フリーランスになりたい!と夢を見る前に、あなたには「溜め」がありますか?【ライター/北条かや】

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みなさんこんにちは、ライターの北条かやです。新卒一括採用でそれなりの企業に入ったものの、会社員生活がまったく合わず、1年ちょっとで退職。その後は自営業のライターとして働いています。

すべてが「自己責任」なので苦しいことも多いですが、好きなことを仕事にできて、やりがいがあって、人生が充実しています……と言うと、たまに「私も会社をやめて独立したいんです」と、若い男女から相談を受けることがあります。

そのたびに、私は少し複雑な気持ちになります。

独立して、自由度は100倍になりました

なぜなら、フリー(ランス)は決して良いことばかりではないからです。「当たり前じゃん、そんなこと分かってるよ!」と思われるかもしれないのですが、ちょっと聞いてください。

独立してから、私の「自由度」は100倍になりました。一方で「リスクに晒されたときのダメージ」も、100倍以上に膨れ上がったのです。そして、昨年起こしてしまった一度のミスで収入がほぼゼロになり、その状態から這い上がろうと、未だに試行錯誤しているところなのです。

ただ、そんな経験をしたからこそ、「フリーランスのリアル」をお伝えできる部分もあるかもと思い、そのメリット&デメリットをまとめてみました。

フリーランスのメリット、デメリット

【メリット】

  • 朝の通勤ラッシュから解放される
  • 経費が使える(自営業なので、確定申告の際に取材で使ったお金を経費として申告できます。これで少しは家計が助かることも)
  • 休日をある程度、自由に設定できる(忙しいときは無理ですが、このメリットは自営業ならではだと思います)
  • 好きなことを仕事にする喜び(これが1番、大きいです)

 

一方、デメリットもたくさんあります。

【デメリット】

  • 誰も責任を取ってくれない(会社員のときは上司がいましたが、今はミスしたら自分で全責任を引き受けなければいけません。全信頼を失うこともあります。これがけっこう辛いです)
  • お金が振り込まれないことがある(仕事をしたのに、企画がポシャって何十万円ものギャラが振り込まれなかったときは凹みました。さらに、会社員時代のように時給は出ません。打合せはノーギャラが当たり前です)
  • 厚生年金から外れるので、国民年金しかない(よって、老後の支えは貯蓄が頼りです。贅沢はできません。将来が不安で仕方ありません)

 

なんだか、自営業(フリーランス)って悪いことばっかりじゃないかと思われるかもしれませんね……。

それでも独立を考える人には、社会活動家の湯浅誠さんが提唱している、「溜め(ため)」という概念がヒントになるかもしれません。

支えてくれる人の存在を確保せよ!

「溜め」とは、精神的に支えてくれる人の存在、ある程度まとまったお金や、心の健康、サポートしてくれる実家など、自分が何か失敗したときに、下へ下へと転げ落ちないように支えてくれるインフラのようなもののことです。

そういうものがあれば、会社員という「安定」を捨てても生きていくことができます。私には幸いにも、ある程度の「溜め」があったからこそ、全ての仕事を失ったときも、なんとか生き延びることができたのだと思います。そうでなかったら、今頃どうなっていたか分かりません。

大事なのは自分の居場所を見つけること

自営業として働くことは、常にリスクと隣り合わせです。様々な「デメリット」を差し引いても、私は文章を書くことが大好きだから、それでお金をもらえることが人生の喜びだから、こうして働いているんだと思います。

会社員にしろ自営業(フリーランス)にしろ、結局は「溜め」を確保しつつ、「自分の居場所はここだ」と思えることが、働く喜びをもたらすのかもしれない。最近は、そんなことをぼんやり考えています。(文・北条かや)

北条かや

北条かや

石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。
自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。
以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。
最新刊は『インターネットで死ぬということ』(イーストプレス)、
他に『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、
『こじらせ女子の日常』(宝島社)。公式ブログは「コスプレで女やってますけど Powered by Ameba」(https://ameblo.jp/kaya-hojo
ツイッターは@kaya_hojo (https://twitter.com/kaya_hojo)



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