現在6歳の子どもを持つママ・パパにとって、気になるのが「来年迎える”小1の壁”」ではないでしょうか。
我が子が保育園に通っている方であると、小学校に入学すると同時に、忙しさやタスクの多さ、時間の問題など、あらゆる壁が立ちはだかります。
実際、毎年入学シーズンになると、「小1の壁」に悩む親御さんの声が増えている状況です。
そこで、今回は小1の壁を経験したことのあるキャリアコンサルタント兼現役ワーママが、実践した秘策についてご紹介します。
小1の壁とは
小1の壁とは、保育園に通っていた子どもが小学校に入学した段階で立ちはだかる壁です。
それまで通っていた保育園は比較的遅い時間まで子どもを預かってくれていたのに対し、小学校提携の学童などは18時頃までしか預かってもらえないといった「時間の問題」に悩むママ・パパが増えます。
そのうえ、子どもが幼かったのを理由にこれまで時短勤務が許されていたママ・パパも、小学校入学を機にフルタイムに切り替えなければならない、といった事態に陥ることも少なくありません。
また、保育園の頃にはなかったような「宿題の確認」「翌日の授業の準備のお手伝い」などの負担も増え、親の時間や気持ちの余裕がなくなってしまうことも多いです。
結果的に、親が子どものために働き方や仕事を変えたり、仕事を辞めたりせざるを得なくなってしまう状況を小1の壁と呼びます。
共働き世帯にとって、小1の壁はとても深刻な問題であると言えるのです。
小1の壁の要因
そもそも小1の壁の要因とは何なのでしょうか。
ここからは、小1の壁が生じる根本的な要因を見ていきましょう。
子ども・学校に関するタスクの増加
小1の壁の要因として、比較的多くの親が認識しているのが「タスクの増加」です。小学校に入学すると、子どもや学校に関するタスクが急増します。
朝は健康管理や連絡帳のチェック、忘れ物がないかを確認したうえで子どもを送り出さなければなりません。また、夕方に子どもが帰宅したら、宿題を確認したり、分からない部分を教えたりする手間が増えます。
子どもが一人で学校の準備ができるようになるまでは、翌日の授業や必要な持ち物などの準備なども手伝わなければなりません。
とにかく子ども・学校に関わる「やること」が増えるため、時間的な余裕がない状態に陥ってしまいます。
学校の長期休暇
小学校にあがると「春休み」「夏休み」「秋休み(一部地域)」「冬休み」といった長期休暇が存在します。共働き家庭の場合は、数週間の長期休暇中は子どもをどうしたらいいのかで悩むことになるでしょう。
小学1年生では、まだ1日留守番させておくことに不安があると感じる場合が多いですし、何より長時間の留守番に子ども自身が耐えられないことも考えられます。
長期休暇の問題は、働くママ・パパを悩ませる小1の壁といえるでしょう。
PTA活動などの負担
子どもが小学校にあがったことで親が学校と関わることも増え、結果的に小1の壁となることも多いです。
代表的なのが「PTA活動」の存在でしょう。フルタイムで働きつつ、子どもの面倒や家事などをこなして、さらにPTA活動のために学校へ集まったり、活動したりすることは大きな負担です。
結果的に、それぞれを同時進行で対応することが難しくなり、泣く泣く働き方を変えるケースも存在します。
学童保育の預かり時間の短さ
学童保育の預かり時間の短さが原因で、小1の壁に悩まされるケースは非常に多いです。閉園時間は保育園によって異なるものの、19時や20時頃まで子どもを預かってくれる保育園がたくさんあります。実際に、我が子を夜まで保育園に預けている方も多いのではないでしょうか。
しかし、小学校は夕方の早い時間に下校となってしまううえに、その後の預け先である学童保育も18時ごろまでしか対応していない施設が多いのです。
フルタイムで働くママ・パパにとって、学童保育の預かり時間の問題は非常に深刻でしょう。
キャリコンママが教える|小1の壁を切り抜ける5つの秘策
ここからは、実際に小1の壁を経験した筆者が、どのように切り抜けたのかを解説します。
小1の壁に備えるためにも、以下の秘策を参考にしてみてください。
1.夕方以降の業務をリモートワークに
子どもの帰宅時間には自宅にいられるよう、リモートワークに切り替える働き方は定番です。しかし、筆者の場合は終日リモートワークに切り替えることは難しかったため、日中の業務をオフィスで行い、夕方以降の業務のみリモートワークで対応することを選択しました。
終日リモートワークにするよりも会社の理解も得やすく、なおかつ社員とのコミュニケーション不足も回避することができます。
2.ファミサポの活用
仕事の都合上、子どもの帰宅時間に間に合わないときや、子どもが在宅しているタイミングで取引先に行く予定があるときなどは、ファミリーサポートを活用しました。
事前に自治体などへ登録申請を済ませておく必要がありますが、ベビーシッターを利用するよりも費用が安価であるため利用のハードルが低いのが魅力です。
3.夕方に習い事をさせる
子どもが帰宅してからも業務を進めなければならないため、夕方のタイミングで子どもに習い事をさせていました。
送迎つきの習い事であれば、親が不在であっても習い事先を行き来できるのがメリットです。
習い事によっては数時間程度預かってくれるところもあるため、子どもの興味関心と照らし合わせながら利用先を検討してみるといいでしょう。
4.オンライン見守りサポートの利用
まだまだサービスを提供しているところは少ないのですが、「オンライン見守りサポート」は、小1の壁の大きな味方となってくれます。
タブレットやPCなど、画面越しに子どもの相手をしてくれるサービスであり、交通費がかからないのがメリットです。
画面を通して読み聞かせや簡単なゲーム、クイズなどをして子どもの面倒を見てくれるため、一人で留守番させておくのが不安なときや、リモートワークで子どもの相手ができないときに便利です。
5.どうしても家を空けるときには「ビデオ通話」を繋ぐ
どうしても子どもの帰宅時間に仕事で外出しなければならなかったり、そもそも帰宅が間に合わなかったりするときには、LINEのビデオ通話を繋ぐなど、「一人ぼっちにしないこと」を徹底していました。
お互いにビデオカメラで顔が見える分、不安感が軽減するだけでなく、ビデオ通話を通して宿題をしているか、おやつを食べているか、などを確認できます。
とはいえ、子どもの性格によってはビデオ通話であっても一人での留守番に不安を抱えることも多いのも事実。我が子がビデオ通話を繋いでいれば留守番できるか否かを確認したうえで実践してみてください。
まとめ
小1の壁は、共働き家庭の大きな問題の一つです。小1の壁が理由で、せっかく築いてきたキャリアを手放すことになるケースも少なくありません。
今回は、筆者の経験をもとに、小1の壁の対策としておすすめできる方法をいくつかご紹介しました。ぜひ参考にしながら、取り入れられそうな対策がないか考えてみてください。
粕谷麻衣
ライター・キャリアコンサルタント。「子育てと仕事を両立したい」「自分らしく働きたい」「自分の好きなことを仕事にしたい」など、今どきの働き方にフォーカスした情報を発信。取材やインタビューを通して、リアルな声を追求していくことが好き。
自身は一児の子どもを持つシングルマザー。ワーキングマザーとしての人生を楽しく謳歌中。