「多角的(たかくてき)」の意味とは?
「多角的(たかくてき)」の意味は、多方面にわたっている様、多方面に派生する様です。
「多角的」は、いろいろな方面にわたっている様子で、一つの事柄と単純に関係している様子などでないときに使います。
また、意味としては、いろいろな角度から一つの物事を分析する・見渡す様ということもあります。
そのため、観察や分析という意味の言葉と一緒に使われるときが多くあります。
「多角的」の類義語とは?
「多角的」の類義語としては、いろいろなものがあります。
ここでは、「多角的」の類義語についてご紹介します。
「多元的」
「多元的」というのは、いくつもものごとを形作る根元や要素があることです。
「一元的」が対義語で、意味は全ての現象や事柄の根元、本質が一つであるように見えることです。
「多元的」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「多元的な価値観を持つ社会づくりのためには、就労する環境を整えることが大切である。」
- 「商品の開発においては、開発者のみでなく商品を使う人の立場にも立った多元的な検討によって、未然にトラブルが防止できる。」
「多種多様(たしゅたよう)」
「多種多様」というのは、いろいろな多くの種類があることです。
種類と数が多くあることを表現する言葉で、意味としては「種々雑多」に近いものがあります。
使い方としては、「多種多様な」や「多種多様にわたる」が多くあるでしょう。
「多種多様」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「多種多様な商品がマーケットに溢れている現状では、いかに当社の商品を知ってもらうかが課題である。」
- 「現在の自分は、多種多様にわたる体験が形作ったと思っています。」
「種々雑多(しゅじゅざった)」
「種々雑多」というのは、いろいろな種類のものが混じっている様子です。
種類が多くあるという意味の「種々」といろいろなものが混じっているという意味の「雑多」が組み合わさった四字熟語です。
「多角的」の意味としては、複数の視点に立つということがありますが、混じっているということはありません。
「種々雑多」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「このスーパーは生鮮食品から日用品まで、種々雑多な品物を販売している。」
- 「種々雑多な人々が集合すると価値観が混じるため、新しいアイデアが誕生しやすい。」
「様々」
「様々」というのは、一つひとつ異なるものが集まっている様をいいます。
例えば、定食屋であれば「様々なメニューがある」、焼き鳥店であれば「様々なメニューがある」などがあります。
「様々」は、集まっているものの種類のみでなく、それぞれ異なるものであることを強調するときに使います。
「様々」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「運動は、筋力をアップしたり、基礎代謝をアップしたりする様々な効果が期待できる。」
- 「人によって考え方は様々であるため、それほど気にしすぎる必要はないだろう。」
「多彩」
「多彩」というのは、変化に富んだものごとが多くある様子をいいます。
いろどりやかざりをつけるという意味の「彩」が含まれており、「多角的」とは違って、いろいろな色がある、美しい様という意味合いがあります。
「多彩」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「多彩さが評価されて、この絵画はコンクールで入賞した。」
- 「多彩な顔ぶれの出席者がパーティーには集まっており、雰囲気が華やかであった。」
「多角的」の対義語とは?
ここでは、「多角的」の対義語についてご紹介します。
「多角的」の対義語としては、一つの考えにとらわれている様や一つの方向からだけ観察する様を意味する言葉になります。
例えば、「近視眼的(きんしがんてき)」や「狭量(きょうりょう)」が「多角的」の対義語になります。
「近視眼的」は、目先のことだけ、またはものの見方が視野の狭いものしかできない様です。
「狭量」は、心の狭い様、度量の小さい様で、他の考えを受け入れられなくて一つの考えにとらわれている様です。
「多角的」と「多面的」の意味の違いとは?
日常では、「多角的な見方をする」という言葉は割合よく耳にするでしょう。
一方、「多面的な見方」という表現もよく耳にします。
では、「多角的」と「多面的」はどのような違いがあるのでしょうか?
ここでは、「多角的」と「多面的」の意味の違いについてご紹介します。
「多角的」
「多角的」の意味は、いくつかの方面にわたる様ということです。
ものごとがいろいろな方面にわたっている様で、1つのことのみに関わるのではない様をいいます。
「多角的」の使い方としては、次のようなものなどがあります。
- 「要因については多角的な検証が必要である。」
- 「多角的な経営を目指す。」
「多角的」の「多角」の意味は角が多いということもありますが、いろいろな方面にわたること、いろいろな角度ということもあります。
使い方は「多面的」と同じようなmのですが、意味合いは違っています。
ものごとのいろいろな側面についての言葉が「多面的」ですが、立場(視点)に関係する言葉が「多角的」です。
具体的な「多角的」な見方の例としては、明治維新について武士や商人、農民などのいろいろな人の立場から見るものがあります。
「多面的」
「多面的」の意味は、多くの部門や方面にわたっている様ということです。
いろいろな方面に、ものの見方や在り方がわたっている様です。
「多面的」の使い方としては、次のようなものなどがあります。
- 「この事案については多面的に検討を行うべきだ。」
- 「多面的に事態を捉え直す。」
先にご紹介したように、「多面的」は「多角的」とはニュアンスが微妙に違っています。
「多角的」は立場(視点)に関する言葉ですが、「多面的」はものごとの側面を問題にします。
具体的な「多面的」な見方の例としては、明治維新についてポジティブな日本を近代化へと導いたという側面と、ネガティブな日本を軍国主義へと導いたという側面を同時に見ることです。
このようなことに注意すると、「多角的」と「多面的」をより使いわけやすくなるでしょう。