妻への誕生日プレゼント、シューマンのピアノ三重奏曲【ヴァイオリニスト/月元ハルカさん】

月元悠




ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調作品63


全4楽章構成です。ピアノ三重奏なので、ピアノとヴァイオリンとチェロで演奏されます。とにかく緻密な構成と繊細なフレーズの端々が聴き手の心にダイレクトに伝わります。

1楽章 精力と情熱を持って

憂いに満ちたピアノが先導し、弦楽器が旋律を奏でます。情熱的なリズムを経て、美しいシーンへと展開されます。ミステリアスな終わり方が特徴的です。

2楽章 生き生きと、しかし速すぎずに

おどけたような付点のリズムで1楽章とは対照的に躍動感があって明るい1曲です。

3楽章 ゆっくりと、心から感情を持って

美しさを嚙み締めるようにゆっくりと静かに時が流れていきます。この楽曲の中で、一番ゆっくりとした楽章です。

4楽章 情熱を持って

明るく活発なフィナーレです。気分が盛り上がるような雰囲気で、クララの誕生日を盛大に祝っているのかもしれませんね。

いかがでしたか?
繊細な感情の揺れが音楽に乗せられて伝わってきますよね。特にシューマンの作品はナイーブな内面性が顕著に現れているような気がします。
1度聴いてもなかなか掴めないような、宙に浮いた感覚ですが、〈シューマンらしさ〉を感じ取れるように、次回もまたシューマンについてご紹介したいと思います。
次回もお楽しみに!

<プロフィール>
月元 ハルカ
長崎県出身。3歳よりヴァイオリンをはじめる。田代典子、木野雅之各氏に師事。これまでに、エドゥアルド・オクーン氏、豊嶋泰嗣氏、大山平一郎氏、ロバート・ダヴィドヴィチ氏、ハビブ・カヤレイ氏、加藤知子氏、小栗まち絵氏のマスタークラスを受講。また、ながさき音楽祭、球磨川音楽祭、霧島国際音楽祭、NAGANO国際音楽祭に参加、マスタークラス修了。各地で演奏活動を行う。西南学院大学 国際文化学部 卒業。現在、福岡教育大学 大学院 音楽科 修士課程修了。各地で演奏活動を行う傍ら、後進の指導を行う。クラシックをより身近に感じてもらうためのコラムサイト『COSMUSICA』(cosmusica.net)にて、連載「映画で学ぶクラシック」執筆中。




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RUN-WAY編集部

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