「キャリアダウン転職」とは?注目を集めているそのメリットと注意点について【ライター/粕谷麻衣】




近年、「キャリアダウン転職」が注目を集めているのをご存じでしょうか。一般的に、転職の目的と言えばキャリアアップを視野に入れていることが多いですが、まったく逆のキャリアダウンを目指して転職をする方も増えています。

そこで、今回はキャリアダウン転職について解説します。現代で、注目を集めているメリットや注意点などについて幅広く触れていくので、ぜひ参考にしてみてください。

キャリアダウン転職とは

キャリアダウン転職とは、文字通り転職を機にキャリアダウンすることを指します。前職よりも地位が下がったり、年収やステータスが低下したりすることが多いのが特徴です。

転職と言えば「もっと年収を高めたい」「成長してキャリアアップしたい」といった、意欲的で前向きな目的を持つ方も多いですが、真逆の目的で転職をする方も増えています。

キャリアダウン転職のメリット

キャリアダウン転職をすると、前職よりも収入や立場、ステータスが下がるため一見すると魅力的なキャリアには見えません。しかし、それでもキャリアダウン転職が注目されるのには、大きなメリットがあるからです。

具体的に、どのようなメリットがあるのか、以下から見ていきましょう。

プライベートを充実させやすくなる

キャリアダウン転職のメリットの一つが、プライベートを充実させやすくなる点です。すでに現職でそれなりの経験を積んでいて、さまざまな仕事を任されている場合、仕事に忙殺されているケースが少なくありません。

実際、新人の頃と比べて、業務量も勤務時間も長くなっているといった声は非常に多いです。また、勤続年数が長くなってくると、後輩や部下なども増え、さらなる対応に追われることとなります。

しかし、キャリアダウンをして地位やステータスを下げることで、仕事の負担を軽減しやすくなるでしょう。結果的に、プライベートに割ける時間も増えるため、ワークライフバランスも整えやすくなります。

仕事のプレッシャーから解放される

役職があったり、立場が高くなったりした方にとって、メリットに感じやすいのが、仕事のプレッシャーから解放される点です。課長や部長など、役職がついたり、立場が高くなったりするとさまざまな責任が増えます。自身のことだけではなく、チーム全体の責任を背負う役割を担うこととなるため、毎日が緊張やストレスとの戦いになっている方も多いものです。

プレッシャーや緊張に弱い方にとって、キャリアアップはさらなるストレスとなるため、望まない方も少なくありません。社内でキャリアダウンできないようであれば、転職を機にキャリアダウンを目指す方もいます。

毎日、仕事のプレッシャーに押しつぶされそうな方であれば、キャリアダウン転職はメリットの大きい選択肢と言えるでしょう。

本業に+αで別の活動ができる

キャリアダウン転職のメリットが、本業とは別の活動をしやすくなることです。キャリアダウンをして、無理のない働き方が実現できるようになれば、本業とは異なる活動に時間を割きやすくなります。

たとえば、副業をしたり、ボランティア活動をしたりする時間を作りやすくなるでしょう。本業のためにさまざまな経験を重ねたい方や、リフレッシュやストレス発散、社会貢献のためなど、さまざまな理由で本業とは異なる活動を始めたいと考える方は多いです。

キャリアアップして、日々忙しくしているとせっかくの休日は休息で終わってしまうことも多いですし、仕事が終わる時間も遅いので、急いで帰宅して食事を済ませて寝るだけ……といった事態に陥っている方もいるでしょう。

会社と家の往復の生活に不満を感じている方にとっても、キャリアダウン転職は理想的な選択肢の一つと言えます。

キャリアダウン転職のデメリット

キャリアダウン転職を検討するにあたって、知っておきたいのがデメリットです。想定外の事態に慌てないためにも、どのようなデメリットがあるのかを把握したうえで、キャリアダウン転職を検討しましょう。

収入が下がることが多い

キャリアダウン転職のデメリットとして、まず挙げられるのが、収入が下がりやすい点です。やはり、任される業務の範囲や責任の重さなども、前職と比べると軽くなる傾向にあります。その分、収入も下がりやすくなるため、お金のやりくりがこれまでとは変わることを頭に入れておく必要があります。

前職や現職である程度の収入を得ている場合は、「どれくらいまでであれば収入が下がっても不満に感じないか」の線引きを明確にすることがおすすめです。

年下の上司ができる場合がある

キャリアダウン転職をすると、年下の上司ができる可能性があります。キャリアダウンすることで、立場やステータスを下げると、逆に上昇志向の意識を持つ若手が上司になることがあるのです。

気にならない方であれば問題はありませんが、年下の上司とのコミュニケーションで気を使ってしまったり、逆に不満を感じたりする場合にはデメリットになりがちです。

キャリアダウン転職の注意点

キャリアダウン転職を検討する際、成功させるためにも以下の点に注意することをおすすめします。

面接では「キャリアダウン転職志望」であることを伝える必要はなし

キャリアダウンを目的とした転職活動での面接では、必ずしも具体的な目的を正直に伝える必要はありません。「キャリアダウン転職をしたいです」「キャリアダウンを視野に入れています」と面接で伝えてしまうと、成長意欲が低いと判断されてしまったり、仕事へのやる気に疑問を抱かれてしまったりするリスクがあり、転職成功への妨げとなることがあります。

転職の理由を聞かれた際には、「前職が多忙であったため」「業務に忙殺されていたため」など、表現を工夫して伝えると面接での印象を下げにくくなるでしょう。

生活レベルはあらかじめ下げておく

キャリアダウン転職によって、収入が下がることが予想される場合には、生活レベルはなるべく下げておきましょう。たとえば、毎日仕事帰りにカフェに立ち寄っていた方は、安価なお店にシフトするか、そもそもカフェに寄らずにまっすぐに帰るなど支出を減らす努力をしておきましょう。

これまで同様の生活水準のまま年収だけが下がってしまうと、あっという間に赤字家計になってしまうため注意が必要です。

まとめ

本ページでは、キャリアダウン転職について解説しました。仕事のプレッシャーや責任の大きさ、業務量、勤務時間など、さまざまな問題から、キャリアアップではなくキャリアダウンを目指す方が増えています。

ぜひ、現在の仕事にストレスを感じている方は、ぜひ新しい転職のカタチとして、キャリアダウン転職を視野に入れて計画してみてはいかがでしょうか。

粕谷麻衣

ライター・キャリアコンサルタント。「子育てと仕事を両立したい」「自分らしく働きたい」「自分の好きなことを仕事にしたい」など、今どきの働き方にフォーカスした情報を発信。取材やインタビューを通して、リアルな声を追求していくことが好き。
自身は一児の子どもを持つシングルマザー。ワーキングマザーとしての人生を楽しく謳歌中。




RUN-WAY編集部

RUN-WAYは、「自分らしくHappyに働きたい」と願う、全ての女性をサポートするためのメディアです。
  働く女性の困ったを解決し、理想のキャリアに一歩近づくための情報をお届けします。