「粗利益(あらりえき)」の意味とは?着目すべき理由や「営業利益」との違いなどを解説




「粗利益(あらりえき」の意味とは?

「粗利益」というのは、売上から原価を差し引きした金額です。

例えば、仕入れが800円で販売価格が1600円の時は、800円の「粗利益」になります。

また、「粗利益」の販売価格に対する割合は「粗利率」といいます。

なお、正式な「粗利益」の名称は「売上総利益」ですが、ビジネスシーンでは一般的に「粗利益」あるいは「粗利」という時が多くあります。

「粗利益」とは、大元の商売における儲けです。

ビジネスにおいて、1つの商品の「粗利益」は非常に大切です。

経費を「粗利益」以上に使用しなければ必ず儲かるため、経費を「粗利益」以上に使用しないことが商売の基本であるといわれています。

全ての経費が「粗利益」から支払われていることを把握すると同時に、「経費を粗利益以上に使用しなければ儲かる」ということを考慮することが大切です。

「粗利益」に着目すべき理由とは?

ビジネスシーンでは、5つの利益の中で、「粗利益」に最も着目すべきであるといわれています。

ここでは、「粗利益」に着目すべき理由についてご紹介します。

会社の基本的な利益である

会社を経営するために必要な販管費や人件費、水道光熱費などというような経費は、「粗利益」から全て支払われます。

そのため、経費を「粗利益」以上に使用しなければ手元に必ず儲けが残るようになり、会社の基本的な利益として大切な意味があります。

会社の競争力や価値の判断基準になる

「粗利益」が稼げていない時は、サービスや商品が世の中に原価以上の価値を認められていないと判断できます。

また、そのサービスや商品が対等以上にライバル他社と競合できるか、競争力を判断する基準としても使用されます。

会社の収益性をアップするために「粗利率」をアップする方法とは?

会社の収益性をアップして安定して事業を運営するためには、販管費や人件費などの経費を可能な限り少なくすると同時に、「粗利率」をアップすることが必要です。

ここでは、会社の収益性をアップするために「粗利率」をアップする方法についてご紹介します。

サービスや商品の単価をアップする

「粗利益」は、サービスや商品にかかる最低限のものを除外したもので、サービスや商品がどの程度社会的に価値があるかを示しています。

ライバル他社にないようなメリットを打ち出したり、品質をアップしたりすることによって付加価値をアップし、「この会社から商品を買いたい」「この商品を高くても買いたい」とユーザーが思ってくれると、利益分を原価に上乗せして単価をアップすることができます。

売上原価をダウンする

材料費などの無駄を無くす以外に、加工や製造にかかる費用を低減したり、作業方法を変えたりすることも、「粗利率」をアップする効果があります。

「営業利益」と「粗利益」の違いとは?

ここでは、「営業利益」と「粗利益」の違いについてご紹介します。

「営業利益」

「営業利益」は、販売費と一般管理費を「粗利益」から差し引きしたものです。

販売費は、商品を売るためにかかる費用です。

例えば、宣伝広告費、小売業の販売スタッフなどの人件費、商品を運搬するための運送費などになります。

一般管理費は、会社を管理するためにかかる費用です。

例えば、通信費、役員の報酬などになります。

「営業利益率が高い」というのは、「営業利益」が売上に対して高いことです。

営業利益率が高ければ、「本業で儲ける力が高い」と見られます。

営業利益率が高いことは、販売費などを使用しなくても利益が上がっている証拠でもあるため、商品力が高いということにもなります。

「粗利益」

「粗利益」は、「売上総利益」と損益計算書上ではいわれており、売上から製造原価や売上原価を差し引きしたものです。

「粗利益」では、「会社がどの程度本業で儲けているか」がわかります。

例えば、小売業のスーパーマーケットなどの時は、1,000円の原価の商品を1,500円で300個完売すると、「粗利益」は500円に300個を掛けた150,000円になります。

製造業の時の「粗利益」は、製造原価を製品の売上から差し引きした金額になります。

「粗利益」が高い時は、「本業が儲かっている」ようになります。

なお、「粗利益」の計算に使用する製造原価と売上原価については、製造業と小売業で人件費が含まれるかどうかが違っています。

製造業の時は、製造原価に人件費が含まれています。

一方、小売業の時は、販売費に人件費はなるので売上原価には含まれていません。

「粗利益」を計算する方法とは?

ここでは、「粗利益」を計算する方法についてご紹介します。

売上を計算する

売上は、帳簿をつけているとおのずとわかるでしょうが、売上の構成要素については注意しましょう。

売上は、客単価に客数を掛けた金額、あるいは客単価に客数と来客頻度を掛けた金額になります。

経営する時は、このような構成要素は非常に大切な意味があるため、必ず意識しておきましょう。

変動費の経費を洗い出す

売上に比例して、変動費は多くなる経費です。

最もわかりやすいものとしては、商品を仕入れて売る時の原価でしょう。

在庫が商品ではあるため、商品の原価を計算する時は、期の初めと終わりの棚卸を適切に掴む必要があります。

商品の原価の他にも、例えば、外注で商品を作っている時は、外注費が売上に比例して多くなると変動費になります。

これ以外に、クレジットで販売代金を決済している時は、紹介料を商品の販売にともなって払うと変動費になるでしょう。

厳密にいえば、売上に比例していろいろな経費が多くなるでしょうが、あまり細か過ぎても意味がないため、変動費には金額の割合が大きいものをするといいでしょう。

「粗利率」を掴む

損益分岐点分析を使ってシミュレーションする時には、「粗利率」が大切になります。

「粗利率」は、「粗利益」を売上で割ったものです。

この「粗利率」を掴むと、すぐに次のようなことがわかります。

  • 売上がいくらであれば「粗利益」がいくらか
  • 「粗利益」がいくらであれば売上がいくらか

「粗利益」を売上から計算する時は、売上に「粗利率」を掛けます。

「粗利率」は、大きくビジネスモデルが変わらなければそれほど変わりません。

当然ですが、「粗利率」は商品ごとに違っているでしょうし、「粗利率」は爆発的にある特定の商品が売れた時などは変わります。

しかし、変動が大きくない時は、「粗利率」は過去の実績からのもので問題ないでしょう。

「粗利率」を掴んでおくと売上がわかるため、「粗利益」が必然的にわかるようになります。

そのため、「粗利益」は変動費を集計するよりも容易に掴むことができます。

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RUN-WAY編集部

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