「役不足」の意味と使い方とは?ビジネスシーンでの使い方などを解説




「役不足」の意味とは?

「役不足」の意味はよく間違われますが、もともとの意味は「与えられた役目や役がその人のスキルに対して軽すぎること」あるいは「与えられた役目や振り当てられた役に不満を持つこと」です。

ほとんどの人は、「自分には大役過ぎる」「与えられた役目を果たすスキルが無い」というような意味に間違って使っていますが、これは「力不足」になります。

相手に「役不足」を使うときは褒める表現になります。

「役不足」の由来とは?

もともと「役不足」は、演劇の歌舞伎などから誕生した言葉です。

役者の役が実力や人気に比較的して軽過ぎるときに、「役不足」といいます。

ここから派生して、自分の実力に相応しくない軽い役割や仕事のことを表現する言葉になりました。

「役割が重過ぎる」という意味は間違っている

「役不足」の意味を、最近は「役割が重過ぎる」と間違った使い方が拡大しつつあります。

しかし、この使い方は正しい「役不足」の意味とは全く逆になり、意思が正しく疎通できないという大きな問題が生じます。

先にご紹介したように、「役不足」の意味は人に与えられた役割が軽すぎることになります。

「役不足」が他の人と話をするときに使われたときは、慎重にどちらの意味で使われたかを見極める必要があります。

「役不足」の使い方とは?

ここでは、「役不足」の使い方についてご紹介します。

ビジネスシーンでの「役不足」の使い方

ビジネスシーンでの「役不足」の使い方としては、次のようなものがあります。

「彼が課長職についているのは、まだ役不足でしょう。」

この例文では、今までに人事考課に大きな成果があった社員の職位に関して検討している様子です。

今までの実績を考えたときに、彼の実力であればさらに上職位につけるのではないかという検討がされています。

スポーツシーンでの「役不足」の使い方

次に、スポーツシーンでの「役不足」の使い方としては、次のようなものがあります。

「高校のラグビー部とラグビーの日本代表が試合をするのは役不足である。」

ラグビーの日本代表は、最も日本のラグビー選手の中で力がある選手が集められたチームです。

このようなチームが、高校のラグビー部を相手に試合をするのは、日本代表の方が明らかに力が上であるため試合をする相手として適当でないことを表現しています。

間違った「役不足」の使い方

間違った「役不足」の使い方としては、次のようなものがあります。

「大学入試問題の英語は小学生には役不足である。」

「役不足」の意味は「仕事のレベルが人の実力よりも高いこと」ということでしたが、この使い方では大学入試問題の英語を語彙力や英文法が不足している小学生に解答させようとしています。

小学生の方が明らかに実力が下であるため、「役不足」の使い方としては適切でなく、「手に余る」や「力不足」を使うのが適切です。

「役不足」のビジネスシーンでの使い方とは?

「役不足」という言葉は、正しい意味を把握しているかどうかによって、全く受け止め方が逆になるというリスクがあります。

例えば、「役割が重過ぎる」というときに、安易に「どのように考えても役不足である」などといえば、正しい意味がわかっている人にとっては「役割が軽すぎる」というように意味が全く逆に伝わることがあります。

謙遜して「役割が自分には重過ぎる」ということをいいたいときは、誤解や誤用を防ぐためにも「自分は役不足です」といわないで、「過分なご評価と存じます」あるいは「身にあまる光栄です。ご期待に添えるといいのですが。」などという方がいいでしょう。

「役不足」という言葉にビジネスシーンで出会ったときは、意味がどちらになっているかを慎重に見極める必要があります。

簡単に判断して、自信過剰と謙遜を間違えるようなミスをしないためにも、ビジネスシーンで使うときは十分に注意する必要があります。

「役者不足」と「役不足」の違いとは?

「役不足」の間違った使い方が多くなるにつれて、「役者不足」という言葉も「役割に自分の能力が追いつかない」という意味でよく使われるようになりました。

というのは、たぶん「役者が上」などの言葉と「役不足」を混同して、自然に拡がったものと考えられます。

現在、正しい日本語として「役者不足」は認められていません。

ビジネスマナーや普通の常識では、「役者不足」は間違った「役不足」の使い方から誕生したイレギュラーな造語であることをしっかりと把握して、使うのは止めるようにしましょう。

「役不足」の類義語とは?

ここでは、「役不足」の類義語についてご紹介します。

「役不足」といえば、逆の意味の「役割が重過ぎる」というように捉えられるかもしれません。

このようなときは、「朝飯前」を「役不足」の代わりに使うと、誤解されることを防ぐことができます。

「朝飯前」の意味は、「非常に簡単なこと」「極めて簡単なこと」になります。

「朝飯前」という言葉は、小説や普段の会話などにもよく使うため、誰に対しても使えます。

「朝飯前」の例文としては、次のようなものがあります。

  • 「私にとっては、次の試合に勝つことは朝飯前である。」

「役不足」の対義語とは?

「役不足」の対義語としては、「荷が重い」「力不足」があります。

いずれの言葉も、自分の力を謙遜するときや、自分に与えられた役目が重過ぎるときに使います。

「荷が重い」

「荷が重い」の意味は、「責任や負担が力量に比較して大き過ぎること」です。

「荷」の意味としては、「荷物」ということ以外に「負担や責任」ということがあります。

そのため、「荷が重い」というのは、負担や責任が重過ぎるときに使われます。

「荷が重い」の例文としては、次のようなものがあります。

  • 「彼には、新しいプロジェクトリーダーは荷が重いだろう。」

「力不足」

「力不足」の意味は、「実力・能力が役目を果たすためには不足していること」です。

「力不足」というのは、「力が足りないこと」という意味です。

多くの人が「力不足」と「役不足」を混同しているので、注意しましょう。

「力不足」の例文としては、次のようなものがあります。

  • 「試験に受からなかったのは、自分の力不足です。」

「役不足」の英語表現とは?

「be worthy of a better role」が、「役不足」の英語表現です。

「役不足」の英語の例文としては、次のようなものがあります。

「He is worthy of a better role about this project.」(このプロジェクトは彼には約不足である。)

この例文の意味は、「このプロジェクトに対して彼の能力は非常に高く、彼にこのプロジェクトを任せるのは容易過ぎるため適切でない」ということです。




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RUN-WAY編集部

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