「謙虚(けんきょ)」の意味と使い方とは?
「謙虚」の「謙」の意味は「控え目にして他の人に譲る」ということで、「虚」の意味は「邪心を持たない」ということです。
そのため、「謙虚」は「素直で控え目なこと」という意味です。
決して自分のことは下げないが、相手のいうことを素直に受け入れること、控え目にすることを表現します。
例えば、「謙虚」というのは、競技会で入賞しても決して自慢しないで、今の状態に満足しないでもっと上を目指すために頑張るような人をいいます。
「謙虚」は、低く自分の価値を評価することではありません。
また、人の性格を「謙虚」は表現するものであるため、言動が本心からのものについて使います。
「謙虚」は形容詞として「謙虚に○○」「謙虚な○○」と使うため、動詞として「謙虚する」などとは使いません。
例えば、「謙虚な様子」の意味は「つつましくて控え目な様子」、「謙虚に省みる」の意味は「素直に省みる」になります。
「謙虚」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「彼は謙虚さに少し欠けている。」
- 「常に謙虚な人は姿勢が低い。」
- 「しっかりと昨日のことは謙虚に反省する。」
- 「謙虚に応対するのは大事なことである。」
- 「誰に対しても彼女は謙虚な態度をとっている。」
- 「非常に彼女は謙虚で、好感が持てる。」
- 「謙虚な姿勢をいかなるときでも崩さない。」
「謙遜(けんそん)」の意味と使い方とは?
「謙遜」の「謙」の意味は「控え目にして他の人に譲る」ということで、「遜」の意味は「へりくだる」ということです。
そのため、「謙遜」は「へりくだること」「控え目に振る舞うこと」という意味です。
自分の価値やスキルなどの評価を低くすることを表現します。
「謙」も「遜」も意味としては、「へりくだる」ということがあります。
「へりくだる」の意味は、「自分は控え目にして他の人を尊敬する」ということです。
「謙遜」を使うのは、控え目に振る舞って、決して自分の功績や能力をおごらないというときです。
「謙遜」は、例えば、自分が撮った写真が褒められたときに否定して「大した写真ではありません」などということです。
これが必ずしも本心でなくても、このようなことをいいます。
「謙遜」は、動詞として「謙遜する」と使ったり、形容詞として「謙遜な◯◯」と使ったりします。
「謙遜」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「謙遜したいい方を彼女はしていたが、非常に喜んでいた。」
- 「謙遜しているためか、彼女は全く話さなかった。」
- 「珍しくいつもより謙遜していた。」
- 「横柄な彼は、謙遜などしないだろう。」
- 「それほど謙遜しなくてもいいですよ。」
- 「非常に褒められたため、つい謙遜した。」
なお、「謙遜」と同じような言葉としては、「能ある鷹は爪を隠す」ということわざがあります。
このことわざの意味は、優れた鷹は武器になる爪を獲物にわかられないように隠すことから、優れた人は軽々しく能力や才能を見せるようなことはしないということです。
「謙虚」な様子を奨励することわざといえるでしょう。
「謙虚」と「謙遜」の違いとは?
「謙虚」は控え目な本心からの態度で、「謙遜」は控えめな態度を意図的にとって低く自分を見せることという違いがあります。
「謙虚」も「謙遜」も意味は控えめな態度ということですが、「謙虚」の意味は本心からの態度や言動がつつましくて控え目なことで、「謙虚」の意味はその人の内面から控えめな言動が発していることです。
そのため、「謙虚」を使うのは、表面的な態度や言動のみでなく、その人の心もつつましくて控えめなときです。
そして、そのような人柄を時として褒めています。
特に多く使われるのは、「謙虚な態度」というように素直に他の人の意見を聞いて受け入れることです。
この言葉は、「その人は態度以外に人柄も控え目で、感心させられる」という意味です。
一方、「謙遜」は、低く自分を見せるために意図してとる控え目のことです。
「謙虚」は他の人の評価は関係ありませんが、「謙遜」はどのように他の人から評価されるかを考慮した上でとる態度です。
そのため、相手との関係を考えて失礼がないように振る舞うことが要求されるフォーマルなシーンでの態度は、「謙遜」になるような傾向があります。
例えば、「謙遜する」は、褒められて嬉しいが返答するときに「そのようなことありません」などということです。
「謙虚」の英語表現とは?
「humble」「modest」が、「謙虚」の英語表現になります。
しかし、「humble」と「modest」は違いが微妙にあります。
「humble」の意味は、「自分を大切であると思わない」ということです。
意味合いとしては「つたない」も含まれます。
ちょっと相手を皮肉するような意味合いが含まれるときもあります。
例えば、「humble」を使うのは、「謙虚である日本人は頭をいつもペコペコ下げている」とアメリカ人が皮肉をちょっと込めていうときがあるでしょう。
一方、「modest」の意味は、「基本的に自分のスキルや達成したことは話さない」ということです。
「reserved」という「控えめな」を意味する形容詞とも意味合いが似ています。
「humble」と「modest」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「Japanese are such a humble people that they always bow to one another.」(日本人は謙虚であるため、お互いにいつもお辞儀をする。)
- 「The CEO is very modest about her own success.」(社長の彼女は非常に自分の成功について謙虚である。)
「謙遜」の英語表現とは?
「modest」が「謙遜」の英語表現になります。
「modest」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「He is being modest.」(彼は謙遜している。)
- 「talk modestly.」(謙遜して話をする。)
なお、外国においては、褒める表現に対する「謙遜」は相手の考え方を否定する意味合いが強調されるため、基本的に素直に「Thank you.」であると受け止めるのがおすすめです。
その上で「謙遜」するときは、相手の意見をポジティブな表現で否定しないことが大切です。
「Thank you.」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「Thank you, but it is far from perfect.」(ありがとう。しかし、完全にはほど遠いよ。)
- 「Please help me improve more.」(さらに改善するように助けてよ。)
- 「I want to get better.」(自分はさらに良くなりたい。)