースは、真実を判断する力を学問を志して獲得し、自分を意志の力で律することによって自分を正しい行動に導くことがよりいい人としてのあるべき姿であるということになっています。

「真善美」という言葉は、感性から生じる「美」がこれにプラスされ、社会的・自然的・倫理的に超越した存在というような意味合いで生まれました。

この領域に何をもって到達したかを判断するのは困難ですが、「真善美」という考え方は毎日の行動の指針として素晴らしいものになります。

「真善美」の語源とは?

ここでは、「真善美」の語源についてご紹介します。

プラトンのイデア論

3つの「真・善・美」の概念が普遍的な価値を示す概念あるいは人の普遍的な理想のあり方として使われるようになったのは、プラトンのイデア論であるといわれています。

古代のギリシャの哲学者であるプラトンは、多くの著書をソクラテスの弟子として著し、西洋哲学の源流にその思想はなりました。

イデア論は、プラトンの思想の中心にあるものです。

イデアの意味は「かたち・形相」ということですが、永遠の真理は精神が捉える非物質のイデアであるとするものです。

イデアの種類としては、「美のイデア」「善のイデア」などがあります。

美と善は融合して道徳的完成に高まり、概念の「美にして善なるもの」が誕生しました。

概念の「美にして善なるもの」は、並置して「真善美」の三者が語られる哲学の概念に継承されてゆきました。

カントの哲学

「真・善・美」という3つの概念が近世の哲学体系に区分されたのは、ドイツのカントという哲学者の影響によるものとされています。

カントの『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』の三批判書は、「真・善・美」にそれぞれ対応しており、近世以後に学問や哲学の体系の区分として定着するようになりました。

「真善美」の使い方とは?

ここでは、「真善美」の使い方についてご紹介します。

「真善美」は人が生きる上での極限の理想を表現する

「真善美」は、人が生きる上での極限の理想を表現するシンボル的な言葉として使われます。

また、人として最高の状態は、偽りのないことの意味の「真」、正しいことの意味の「善」、調和していることの意味の「美」の価値のそれぞれが等しく調和する状態であるという意味が含まれています。

「真善美」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「真善美の調和がわが校の教育の理念である。」
  • 「彼は生涯において、真善美を極限の理想として追い求めた。」

「真善美」は高い美意識を表現する言葉として使う

「真善美」は哲学的な人としての最高の状態という意味があり、人物像の理想的なあり方、ビジネスにおける美意識の哲学としても引用されるときがあります。

「真善美」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「真善美の美意識が、優れたビジネスパーソンには備わっている。」
  • 「正しい手法をビジネスにおいて決断し、真善美の力を備えることが実行するためには大切だ。」
  • 「真善美の調和が、リーダーシップには大切な哲学である。」

「真善美」が時代を超えても人々に普遍的な価値観として大切にされている理由

ここでは、「真善美」が時代を超えても人々に普遍的な価値観として大切にされている理由についてご紹介します。

指針が人生にあるといい

「指針や心の拠り所となる考え方を持つこと」が、幸せな充実した人生を送るコツとして挙げられるでしょう。

どのように人生を生きていくといいか迷うことが、誰しもあるでしょう。

特に、先進国で衣食住に困りにくいときはなおさらです。

生きていくことが最低限できる世の中においては、人は「どのように人生を生きるか」で悩みます。

迷いを人生における指針や心の拠り所と考え方を持つことで少なくし、正しい道を自分は歩んで理想に近づいているという充実感が得られます。

指針は周りと自分にとって良いものがいい

自分が人生の指針に沿っていくと幸せになり、周りもさらに幸せにすることができ、自分の幸せがさらに周りが幸せになることによって持続できるものになることが大切でしょう。

このような条件を「真善美」は満たしているでしょう。

人生の指針や心の拠り所になる考え方として「真善美」を生きていくことによって、自分が充実した幸せな人生を送れるのみでなく周りを幸せにできる人に近づきます。

周りも自分も幸せになれることを、最も希望するでしょう。

「真善美」の類義語とは?

ここでは、「真善美」の類義語についてご紹介します。

「聖人」

「聖人」というのは、慈悲深く知恵が広大な人や徳が非常に高い人のことです。

使い方としてはパターンが2つあり、宗教のキリスト教や仏教というようなものにおいてカリスマのような存在になった人をいうパターンと、非常に学識が高い人のことをいうパターンがあります。

いずれにしても 、「聖人」は人々から尊敬される人であり、このような意味では忠実に「真善美」の考え方を実行している人であるといえます。

「ロールモデル」

「ロールモデル」というのは、手本になるモデルのことです。

物事を何か達成しようとするときは、具体的なゴールがまず必要になります。

このゴールを達成するためにはアプローチをどのような道筋で行うといいかについて、「ロールモデル」という言葉で手本になる人物を表現します。

具体的な考え方や行動の規範になる人で、誰も今まで成し遂げられなかったことをやり遂げた人に使うことが多くあります。

このような先駆け的な人は、後発の「ロールモデル」として手本にされる人になります。




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RUN-WAY編集部

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