「きみはアビリティが高いね」「アビリティを伸ばしていこう」というように、ビジネスシーンで頻出の単語が「アビリティ」です。ビジネスの日常で使われることも多いですが、人を採用する場面でも「アビリティ」は非常に重要です。今回は、「アビリティ」について詳しく解説します。
そもそも「アビリティ」の意味とは?
まずは、アビリティの持つ意味やビジネスシーンでの使い方について紹介します。似たような表現である「スキル」との違いも合わせて解説していきます。
「アビリティ」の語源は英語の「ability」
「アビリティ」は、英語の「ability」が語源です。英語の意味としては、「できること、能力、技量、力量、才能」などをあらわしています。
「ability」は生まれつきのまたは努力して得た能力であり、「faculty」はある特定の分野の先天的または後天的な能力、「talent」は特に芸術の分野における先天的な能力を指し示します。
「アビリティ」と「スキル」の違い
「アビリティ」としばしば混同される言葉に、「スキル」があります。どちらも「技能」や「腕前」という意味を持っているのですが、実は、アビリティとスキルには大きな違いがあるのです。
アビリティが「能力」を指し示すのに対し、「スキル」は、「高度な技能」「熟練の仕事」という意味を持っています。つまりアビリティは先天的な能力値ですが、スキルはトレーニングや経験によって得られる後天的な技能のことなのです。
企業における「アビリティ」の捉え方
ここからは、実際に企業でのアビリティのとらえ方についてみていきます。アビリティはあったほうがいいのか、その必要性やどこで判断されるのかなども合わせて見ていきます。
人事面接の場でアビリティは見られている
アビリティを見られるのは、その企業に入社する前だといわれています。企業は、面接に来た人のスキル(後天的な能力値)はもちろん見ます。これは職務経歴書や履歴書でも判断できることです。
企業側はその人の「能力」を見たいと考えています。そのため、実際に会って話してみて、もともと持っているポテンシャル、性格、行動性、将来性などの「アビリティ」をみるのです。アビリティを見るということは、その人の「ビジネスパーソンとしての価値」を見ているといっても過言ではないのです。
「エンプロイアビリティ」とは
ビジネスシーンでは、通常のアビリティのほかに「エンプロイアビリティ」が重視されます。「エンプロイアビリティ」とは、「雇用されるに等しい能力」のことです。
「エンプロイアビリティ」は1980年過ぎにアメリカで生まれた考えで、長期雇用ではなく自分に価値があると示すことで他社でも雇用されやすくする能力を指しています。
つまり、企業にとってその人が継続して雇用するに値するか、雇用するに値する能力や技術があるかということを意味しています。「エンプロイアビリティ」が高ければ、就職にも転職にも有利です。起業するときも有利に働くでしょう。
「エンプロイアビリティ」を高めるのは人材だけではない
現在の日本の雇用状況を鑑みるに、エンプロイアビリティは人材だけではなく、企業も高めていかねばならなくなっています。
自分の会社に価値を創造し、優秀な人材が他社に流出してしまうのを防ぐのです。優秀な人材、つまり「エンプロイアビリティ」が高い人材は、同じところにとどまってはいません。常に新たなステージを探しているのです。そうすると、今の企業にいる価値がないと判断されれば、転職されてしまうのです。
エンプロイアビリティを高める努力をしている企業は、優秀な人材が集まってきます。一人が辞めても、他の優秀な人材が入ってくる。そうすることで、企業に常に新たな風が入り、ステレオタイプな考えを捨てた風通しのいい企業となっていくのです。
まとめ
このように、潜在的なアビリティを高めることは自分の価値を高めることに直結します。人材だけではなく、企業も同様にアビリティを高めていかなくてはならない現代、人材や企業の価値を高めていくことで、新たな考えやレベルの高いモノづくりができていくのです。アビリティに似た言葉との使い分けもしっかり把握しつつ、自分自身のアビリティを高める努力を行いましょう。