時候の挨拶というのは、頭語の「拝啓」などに続く季節感を表す書き出しの言葉です。
時候の挨拶としては、学校関係で出す文書やビジネス文書、目上の方向けのお礼状の「漢語調」と、個人的な知人や親しい友達向けのカジュアルな「口語調」があります。
ここでは、12月の上旬、中旬、下旬にわけて、時候の挨拶の例文や結びの文、健康やコロナについての挨拶文、季節の話題についてご紹介します。
12月の時期
日本では現在新暦が使われていますが、季節の挨拶としては、二十四節気や旧暦が使われることがあります。
ここでは、どの二十四節気が12月なるか、旧暦のいつが12月になるかについてご紹介します。
どの二十四節気が12月なるかは、次のようになります。
大雪(たいせつ)は、12月7日頃(その年によって違う)で、二十四節気の一つです。
大雪がこの頃には降るとされています。
冬至(とうじ)は、12月22日頃(その年によって違う)で、二十四節気の一つです。
この日は、最も一年で昼が短く夜が長いとされています。
旧暦のいつが12月になるかは、次のようになります。
- 旧暦の10月27日頃が新暦の2021年の12月1日
- 旧暦の2021年12月1日が新暦の2022年の1月3日
- 旧暦の11月08日頃が新暦の2022年の12月1日
- 旧暦の2022年12月1日が新暦の2022年の12月23日
- 旧暦の10月19日頃が新暦の2023年の12月1日
- 旧暦の2023年12月1日が新暦の2024年の1月11日
書類、手紙、お礼状、メールで使う挨拶文の書き方、構成
学校関係で出す文書やビジネス文書、お礼状、個人的な手紙などを書くときは、基本的に前文、主文、末文、後付で構成します。
このような基本をベースにして、細かい要素を必要によって変えながら仕上げましょう。
前文は、頭語の「拝啓」など、時候の挨拶、相手の健康や安否を気遣う言葉、自分の近況やお礼などの順番に書きます。
主文は、本文になります。
末文は、結びの挨拶で、相手の繁栄や健康を祈る言葉、結語の「敬具」などの順番に書きます。
後付は、日付、署名、宛名の順番に書きます。
時候の挨拶の「漢語調」「口語調」は相手、シーンによって選ぶ
その時々の季節感を表した言葉が、時候の挨拶になります。
時候の挨拶としては、短く簡潔に表した「霜夜の候」のような「漢語調」と、話し言葉で柔らかな「霜が夜中に降りるくらい本格的な寒さの頃になりました」のような表現の「口語調」があります。
相手やシーンによって、「漢語調」と「口語調」は使いわけます。
一般的に、学校関係の文書やビジネス文書などでは、「漢語調」のかしこまった表現が使われることが多く、文書の格がアップします。
一方、より身近な「口語調」を使う方が、個人的な文書では多くあります。
また、ビジネスシーンでも、「口語調」を使って柔らかくすることもあります。
いずれにしても、おすすめはポジティブなものです。
ビジネスシーンの「漢語調」の12月の時候の挨拶
一般的に、かしこまった「漢語調」の時候の挨拶をビジネスシーンでは使います。
ここでは、目上の方へのメールや手紙でも使えるビジネスシーンの「漢語調」の12月の時候の挨拶についてご紹介します。
季節感が時候の挨拶は大切であるため、目安の時期ごとにご紹介します。
しかし、少しその年によってずれるときがあるため、季節感を実際に優先しながら選びましょう。
また、「○○の候」は、使うときに「○○のみぎり」「○○の折」に置き換えることもできます。
「寒冷(かんれい)の候」「師走(しわす)の候」「霜夜(しもよ)の候」「霜寒(そうかん)の候」は12月全般に使える
- 「寒冷の候」の意味は、冷たく寒い時期になりましたということです。
- 「師走の候」の意味は、師走になりましたということです。
- 「霜夜の候」の意味は、霜が夜中に降りるくらい本格的な寒さの頃になりましたということです。
- 「霜寒の候」の意味は、霜が降りるくらい寒い時期になりましたということです。
「寒冷の候」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
「寒冷の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
「初冬(しょとう)の候」「向寒(こうかん)の候」「小雪(しょうせつ)の候」「初雪(はつゆき)の候」「 孟冬(もうとう)の候」は11月下旬~12月上旬に使える
- 「初冬の候」の意味は、冬の初めの時期になりましたということです。
暦の上では、「初冬」は二十四節気の11月7日頃~21日頃の「立冬」と11月22日頃~12月6日頃の「小雪」です。
- 「向寒の候」の意味は、日ごとに寒くなってまいりましたということです。
- 「小雪の候」の意味は、小雪の頃になりましたということです。
「小雪」は、11月22日頃~12月6日頃で、二十四節気の一つです。
- 「初雪の候」の意味は、初雪の頃になりましたということです。
- 「孟冬の候」の意味は、冬の初めの時期になりましたということです。
「初冬の候」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
「初冬の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
「短日(たんじつ)の候」「大雪(たいせつ)の候」「寒気(かんき)の候」は12月上旬~12月中旬に使える
- 「短日の候」の意味は、日暮れが早い季節になりましたということです。
- 「大雪の候」の意味は、雪が盛んな頃になりましたということです。
「大寒」は、12月7日頃~12月21日頃で、二十四節気の一つです。
- 「寒気の候」の意味は、冬の寒さが身にしみる時期になりましたということです。
「短日の候」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
「短日の候、○○様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」
「冬至(とうじ)の候」「年末厳寒(ねんまつげんかん)の候」「歳末(さいまつ)の候」「月迫(げっぱく)の候」「歳末ご多端(さいまつごたたん)の候」「歳晩(さいばん)の候」は12月下旬に使える
- 「冬至の候」の意味は、冬至の頃になりましたということです。
「冬至」は、12月22日頃~1月4日頃で、二十四節気の一つです。
- 「年末厳寒の候」の意味は、寒さも年末で厳しい頃になりましたということです。
- 「歳末の候」の意味は、年末の頃になりましたということです。
- 「月迫の候」の意味は、12月の末になってまいりましたということです。
- 「歳末ご多端の候」の意味は、年末で非常に忙しい頃になりましたということです。
- 「歳晩の候」の意味は、年末の頃になりましたということです。
「冬至の候」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
「冬至の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。」
ビジネスシーンの「口語調」の12月の結びの挨拶
趣旨や相手によって、結びの挨拶は変わります。
ここでは、ビジネスシーンの「口語調」の12月の結びの挨拶についてご紹介します。
今後もよろしくお願いしますというときの結びの挨拶
今後もよろしくお願いしますというときの結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。
- 「今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。」
- 「今後についても相変わらずご厚誼(こうぎ)を賜りますようお願い申し上げます。」
- 「変わらぬご支援ご鞭撻をこれからも賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」
- 「ご高配を引き続き賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」
相手の健康や繁栄を祈るときの結びの挨拶
相手の健康や繁栄を祈るときの結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。
- 「ますますの貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。」
- 「心より皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。」
- 「末筆ながら、衷心より一層のご隆盛をお祈り申し上げます。」
- 「心より皆様のご多祥をお祈り申し上げます。」
12月特有の結びの挨拶
12月特有の結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。
- 「いよいよ寒さが厳しき折、十分に自愛をお願い申し上げます。」
- 「年の瀬も迫っていろいろご多用のことと存じますが、体調を崩されませんようにご留意ください。」
- 「歳末ご多忙の折、十分に健康にはご留意なされ、さらにご活躍されますことをお祈り申し上げます。」
- 「よき年を迎えられますことを心よりお祈り申し上げます。」
- 「心より輝かしいご越年をお祈り申し上げます。」
コロナ関係の結びの挨拶
- 「コロナ禍中、寒さも厳しくなっておりますので、お体にくれぐれもご留意のうえ、よい年をお迎えください。」
- 「コロナもあり落ち着かない毎日が続いております。十分にご自愛のうえ、よい年をお迎えください。」
個人的な「口語調」の12月の時候の挨拶
個人的な時候の挨拶のときは、書き出しはカジュアルな「口語調」の表現が好まれます。
ここでは、個人的な「口語調」の12月の時候の挨拶についてご紹介します。
「漢語調」の「○○の候」の言葉
「漢語調」の「○○の候」の言葉としては、次のようなものなどがあります。
- 「霜が降りるくらい寒い時期になりました。」
- 「冬の寒さが身にしみる頃になりました。」
- 「日ごとに寒くなってまいりました。」
- 「寒さも年末で厳しい頃になりました。」
この時期の情景を綴る言葉
この時期の情景を綴る言葉としては、次のようなものなどがあります。
- 「木枯らしの吹きすさぶ毎日ですが、風邪などお召しになっておられませんでしょうか。」
- 「いよいよカレンダーも最後の一枚だけになりました。いかがお過ごしでしょうか。」
- 「街をポインセチアの花が彩る頃になりましたが、お元気でしょうか。」
- 「年の瀬になりましたが、その後お変わりございませんか。」
- 「師走も半ばを過ぎ、気ぜわしくなってまいりましたが、お健やかに皆様お過ごしでしょうか。」
- 「今年も残りわずかとなりましたが、お変わりございませんでしょうか。」
- 「行く年を惜しみつつ、来る年が待ち遠しい年の暮れになりました。お変わりなく皆様お過ごしでしょうか。」
個人的な「口語調」の12月の結びの挨拶
カジュアルな表現が、個人的に使う結びの挨拶も好まれます。
挨拶の内容は相手によって考えてみましょう。
ここでは、個人的な「口語調」の12月の結びの挨拶についてご紹介します。
相手の嗜好、趣味に合わせたときの結びの挨拶
相手の嗜好、趣味に合わせたときの結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。
- 「こちらは、とても雪景色が美しいところです。ご家族でぜひ遊びにいらしてください。」
- 「待望のウィンターシーズン、十分に満喫なさってください。」
相手の体調を気遣うときの結びの挨拶
相手の体調を気遣うときの結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。
- 「寒さも厳しくなりますが、お体にはくれぐれもご留意ください。」
- 「何かと気ぜわしい日々かと存じますが、お身体を大切になさってください。」
- 「寒がりのあなたのこと、お体にはどうぞ気をつけてください。」
年末についての結びの挨拶
年末についての結びの挨拶としては、次のようなものなどがあります。
- 「今年も残りわずかになりました。よいお年をお迎えください。」
- 「年の瀬を迎え気ぜわしいかと存じますが、お健やかにお過ごしください。」
- 「暮れは毎年のことながら忙しい時期、頑張ってお互いに乗り切りましょう。」
12月に使える季節の話題
ここでは、12月に使える季節の話題についてご紹介します。
季節の話題を使ってみると、季節感が出るでしょう。
12月の風物詩
12月の風物詩としては、お歳暮、ボーナス、年賀状、餅つき、師走、除夜の鐘、御用納め、正月の準備、カレンダー、大晦日、大掃除、忘年会、年越そば、クリスマスなどがあります。
旬の野菜
旬の野菜としては、エンリギ、かぼちゃ、カリフラワー、キャベツ、くわい、ごぼう、さつまいも、さといも、しゅんぎく、だいこん、ちんげんさい、ながいも(やまいも)、ながねぎ、にんじん、のざわな、はくさい、ブロッコリー、ほうれんそう、マッシュルーム、ゆりね、ルッコラ、レタス、れんこんなどがあります。
旬の果物
旬の果物としては、キウイ、みかん、ゆず、りんご、レモンなどがあります。
旬の海産物
旬の海産物としては、いせえび、かき、タラバガニ、けがに、たらこ、のりなどがあります。