1on1とは?
1on1というのは、上長と部下が定期的にマンツーマンで行う面談で、近年導入する会社が多くなっています 。
なお、1on1は、目標設定面談という最も適した目標を設定して上長と部下が共有するもの、中間面談という設定した目標についての進捗結果を振り返って今後の課題や目標をチェックするもの、評価面談という評価結果を部下に伝えて次期の課題や目標を明確にするものなどとは区別されます。
1on1の目的とは?
ここでは、1on1の目的についてご紹介します。
仕事に対する部下の意欲をアップする
上長はコミュニケーションを部下と図るチャンスが少ないために、部下のモチベーションをアップするために1on1は大切なチャンスです。
本音で部下が話してくれたことについての感謝を伝えたり、一緒に難しい案件も頑張ろうと元気づけたりすることによって、部下のやる気を導き出すことができます。
部下の学習と行動を促す
1on1の目的の一つは、部下の学習と行動を促すことです。
部下に対して「どのような気づきが1on1によって得られたか」「いつから新しいことに取り組みたいか」「小さな一歩としてどのようなことが具体的にできるか」などと質問したり、目標についての進捗状況をチェックしたりすることによって、どのようなことを今からする必要があるかのイメージが明確に持てるようになります。
1on1のメリット・デメリットとは?
ここでは、1on1のメリット・デメリットについてご紹介します。
1on1のメリット
1on1は、上長と部下がコミュニケーションを定期的に図るものであり、次のようなメリットがあります。
- コミュニケーションを気軽な話し合いの場として改善する
- 十分に話し合うことによって関係性が改善する
- 進捗状況が高い頻度でチェックできる
- 評価が短期間でできる
1on1は、スムーズにコミュニケーションが図れるというメリットがあります。
忙しいために上長に話しかけにくいと考えていた部下も、十分に話をすることができます。
苦手であると考えていた上長でも、マンツーマンで話し合うことによって、意外な面がわかって、いい関係性になるときもあります。
頻度を週1回などと決めることによって、部下の業務の進捗状況を定期的にチェックして、評価することができます。
例えば、自分のことをあまり見てくれないため、評価が適切にされていないのではないかというような部下の不満も、無くすことができるでしょう。
また、身近な話をハラスメントにならないくらいにすることによって、親近感をお互いに感じるようになると、上手くコミュニケーションも図りやすくなります。
このように、1on1は、進捗状況のこまめなチェック、コミュニケーションの活発化、平等な部下の評価など、いろいろなメリットがあります。
1on1のデメリット
一方、1on1は、時間がかかったり、話し合いの目的がお互いにわからなくなったりするなどのデメリットもあります。
このデメリットを対策しないと、部下が「時間を面談にかけたくない」「話し合いは目的がないために参加したくない」などと考えることもあります。
そのため、しっかりと上長が「部下を育成させる」ということを意識し、話を戦略的に聞いて、時間を効率良く使うことが大切です。
部下のやる気を導き出す1on1の方法とは?
ここでは、部下のやる気を導き出す1on1の方法についてご紹介します。
内容を前もって組み立てる
1on1は、次のような5つのプロセスで構成されます。
- 面談で話をする内容を決めるオープニング
- 部下の話を聞く
- 学習と行動を促す
- 必要な支援をチェックする
- クロージング
そのため、どのようなことがそれぞれのプロセスで必要かを掴んでおきましょう。
特に、前もって部下についての質問は考えておくようにしましょう。
話を部下がしやすいよう働きかける
1on1は部下のためのものであり、一方的に上長が話をするのは適切ではありません。
面談の進め方や面談で話す内容を決めるときは、部下の主体性を尊重するようにしましょう。
というのは、部下に聞いたときに、ストレートに気持ちを伝えてくれるとは必ずしも限らないためです。
部下の仕草や表情などを含めて、部下の発言の真意や気持ちを推測しましょう。
信頼関係を築く
1on1で困るのは、部下が「何も話したいことがない」と回答するときです。
威圧感を与えると、部下は言いたいこともいわなくなります。
そのため、部下に受容的態度で接して、信頼関係を築くことが必要です。
例えば、声の大きさやトーン、話す速さを調節する、相手の発言に相づちを適度に打つ、相手の仕草や動作をまねるなどを心掛けましょう。
1on1の効果が最大になるコツとは?
ここでは、1on1の効果が最大になるコツについてご紹介します。
必要なスキルを上長がマスターする
1on1のときに上長がマスターすべきコミュニケーションスキルとしては、コーチングスキルとフィードバックスキルがあります。
コーチングスキル
コーチングは、傾聴が基本です。
また、部下の価値観や考え方を導き出すために、問いかけを適切に行います。
オープンクエスチョンが、質問としてはおすすめです。
しかし、異動したばかりや新卒の社員には、クローズドクエスチョンのように「はい」「いいえ」で回答するものを織り交ぜる方がいいでしょう。
フィードバックスキル
フィードバックは、部下と上長の考え方などの違いをカバーするために行うものです。
上長が部下に対して耳の痛いことを伝えるときもたまにはあります。
上長にとってもフィードバックを厳しく行うことは気持ちのいいものではありませんが、部下の成長を促すためには必要です。
コーチングやフィードバックについての研修に参加することも、必要なスキルを上長がマスターするためにはおすすめです。
一人ひとりの部下のタイプを掴んでおく
話し合いを1on1で行う部下は、いろいろな考え方や性格、価値観があります。
そのため、日常の仕事の進め方などを十分にチェックし、一人ひとりの部下のタイプを掴んでおくことも必要です。
部下のタイプを摘んでおくことによって、部下の悩み、得意・不得意、信頼関係の築き方などが理解しやすくなります。