フリーライター、編集者、雑誌「走るひと」の副編集長としてスマートに仕事をこなしている菅原さくらさん。実は昨年出産したばかりで1児の母でもあります。
突然の発熱や保育園からの呼び出しなど、子育てにイレギュラーな事態はつきもの。忙しく働きながら、どうやって育児と両立させているのか、聞いてみました。
ポイントは……
- キャリアは私が決める
- 納得できる選択をする
- 結婚も出産もあきらめない生き方を
言葉を使う仕事をするつもりが、ものを売る営業マンに
小さいときから書くのが好きで、4、5歳のころからお話を書いて遊んでいました。国語の成績も良かったので、大学も国文学科を選択。いずれ言葉を扱う仕事をしたいな、と思っていました。
新卒で入社したのは、空間デザインやWebを扱うベンチャーの広告代理店です。広告の部署に入れたら楽しいなと思っていたんですが、配属されたのは空間デザインの営業。そこで1年半ほど、テレビモニターやLEDビジョンなどを売っていました。
それはそれで楽しかったけれど、このままここにいても言葉を使う仕事はできない。それに、自分で手を動かして何かを作ってみたいという思いがありました。
転職先の編プロをやめて、独立した理由
それで、2年も経たないうちに編集プロダクションに転職したんです。教育にすごく力を入れていた会社だったので、原稿にたくさん赤入れもしてもらって、いろいろなことを学ばせていただきました。
仕事もとても面白くて、大好きだった“書くこと”でお金をもらえるのがうれしかったです。でも、会社のスタッフである以上、まずは振られた仕事をやらなくちゃいけないし、そういう責任に応えるのがだんだんしんどくなってきて……。自分が決めた仕事を自分で決めたようにやりたかったから、2、3年でフリーランスになりました。
今はライターや編集者として、受ける仕事も、選ぶジャンルも、働き方も、全部自分で決められる。だから、すべてに納得しながら仕事ができています。一番好きなのは、人となりに焦点を当てたインタビュー。魅力的な人が持っているさまざまな物語を、適切な言葉でビビッドに伝えていくのが私の役割だと思っています。副編集長をやっているランニングカルチャーの雑誌「走るひと」でも、とにかく“ひと”に寄り添ってコンテンツを作っている。まるでドキュメントのように、走っている人の言葉や息遣いを集めて文章にしていくのが、最高にドキドキするんです。
子供を産んでも、同じように仕事ができる!
去年、子供を産みました。産休・育休をとらなかったのですが保育園に入れなかったので、最初の1年間はベビーシッターさんをお願いし、仕事をしていました。
子供を産む前は「フットワークが重くなって仕事が減るんじゃないか」とか「やれる仕事が限られてくるかも」と思っていたんですが、クライアントは以前と変わらず仕事をくださったし、作業時間が減った以外は特に変わりませんでした。
取引先と密にコミュニケーションを取って、スケジュールがタイトなときは事前にご相談いただくようにしたり、スムーズに進行するための工夫ができたのもよかったと思います。だから「子供がいるからそのスケジュールでは受けられません」などと断ったことはないですね。