「良い条件を求めて転職したのに給料が低くなった」
「前職よりも給料が低くて転職を後悔している」
など、転職したことで給料が下がり、仕事を変えなければ良かったと悩む女性は少なくありません。現代は、あらゆる業界・業種で人手不足が起きている時代であり、転職先も豊富。かつてとは異なり、定年まで長く勤めあげる風潮は徐々に少なくなってきています。
しかし、そのような時代だからといって、気軽に転職してしまうと、前職よりも給料が下がるといった思いがけない落とし穴にはまってしまうこともあるので注意が必要です。
そこで、今回は転職して給料が下がった、と後悔しないためにも知っておくべき転職活動のポイントを解説します。
「転職したら給料が下がった」を避けるための転職活動のポイント
「転職したら給料が下がった」といった事態を避けるためにはどうしたらいいのでしょうか。
さっそく、仕事を変えたいと検討している方へ向けて、転職活動のポイントを解説していきます。
業界や業種の給料水準をしっかりと確認する
転職後に給料が下がったことで悩まないためにも、まずは業界や業種の給料水準をしっかりと確認しましょう。
給料は、必ずしも経験やスキルに基づいて算出されるとは限りません。業界や業種の相場が存在するため、転職先を選ぶ際にはそういった給料水準をきちんと確認しておく必要があります。
ある程度の水準を把握しておけば、転職希望先の担当者に給料を交渉しやすくなるので、最低限の情報取集として確認しておきましょう。
複数の転職サービスで交渉する
転職活動で「転職サイト」「転職エージェント」などを活用する予定であれば、複数のサービスを利用しましょう。複数のサービスを利用することで、公開されている求人を幅広くチェックできるようになり、希望する給料を提示している仕事も見つけやすくなります。
また、転職エージェントであれば、他のサービスで確認した給料をもとに、給料面の条件をもっと良くできないか、もしくは給料が良い求人を紹介してもらえないかを交渉しやすくなります。
何の準備もなく交渉しても断られてしまうことがほとんどですが、きちんと他サービスで調査した結果も提示しながら交渉することでより納得のできる給料の企業へ転職しやすくなるでしょう。
企業に「給料はいくらでもいい」と丸投げしない
転職活動において、最も注意しなければならないのが「給料面における判断の丸投げ」です。
相手に交渉するのが苦手、自分で希望の給料を提示することに抵抗がある、などの理由で企業に「給料はいくらでもいい」と丸投げしてしまうケースがあります。
しかし、企業としてはなるべく安い給料で人材を確保したいのが本音なので、業界・業種の給料水準よりも安く設定されてしまうリスクがあるのでおすすめできません。
基本的に入社してすぐに転職することは現実的ではないので、長く働くことを見据えて、納得できる条件を自分から相談することが大切です。
年収アップを求めるときには「経験」「年数」「知識」など根拠を明確に
面接の段階で年収を交渉しようと考えている方は、「経験」「年数」「知識」など、その給料を求めるだけの根拠を明確にしましょう。
これまでにどのような分野でどのような経験を積んだのか、何の仕事にどれだけの年数をかけたのか、自分の持つ知識が現場でどのように活かすことができるのか、などは最低限明確に伝えられるようにしましょう。
根拠が不明確であるにも関わらず、給料だけを交渉すると、図々しいイメージを与えてしまう場合があります。面接の段階でネガティブな印象になってしまい、採用チャンスに影響することも考えられるので、給料の交渉をする際には、根拠をセットにして相談しましょう。
自分の市場価値を知る
自分の市場価値を知ることは、給料を高くするうえで重要です。とくに、専門分野に特化している方や、経験年数が長い方、深刻な人手不足の業界で活躍していて同じ業界内で転職したい方などは、給料の交渉を受け入れてもらいやすい傾向にあります。
近年は転職サイトや転職エージェントなどで、無料で診断できるサービスを提供されていることも多いです。気軽に利用ができるので、ぜひ気になる方は転職活動前に診断にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
入社後にどう活躍できるかをアピールする
入社後にどう活躍できるかをアピールすることは、給料を交渉するうえで重要なアクションです。
「前職で○○円売り上げたから、そのスキルを使って御社でも売り上げを○%アップできる」
「○○の開発でリーダーを務めた経験があるから、御社でのマネジメントも手伝える」
など、過去の経験やスキル、知識などを絡めながら、どのように活躍できるのかを具体的にアピールしましょう。
有望な人材であると判断されれば、業界・業種の給料水準以上の金額を提示してもらえる可能性も高まります。ついつい、自分の実績を過小評価してしまう方が多いですが、せっかくの転職で給料が下がるリスクがあるので、ぜひ積極的にアピールしてみてはいかがでしょうか。
転職で給料が下がりやすい方の共通点
転職で給料が下がりやすい方には、いくつか共通点があります。転職活動を始める前に、自分がその共通点に心当たりがないか参考にしてみてください。
スキルや経験が不十分
転職で給料が下がりやすい方の共通点として、まず挙げられるのがスキルや経験が不十分であることです。
転職先で活躍が期待できるほどの人材として判断されないと、やはり給料を高くしてもらうよう交渉しても受け入れてもらうことは難しいと言えます。
可能であれば、事前に資格取得をして目に見える形でスキルや経験を証明できるようにしておくと、面接担当者にも好印象に映るでしょう。
自己アピールが苦手
せっかくスキルや知識を得ていても、適切にアピールできないとその魅力は相手に伝わりません。
履歴書や面接で積極的に自分の実績を公開することが、給料アップの近道となるので、自分の強みを明確にしたり、面接の練習を重ねてきちんとアピールできるようにしておきましょう。
転職歴が多い
転職例が多い方は、一つの企業での経験が短くなりやすく、経験や知識、スキルが不十分といったイメージを与えてしまいます。その結果、高い給料を支払うことは難しいと判断されてしまうことにもなりかねません。
もし、面接で転職例の多さを指摘されることがあれば、「スキルアップのために転職をした」「もっと成長するためにチャレンジできる企業へ移った」など、ポジティブな回答をして、ネガティブな印象を避けましょう。
まとめ
本ページでは、転職したら給料が下がった……といった事態を避けるために、知っておくべき転職活動のポイントをご紹介しました。
より良い条件を求めて転職をしたはずが、むしろ前職のほうが良かったかもと悩んだことのある方は非常に多いもの。せっかく時間や労力をかけて転職したのに、後悔するような事態になるのは避けたいところです。
現在、転職を検討している方は、今回ご紹介した内容を参考にしながら、給料が下がらないように対策したうえで転職活動を始めてみてくださいね。
粕谷麻衣
ライター・キャリアコンサルタント。「子育てと仕事を両立したい」「自分らしく働きたい」「自分の好きなことを仕事にしたい」など、今どきの働き方にフォーカスした情報を発信。取材やインタビューを通して、リアルな声を追求していくことが好き。
自身は一児の子どもを持つシングルマザー。ワーキングマザーとしての人生を楽しく謳歌中。