シーン別「前略」の意味と使い方!知らずに間違えて使うと社会人失格?!




社会人にとって、正しい文書ルールは必須の知識と言えるでしょう。今回は、文書マナーの中でも特に手紙におけるマナー、「前略」の使い方を紹介します。間違えて使ってしまうと失礼なばかりか、あなたのビジネススキルを疑われてしまうかもしれません。マナーを守れるよう、しっかり勉強しておきましょう。

【基礎知識編】「前略」の読み方と意味

前略は、手紙の頭に記載する「頭語」の一つです。読み方は<ぜんりゃく>と読み、その意味は「手紙の前文を略すこと」です。手紙の全文を略すとは、どういった意味なのでしょうか。

本来手紙を出す際のマナーとして、頭語、時候の挨拶、安否の挨拶である「前文」、用件、御礼、謝罪などを書く「主文」、結びの挨拶である「末文」、日付、宛名、差出名などの「後付」の4つで構成するというものがあります。

つまり原則として、手紙には時候の挨拶を書かなくてはなりません。ですが、「前略」を使うことで時候の挨拶を省略できるのです。逆に言えば、「前略」と記さない手紙の場合は、必ず時候の挨拶など前文を書かねばならないということです。

そのため、マナーやルールを必要されるビジネス文書においてはあまり使われません。ビジネス文書以外でも、目上の人に送る手紙には、前略ではない頭語を使って前文を入れるようにしましょう。

【実用編】「前略」の正しい使い方

ここからは、実際に前略を使うときのルールについて見ていきます。手紙のルールに加えて、メールのルールも押さえていきます。前略をビジネスシーンで使ってよいのかも併せて解説していきます。

「頭語」と「結語」の手紙上で記す位置

頭語と結語は、手紙として送付する際の位置に決まりがあります。「頭語」は挨拶文を始める前に記すのがルールです。さらに、挨拶文との間には改行してから1マス空けるようにします。

「結語」は、挨拶文が終わってから記載します。頭語と同様に、「結語」の前に改行し、結語文の前に1マス空けるのがルールです。

「前略」の結語は「草々」がテンプレート

実は、「頭語」と「結語」の組み合わせに決まりはありません。ただ、前略の意味を受ける結語というのがあるのです。それが、「草々」です。「そうそう」と読み、あわただしくて申し訳ないという意味を伝えています。

「前略」で前文を省略してしまったことに対するおわびの結語というわけです。

ビジネスシーンで「前略」は使用できる?

前述のとおり、基本的にビジネスシーンで「前略」を使うのはマナー違反となります。基本的には「拝啓」を使います。では、ビジネスシーンで「前略」は使われないのでしょうか。

実は、ビジネスシーンでも使えるシチュエーションがあります。それは、2度目以降に手紙を送る場合と、相手に早急に伝えたい用件がある時、お詫びをする時です。

二度目の手紙は、相手への深い挨拶をしなくてもよい風潮があります。ただ、時候の挨拶などは入れておくのがよいので、「前略」を使って手紙を送る際に丁寧な言葉や謙った表現を使わなくてよいということではありません。

さらに、相手へ早く伝えねばならないことがある場合も、「前略」を用いることがあります。用件を至急伝えねばならないので、相手がそこにいたるまでの文を読む手間を省くためです。

自分に過失がある場合も、時候の挨拶や相手の体調を気遣うよりも先に深いお詫びをしなくてはなりません。

「前略」だけではなく、「前略失礼いたします」と記載します。あくまでも丁寧な心づかいを忘れないようにしましょう。

メールでもビジネスシーンなら「前略」は使うことはない

意外と間違えてしまいやすいのが、メールでの頭語と結語です。基本的に、ビジネスのメールでは頭語と結語を用いることはありません。

メールでの用件の伝達は、基本的に用件を分かりやすく伝えることが望まれています。そのため、分かりやすい文章かつ敬意を払えるよう、「お世話になっております」や「お疲れさまです」、「よろしくお願い申し上げます」などを用いることがほとんどです。

まとめ

意外と使い方が難しい「前略」について解説してきましたが、いかがでしょうか。前略という言葉は便利ではありますが、仕事の場ではあまり好まれません。自分がこれから伝えたい内容に応じて使い分けられるよう、知識を深めておきましょう。




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RUN-WAY編集部

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